運気0の最終結果
『最終結果発表〜!』
第一回イベントが終わり、草原フィールドで戦っていたプレイヤー達は、青白い光とともに広場へと戻ってきた。
広場の中央の塔にはホログラムの少女が立っていて、背後には《最終結果発表!》と賑やかな文字体の羅列が刻まれたスクリーンが投影されている。
『10位から6位はこんな感じだね〜』
スクリーンに10位から6位のプレイヤー名が記載されている。あの忍者――アヤメの名前を探したが、やはり存在しなかった。ということは、ここに記載されているプレイヤー達は、あのアヤメよりも強いということになる。
『第5位! リィアン選手ペア! 多種多様の魔法の使い方には目を見張る物がありました! そして斧を持った特攻は、凄まじいの一言に尽きます!』
「あ、ポーションくれた人だ」
ジゼルは不思議な球体を浮かせた女性プレイヤーと、金髪を逆立てた戦斧使いの少年プレイヤーがスクリーンに投影された。あの人、5位だったんだ……
『第4位カナデ選手ペア! 魔法使いが剣を使ってるのは、魔法剣士を目指してるからかな? 残り時間20分まではランキング外だったんだけど、途中からの追い上げは凄かったですね♪』
スクリーンに投影された自分達を見て、ジゼルは少し恥ずかしい気持ちになり、頬に赤みが差す。
「4位! ジゼル、アタシ達4位だよ!?」
「そ、そうだね……」
カナデの興奮止まぬ狂喜乱舞の中でも結果発表は続き、ジゼルは第2位、第3位を聞けずにいた。そして第1位の発表がされる。
『そして第1位はジェネシス選手! 初期から不動の第1位! 順位が変わることがなかったのは、わたしもビックリしたよ〜!』
映し出されたのは赤髪を逆立たせた筋肉質のプレイヤーだった。拳には禍々しい光を宿したガントレットを装着し、マンティスナイツを殴り殺す姿が。
「あれがジェネシス……」
その映像をカナデは睨むように食いついて観ていた。まるで親の仇を睨むかのように。
「カナデ? どうしたの?」
「……アンタ何も思わないの?」
「え、何が?」
「……まあいっか」
何がいいのかわからない、といった表情でカナデを見るが、カナデは溜息を吐きながら塔の上の少女に目を向けた。
『上位入賞者のアイテムボックスの中に、ランダムでスキルを配布しましたー。第2回イベントもぜひ、参加してくださいね!』
こうして、ZDOの第1回レイドイベントは幕を閉じた。
 




