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元最強プレイヤーは【魔法】を使いたいそうです。  作者: 光合セイ
第一幕 仮想世界へダイブ開始
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運気0の水瓶攻略《1》

 水瓶座アクエリアスの迷宮は、地下に存在する。

 入口は洞窟となっていて、真っ黒な空洞がポカンと空いているだけのように見えるが、一歩中に入ればそこは罠だらけの地下帝国だ。


 スライムやゴブリンなどの雑魚モンスターが多く闊歩していて、一見レベリングに最適な雑魚モンスターの巣窟のようにも思えるが、踏むと大量の水が押し寄せてくる罠や、中ボスのような振る舞いでいる強力なオークが存在し、プレイヤー達の間では『初見殺しの迷宮』とも呼ばれている。

 ヒンヤリと冷たい空気が漂う迷宮内を、ジゼルとカエデは二人で並んで進む。


「このローブのおかげで暖かいよ〜。ありがとうカエデ!」

「どーいたしまして。その代わり戦闘ではビシバシ働いてもらうから、覚悟しててね?」

「望むところだよ!」


 新しい魔法スキルを覚えたからには、迷宮のボスに遅れを取るわけにはいかないと意気込むジゼル。

 そんなジゼルを微笑ましそうに見ているカナデ。


「そういえばジゼル。あとステは割り振ってきた?」

「……? あとすて?」

「……あ、知らないんだっけ」


 『後ステ』というのはVRMMORPGの専門用語の『後天的ステータス』の略称であり、レベルアップする時に獲得できるステータス値のことである。


 プレイヤーは『攻撃力(ストレングス)』『防御力(バイタリティ)』『敏捷値(アジリティ)』『命中率(デクステリティ)』『魔法攻撃力(インテリジェンス)』『幸運値(ラック)』の6つのステータスに割り振ることができ、割り振り方によってプレイヤー達の行動の仕方が変わっていく。

 初期に設定されたステータスは、あくまでも運営によって定められたステータスなので、そこからキャラクターはプレイヤー達の自己責任によって育てられていくのだ。


「今のうちにやっちゃいな。周りは私が警戒しておくからさ」

「うん。ありがとう」


 ステータス画面を開き、ステータス値の横にある『+』ボタンにポンポンと触れていく。


「……よし!」

「できた?」

「うん! こんな感じでどうかな?」

「どれどれ……ぉ、おお……」


 『STR』『VIT』『AGI』『DEX』には程よく割り振られているのに対し、『INT』が飛び抜けて多く割り振られていた。


 ここまで来ると清々しいほどの魔法愛である。


「……まぁ、極振りじゃないのは救いか……」


 『INT』極振りなんかした暁には、魔法を放つ前に『AGI』の高い盗賊職にナイフで命を持っていかれてしまうこと間違いなしだ。


「本当はもっとINTに振ろうと思ったんだけどね……最初だしこんなものでいいかなって。後からもっと振ろうと思ってるんだけど……」

「やめておきなさい」

「う、うん……」


 いつにも増して真剣な表情で言うカナデに、少し強張った表情で大人しく頷くジゼル。「うん」と一回深く頷いて、カナデは前を向く。


「よし! ジゼルの後ステも振り終わったことだし、先に進むとしますか!」

「おー!」



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