第十四話 レ・ビジョン
テスト空けた〜!!!
更新頻度はあまり変わらないかも(受験生)
「ありがとうございました、エルさん、、でいいのかな」
「気軽にエル、と呼んでくれ」
「あぁ、分かった、俺も゛観測できません゛で大丈夫だ」
さっきまで泣き崩れながら寝てたことを思い出さないように 必死に『大人の自分』を取り繕うが 逆にみっともないかもしれない
「いいんだよ、また埋めにきても」
またもや思考を読まれる 目を合わせることができなくなってしまう
その艶めかしさに 自分は甘えてしまっていた
「ま、またおいでよ、年に1回くらいは」
「うむ、、」
「そんなに多い頻度でいいのか、、?」
「え!?多くなくない!?」
「どういう生活をしてたのだ、、」
ガイコツ達と驚きながら談笑する どこかよそよそしいのは気にしないことにしよう
また この世界で頼れる人ができてしまった
自分は神様なのに 頼ってばかりでいいのだろうか
その思考が読まれることはなかった
「じゃあ、今からウリン様の居場所を調べてみようか」
「できるのか?」
すると エルはさっきまで持っていた本を開き 目では追えない速さでページをめくりつつ とある1ページで手を止めた
「オーケー、手を繋いで」
一瞬ドキッとしてしまったが すぐにそれが魔法の過程なのだと気づき 少しよそよそしく手を繋ぐ
「ふふ、君はなかなか面白いね」
「どういう意味なんだ、、、」
「あぁ、ベッドに座ったままで大丈夫だよ、足、まだ痛いんだろう?」
ベッドから立ち上がろうしていた足を止める
「何で、分かった?」
足は1度治したとはいえ長いズボンのおかげで傷跡などは残っていたとしても見えない さっきの現場に居合わせた可能性がある と思い つい声にも棘が生える
「そんなに警戒しなくていいよ、さっきアンナや宰相が君を追いかけた後、足を庇っている、という報告を受けたんだ」
まだ完全に疑いが晴れた訳では無いが 理由として成立しているので それ以上の追求はやめた
「でも、警戒したってことは、その足、何か秘密があるんだねぇ」
「、、、」
「いいよ、こっち『も』追求する気はないから」
思考を読まれるのはこれで4度目だろうか
「これについては、まだ分かってないことが多い、それを知るために、俺はウリンを探しているんだ」
なんだか自分の心とは違うことを言っているような気がして すこし違和感を感じた
「そっかそっか、なら、尚更頑張らなきゃねぇ」
そう言うと エルの本が突然光り出す その光に照らされ エルの妖艶な茶髪が目に入る
「レ・ビジョン」
エルがそう唱えた瞬間 本が1ページごとにバラバラに分離した 1枚1枚が意志を持ったかのように飛び回り 俺やエルを取り囲む
「ウリン様の居場所を教えてね」
そう言い エルが手を横に振りかざすと ページたちが高速で移動し エルの前に数枚がピタリと止まった
そのページを覗き込んでみるが 見たことも無い文字で書かれており 解読することは不可能だった 他のページも同様で そういえば言語文化は同じなのだろうかと不思議に思った
エルがふむふむ、なるほど、と呟いていることから やはり読める人には読めるのだと思った ガイコツたちにも恐らく読めるのだろう
「OKOK、よし、終わったよ」
そう言い終えると エルはページから視線を外す それと同時にページたちが合体し 1冊の本へと戻っていく
「すげぇ、、」
魔法の躍動感や凄味に感嘆が漏れてしまう 初めて目の前でマジックを観たような 信じられないという気持ちになる
「これが『レ・ビジョン』本来は見えないものを、本に魔力を込めることによって可視化するんだ」
「魔力ってのは、かなり奥が深いんだな」
「ふふ」
手を口に当てながらそう微笑み 仕草の妖艶さがより際立つ
「それで、ウリンはどこにいるんだ?」
「『この国の1番上を目指せ』と」
「、、、?」
しばらく考えたが 意味を理解することはできなかった てっぺんというワードから 不良みたいなイメージが沸いた
「まぁ多分、地位の話じゃなくて、物理的に上ってことなんじゃない?1番高い所かな?」
「なるほど、それなら十分ありえるな、そうと決まれば、この町で1番高い所を教えてくれないか?」
図々しいことは承知していたが こちらにも目的がある この恩は必ず返す と『思考した』
「、、、いいよ、答えは『世界樹』だ、この国の1番高い所、ただし行き方は、、」
「エルさん!大変です!」
会話を遮るように アンナという名のガイコツが焦ったような声で押しかけてきた
表情は分からないが かなり切羽詰まった状況であることは分かった
「どうしたアンナ、いま私達は結構大事な話を、、」
「獣人の大将が、また攻め込んできました!!」
ウリンを見つける という目標が また遠のいた
エルさんに埋まりたい
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