第九話 ようやく気づく
なんかシリアスな展開ばっかだから平和回も書きたい
冷や汗に小刻みに震える体
ウリンの様子が明らかにおかしい
ベルクは地面に落下した
「何が、、起きている、、?」
困惑する頭を抱え ウリンに近づこうとする
「ウリ、、」
名前を呼んで 近づこうとする
スパン
「え、、、?」
急に足に力が入らなくなる
もしかして ここまで来てビビってしまったのだろうか?
そんなのダメだ ここで俺が動かなきゃいけないことくらいは分かる
いいから 早く動けよ
ウリンの所へ 行かないと
しかし 底なし沼にハマったかのように 足が動かない 前へ進もうという意思だけが暴走している
自分の足を見る また歩こうとする
視界が赤くなる
足に力は 入らない
入れる足が無いからだ
進めるわけが無い
進む足が無いのだから
それに気付こうとせず
目を逸らし ウリンの元へ行くことだけを考える
今自分に起きていることが信じられなくて
現実を見ることが出来なくて
たださっきのように気さくな言葉をかけて欲しくて
俺は今 ウリンに縋っている
「こっちに、、来ないで、、、」
「ウリン、、、?」
突如 ウリンが唸るような声で呟く
俺は今どんな体勢だろう
『分からない』な
「ボクは、、私は、、何もしてない、、」
ウリンが今までに聞いた事のないような切羽詰まった声で呟く
何を否定しているんだろう
「ウリン、、大丈夫か?」
声を掛ける ウリンにその声は届かない
目線も瞬きも 何の反応も示さない
「こっちに来ないでって、、言ってるんだよ!!」
体がビクッと反応する ウリンが急に大声を上げ
それに対して無意識に体が反応したのだ
「ウリン、、大丈夫だ、ベルクはもういないし、敵らしき人も見えない、、」
なんとかウリンを安心させようとする
赤く 紅く染まった眼でウリンを見つめる
目は 合わない
「こっちへ、、来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
スパン
スパンスパン
視界が更に赤くなる
ようやく気づく 血だと
ようやく気づく 危ないと
ようやく気づく もう
手遅れだと
こちらへ来てから2度目の走馬灯 世界がスローモーションになり 脳から思考が奪われる 体を動かす元気がなくなり
そっと 眠る
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「また回、、かける、、ってきて!、」
また声だ 初めてこちらの世界へ来た時と同じ感覚だ
でも今度は人が多い その騒々しさに 耳を塞ぎたくなった
「ヒー、!、、ル、、、!」
だんだんと記憶が整理されていく
死んだんじゃなかったのかな
どっかの何かで見た 『死に戻り』か、、?
頭の中は結構余裕で 清々しい気持ちすらあった
突如 眩しさが
うるささが
何かホテルのような匂いが
思い出すかのように帰ってくる
「、、、っあ!!」
目を開ける 太陽の眩しさと 白い高級感の溢れる天井が目に入る
「目が、、覚めた、、、!」
やったー!!!!
所々からそんな声が聞こえてくる
その声に驚き 周りを見渡すと 見知らぬ顔ばかりで スーツのような黒い服を着た男や 看護婦のような女 黒いローブに身を包んだ怪しげな老人など いかにも異世界のような人ばかりだった
そんなのにいきなり対応できるはずがなく 俺は 一番最初に気づいた人に話しかける
白衣を着て 杖をかざしていた少女に
「ウリン、、、?」
「おはよ」
ウリンの目は こっちを向いていない
段々とpvが少なくなり 不安になりつつあるぅ
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