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妄想ちゃんと妄想くん。  作者: N山パイン
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放課後、図書室で・・・

放課後の図書室は今は僕以外誰もいなくとても居心地が良い。

ゆっくりと本を読むのが好きな僕は迷わず図書委員に立候補した。

校庭から聞こえる野球部の声を聴きながらゆっくりと本に視線を落とす。

この時間が一日でもっとも好きな時間だと言っても過言では無いだろう。


ペラリ、ペラリとページを捲りふと時計を見るともう終了時刻に差し掛かっていた。

本に栞を挟み、閉める作業をしようと立ち上がるとカラリとドアの開く音がした。


「あ、まだ大丈夫ですか?」

「もう閉めるけど、借りるの?返すの?」

「返却です!」

「そう、じゃこっちに来て。」


ドアの所でオドオドとした女の子をカウンターに案内し、返却する本を受け取る。


「ん?この本、返却期限過ぎてるね。」

「す、すいません!」

「いいよ、だけど今度からちゃんと気をつけてね。」

「はい・・・」


しょんぼりと下を向く女の子が何だか可哀想でさり気なくフォローしてみる。


「うっかりって、よくあるよね。僕もよく返す日とか 「違うんです!」 ・・・え?」


フォローを女の子の言葉で遮られる。


「違うんです、うっかりじゃ無いんです・・・」

「あぁ、返却日の勘違いかな?」


あははと笑えば女の子がバッと顔を上げ、真っ赤な顔に涙目で僕を見つめる。

しまったな、冗談が通じないのかな・・・

バツが悪くなって目線を逸らす。


「先輩が・・・」

「ん?」


先輩という言葉にこの子は年下なんだな何て考えていたら女の子はモジモジしながら呟いた。


「先輩が当番の日に、返したかったんです・・・」

「え?」

「先輩に、会いたくて」


つまりこの子は僕に会いに図書室に?

その為に返却期限を守らないなんて・・・




「返却期限守らない悪い子には、お仕置きが必要だね。」






「お仕置き~!!!!!!お仕置きって響きヤバくない?背徳感凄くない?」

「おいおいおい妄想くん、そのお仕置きはクールな感じで言ってるのかね?それとも悪どいニヤリな感じで言ってるの?どっちにしてもお仕置きされた~い!!!」

「妄想ちゃん、僕にお仕置きされてみる?」

「はっ?」

「ごめんて!そんな冷たい目で見ないで!ご褒美ですか」

「うわキッも」


妄想ちゃんと妄想くんの妄想は尽きない。

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