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【完結】元最強プレイヤーは【魔法】を使いたいそうです。  作者: 光合セイ
第二幕 虚数の先に待つのは何か
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運気0の虚数魔導書庫⑧

 ――『廃れた屋敷』


 『虚数魔導書庫』を作った魔導師が隠れ家にしている家だけあって、かなり大きく豪華な造りの洋館となっている。

 家と言うよりかは館に近い大きさを誇っていて、ただの木製の立て付けの扉だけ見ても、豪奢な門に見間違えてしまうほどのデカさだ。


 そこに一歩、足を踏み入れる。

 来るのは初めてだから、何が起こるかわからない。慎重に足を進める。

 大理石が敷き詰められた玄関ホールに入ると、目の前には顎に長い白髭を蓄えたお爺ちゃんが頭に赤い『?』マークを浮かべて立っている。

 彼が『魔導師マジュリティー』だ。所々穴が空いた古びた階段に座っている。


 ――道で行き倒れていたはずなのだが、いつのまにかこんな大きな西洋風の屋敷を見つけたんだ。

 つい文句を言いたくなってしまうが、早くクエストを完了させるためにマジュリティーへと近づいていく。


「あの……すいません……」

「おお……! あの時の旅のお方……! それで……それで、魔導書庫の方は、どうなりましたか!?」

「落ち着いてください。ちゃんと取り返して来ましたから……」 


 そう言ってジゼルはアイテムボックスを開き、『虚数魔導書庫』と書かれているアイテムをオブジェクト化させる。白銀の球体が現れたのを確認して、マジュリティー翁に見せると……


「……ッ」


 何故か険しい顔をした。


「これは……同胞を吸い込んでしまったか……」

「……同胞?」


 疑問に思ったジゼルは視線だけでリィアンに問うてみるも、そのリィアンも「こんな展開は知らない」とばかりに横に首を振る。クリア経験者が知らない展開と言うことは、つまりはイレギュラーの突発クエストと言うことだ。


「……そして貴公らは知ってしまったか。虚数魔導書庫の封じていた、殺戮兵器ワールドにも匹敵する力の一端を……」


 再び疑問の意を込めた視線をリィアンに送ると、リィアンは険しい顔をしてマジュリティーを睨んでいた。

 何が起こっているのかわからないジゼルは一人取り残された気持ちで立っている。少しだけ寂しかった。


「なるほどね……たしかに虚数魔導書庫の能力はバカげているわ。それこそワールドシリーズにも負けないほどにね……。それが本当に一端だけだったならとてつもない能力を隠しているんでしょう……。でもあれはいわゆる天然兵器よ? 人造の兵器で勝てるわけないじゃない」

「たしかにそうだ。しかしその問いに私は、断じて否と答えよう! ヒトの智慧は! ヒトの力は! 時に神域にさえ到達する!」

「それこそバカげているわ。ヒトはシステムの枠組みを超えられない。何があろうと絶対にね。そう作られているんだから」



 ――いやホント何を言い合っているんですか。



 混乱して来た頭をフル回転させて、とりあえず今の状況を整理する。

 泥棒を撃破して取り返した『虚数魔導書庫』を、魔導師マジュリティーに届け終わった。なのにマジュリティーは何故か知らないけど気味悪いほど興奮気味に怒り出した。そして付いてきてもらっていたリィアンが、何故かマジュリティーと口論している。

 ……あれ、なんだかマズい流れじゃない?


「貴様ら……かの忌々しいワールドの力を持っているな? ならばその力で証明してやろう! 人造は神造に勝てると言うことを!」


 言うが早いかマジュリティーは虚数魔導書庫を肥大化させる。黒いもやを発生させて、マジュリティーの背後に大きな影を作り出した。


「……うぇっ」


 緑色に変色した肌。だらしなく垂れ下がった眼球。だらだらと流れ出ている唾。月日が経ったためか色褪せて黄ばんだ神父服。気のせいか一回りほど大きくなっている気がする。


 『immorality priest zommbie』――ボスゾンビだった。


「人智を超え、神の理さえ超えた概念を持った同胞の力だ! 神の力を絶対とする者よ! ヒトの限界に挑んでみせよ!」


 ――突発バトル、開始ッ!



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