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ただの社畜が異世界の神になる話  作者: かみこ
第一章 神になった男
17/18

第十七話 窓の外の景色

感想が一件も届かないぃぃぃゐぃい⤴︎ ⤴︎⤴︎

ループする城


上がれない階段


世にも奇妙な物語のような事象に対面し 冷静な判断を下そうと必死に考え抜く


赤いカーペットが敷かれたその廊下は 横に移動してもまた同じ階段にたどり着き その階段を上がっても下っても 結局は同じ場所へと戻される


「ぜぇ、、ぜぇ、、」


階段を何度も何度も昇り降りする ということは 元々体力がない自分にはかなりの苦行であった


呼吸を整え 額の汗を拭う その度に自分の腕に血がついているのではないか、などと想像し 眉間にシワができる


「窓を割ってみるか、、?」


階段に何かをしようとしても無駄であることが分かり 何か外部へと移動しようとするため 窓に向かって思いっきりタックルをしてみた


割れたガラスの破片が怖いし 窓を割った経験など人生で無いため 少し弱腰めに突っ込む


直後 バチッと電流が流れるかのように 俺の体に衝撃が走った


驚きと衝撃で後方へと吹っ飛び 壁から壁まで吹っ飛ぶ 背中を思いっきり打ったが そこまで痛みは感じなかった


「一体どうなってやがんだ、、」


背中に異常が無いことを手触りで確認し 改めて状況を整理する


・階段や廊下の移動は不可能

・外部への呼びかけも不可能

・脱出も不可能


「、、結構詰んでるな、、」


そして今の電撃のようなものから 完全に魔法の類だと確信した


エルやウリンも同じような事象に出くわしているのだろうか それならばかなりまずい状況だ 外には獣人の王がいて いつ攻撃してきてもおかしくない


もしかしたらこれも 獣人側の攻撃かもしれないと思った


しかし あのような巨躯を持っている者たちが 魔法を使う というイメージがイマイチ湧かず とりあえず後回しとした


もしこれが 俺だけを対象とした攻撃だとすれば

近くにその術士がいる可能性が高い と思った


しかし 城や町全体への魔法だとすれば 対抗するのはかなり難しいだろう しかし 魔法であれば可能であるような気がしてならなかった


「もしこれが魔法なら、どんな魔法だ、、?」


ウリンは水や回復 エルは結構なんでもできたが 探知や死者蘇生などの ある程度のテーマが決まっていた


そう考えると やはりイメージだけで成せるものと考えるのが妥当だろうか


生物が想像できる範囲で このような効果をあげられるもの だろうか


「分からねぇ、、、」


イメージだけで場所や時間をループさせるなど かなり不可能なものがあるし 対抗の術もないだろう


しかし それ以外の選択肢が潰えてしまう 攻撃してくる様子もないため 取っ掛りが全くない


1つ確かなことは 窓の外の景色はおかしい ということだ 獣人が攻めて来ている というのに 皆楽しげな表情でいる


「、、、幻覚?」


ふと頭に浮かんだ言葉だった


仕事で限界化した時に見たことがある 手錠や鎖が自分に巻き付き 動けなくなるという幻覚だった その後は睡眠をとることによって消えたが 嫌な感触だけがその後1週間ほど残った


その時は『そのこと自体が自然』であり 元々そうであったような感じのため 疑うことがなく だからこそ倒れるまで仕事ができたのだ


『疑えない』のだ


自分の中での常識を覆す という行為は 誰しも簡単に出来るものではないが 自分がそれを思いつくあたりに 自分の異常性の高さを感じる


幻覚を見るまで仕事をしていた自分は 果たしてどんな感情だっただろうか


「幻覚なら、、」


今自分はどういう状況なのだろう ありもしない階段をかけ上がろうとしているのか いま自分はそもそも城にいるのか


いつから見せられているのか エルと別れた後すぐだろうか


疑い出せばキリがないのも幻覚 というものの悪いところだ


「だが、対処はできる」


イメージを膨らませる 新たな魔法だ


ぐちゃぐちゃの金平糖ではなく 自分に対してかけるバフのようなもの 回復に似ているようなイメージだ


自分の中でわだかまっている『幻覚』という黒を取り除く 奪ってしまうのだ


自分の体を白黒のサーモグラフィーにかける その中で 1番黒い部分 体内の悪い部分を取り除く


摘出手術のようなものやそのまま手づかみで取り除くイメージをぐんぐんと湧かせる


回復 浄化 摘出 それらしいワードを頭の中で羅列し 幻覚を消そうとする


結果がどうなるかは分からない だが 動けないという状況を打破するための手段だ


「消えろ!!」


ドクン と心臓が大きく脈打つ 想像力が足りなかっただろうか 呼吸が苦しくなり 体が上手く動かせなくなる


自分は今 幻覚など見ていないはずだ その確信とおぼろげな意識を掴み取り その場でうずくまる


周りを見渡す 一見は変わっていないが 何かが変わっていることを願って移動しようとする


「う、、上へ、、」


這いずるように手すりに体重を預け ズリズリと階段を登る 速度は絶望的だが 一段一段確実に上がる


次の階へと着く


窓の外の景色を見る



景色は



変わらなかった

仕事で幻覚見る人は本当にいるみたいですよ


ご意見ご感想はいつでもどこでも受け付けております!

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