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ただの社畜が異世界の神になる話  作者: かみこ
第一章 神になった男
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第六話 やることができた

大変だなー

7月中旬くらいにテストデーす


中に水を入れ その中に黒い絵の具を混ぜたかのようなおどろおどろしい金平糖もどき


これが 俺の生まれて初めての魔法だった


「ちょっとよく見せてね〜」


ウリンが俺の魔法(笑)を観察する こんなもの観察して何になるかはよく分からない


だが眼差しは真剣そのもので なんだか嬉しい反面恥ずかしい感情もあった


「ウリン、、こんなもの見てどうする」


「こんなものってこともないかもよ?」


「、、どういう意味だ?」


自分の手のひらに乗った金平糖もどきを見る 何度見ても気味が悪い 吸い込まれそうな(うろ)と 全てをすり潰したような黒だ


「絵の具ってさ、色んな色を混ぜると結局黒になるじゃない?そういうことだよ」


余計に訳が分からなくなった気がする

絵の具? 何の関係があるのだろうか


「異世界初心者でも分かるように説明してくれないか?」


「中々に面倒だね」


「そこをなんとか」


俺は何をしているんだろう

疑問ばかりが頭をよぎる


「まぁ連れてきた私の責任だし、説明しますかねぇ」


「あぁ、頼む」


そういうとウリンは目の下にあったメガネを掛け直し もう一度手のひらに水の球体を作り上げた


「魔法ってのは、想像したものを、魔力を使って実際に作り上げることだよ、だから、想像力次第ではこんなこともできる」


そういうと ウリンの手のひらのシャボン玉が小さくなり 形が歪になり 俺の作った金平糖もどきと完全に同じ大きさ 形になった


「おぉ、、こりゃすげぇ」


すると次には花の形 鳥の形と 球体だったはずのものがどんどんと形を変えていく その姿は繊細で 本物と見間違えてしまいそうだ


「こんな風に、魔力と想像力次第では、もっとすごいのもできるよ」


いつの間にか熱中して見ていた 小学生の頃に初めて見たプラネタリウムのような奇妙な感動があった


「想像力か、、でも、色が黒いのはどういうことなんだ?」


「多分それは、君の心がブラックなのと、たくさんの属性の魔法が一気に注がれたからだよ」


「今さりげなくショックなこと言ったな」


ブラックなのは会社だけで十分だというのに 自分まで染まってしまったというのだろうか


「まぁいい、その属性ってのはなんだ?」


「よくぞ聞いてくれたねぇ!属性とは、火やら水やらとポピュラーなものから、聖とか闇とか神秘的なものまで、この世の事象や物事のことだよ!」


ものすごい勢いでウリンが説明する 魔法がかなり好きだという意思が伝わってきた


「属性がたくさん注がれたってのは、今俺がイメージした水以外の属性の魔力も注がれたってことなのか?」


さっきの絵の具の話はこのことだろう、たしかに色んな属性が混ざれば黒に近づくかもしれない


「物わかりが良くて助かるよー、つまり、魔力の量や操れる属性の数は(ひい)でているね、絶対私よりは」


「そんなにすごいのか?この金平糖もどきが?」


「そうって言ってるじゃーん、負けてることを何度も認めさせないでほしいね」


「あぁ、、悪い」


少しばつが悪くなるが 才能というものは仕方ない 前の世界で 俺はその才能が掴めなかった訳だし


「ほーら、また暗い顔になってるよ?笑顔笑顔」


そう言うと ウリンが俺の口角を無理矢理上げようとする あまり笑うのは得意ではない


「あはは、変な顔〜」


普段笑わない奴が 無理矢理笑顔にさせられて 変な顔にならない訳がないだろう


そう思ったが 口を(つぐ)んだ


暗い気持ちは 確かに消えたからだ


「まぁきっといつか心から笑える日が来るよ、多分」


「ほんとかよ、、、」


「それにしても、ほんとにたくさんの属性が含まれてるね〜、それをこの体積に詰めきれるのか、、」


ウリンが感心したように頷く


「とりあえず、俺の魔法とやらが強いのはなんとなく分かった、で、世界を救うってのは、具体的には何をしたらいいんだ?」


「それはとりあえずね、、、」


ドゴォォォォォォォン


爆音


耳をつんざき切り裂くような爆音が届く

次に聞こえてきたのは悲鳴だ 突然の出来事に 困惑し、動けなくなった


「、、、来たわね、、」


「おい!ウリン!これはどういうことなんだ!来たってのは一体、、」


ウリンの表情に気づく


悲しい表情だ 哀れんでいるようにも見える


その横顔は先程からのじゃじゃ馬感は消え去り やはり女神なのだろうと思ってしまう


「たった今、やることができた」


「奇遇だな、俺もだ」


神様として

何より人として

ここで動かなければ行けないという意思が俺を突き動かしていた

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