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ただの社畜が異世界の神になる話  作者: かみこ
第一章 神になった男
8/18

第八話 怖い

短くね?

走馬灯とか そういうものは無かった

目の前に迫り来る獣人が 少し遅いな とは思った


思い出すことが 無かったのかもしれない


だから 今俺が(すが)るのは

たった1人の少女のみ


「アクア・ヴリル!!」


直後 水の輪が現れる それも一目では数えきれないほどだ


水の輪は回転し 丸型ノコギリのような刃へと姿を変える


「穿て!」


その刃は 一瞬にしてベルクに襲いかかる その速さは ベルクが俺にたどり着くのに間に合うくらいだ


「邪魔だぁ!」


ベルクが体のチェーンを外す よく見ると 先に斧の先端部分のような刃が付いている

モーニングスターに似ているような形状だ


ベルクはその代物を簡単に振り回す その勢いは目で追えず しかし一撃一撃が 水の刃を切り裂いていることは分かった


水の輪の数は ベルクが武器を振り回す度に減っていき それはそのまま 俺の死のカウントダウンとなっている


「何か、、何かないのか、、」


ウリンを見る 手を前に差し出し 眉間にシワを寄せている 限界が近いことが分かる表情だ


女神と渡り合うということは ベルクの実力も相当のものなのだろう そんな相手に 俺が勝てる訳がない


魔法を作る? とんでもない

逃げる? ウリンを置いて?

戦う? どうやって?


疑問と否定が頭を駆け巡り オーバーヒートする

結果的に思考が止まり 動けなくなる


水の輪は減る


顔の血が滴る


怖い


怖い怖い


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


喉から 言葉にならない言葉が出る

溢れ出る感情を 抑えることはできない


「あああああ!!!」


突如 時間が止まる

正確には そう見えただけだが


ベルクとウリンの動きが 完全に止まったのだ


目前で何が起きているのか理解できず 間抜け面で立ち尽くす


そして 2人の様子が変わり始めた

冷や汗をかき 何かに怯えているように見える


2人の顔が一気に強ばり 口が開く


「きゃあああああああああ!!!」


「ぐああああああああああ!!!」


2人が先程の俺に似たような声をあげる

2人とも体は縛られているかのように動かない


動けないようにも見える


「お、おい、大丈夫、、」


すると 突如ベルクが暴れだした


「うぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」


持っていた武器を不規則に振り回す 先程の精密な動きとは大違いだ


ベルクが壁の穴に近づく 外はビルの4階ほどの高さだろうか


「お、おい!危ないぞ!」


「こっちへ来るなぁァァ!!」


ベルクが叫ぶ 一瞬は俺に言ったのかと思ったが 目はこちらを向いていない 無限の闇を見つめているような目だ


外からの風もあり ベルクはあっけなく城の外へと放り出された


叫び声は 聞こえなくなった


「ど、どういうことなんだ、、?」


頭が混乱する こっちに来てからは混乱ばかりだ

しかし 今一番気をつけなければいけない人物は明白だった


「ウリン!!」


縋るしかなかった少女の名前を 俺はまた呼んだ

短いわ

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