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元最強プレイヤーは【魔法】を使いたいそうです。  作者: 光合セイ
第一幕 仮想世界へダイブ開始
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運気0のキャラクター

 プレイヤー人口の多いゲームには、キャラクターエディットというものが存在する。

 髪型はもちろん、目の色や形、身長や体全体の輪郭に至るまでを自分の手で作り上げ、自分だけの『世界で一番カッコいい自分』を作るのが、エディットというものだ。

 もちろんこの【ZDO】でも取り上げられていて、その幅が大きいのも人気のある要素になっている。


『ようこそ! 【ゾディアック・オンライン】へ! ここではキャラクターエディットを行えるようになっております!』


 目を開いたら一面真っ黒な部屋で、前を向くと『あなたの性別は?』と質問が書かれており、その下には青い文字で『male』赤い文字で『female』と書いてある。


「ここは素直に『female』で!」


 男性なのに『female』を、あるいは女性なのに『male』選ぶ人がいるらしい。

 確かにネットの掲示板には男性アバターの服装はカッコいい物が多く、反対に女性アバターの服装はカワイイ物が多いと書いてあった。しかしエディットの時点で性別を偽るのはガチゲーマーあるいはガチエンジョイゲーマーの所業だ。

 自由度が高いのが【ZDO】の売りなのだ。しかしだからこそ後々イベントで性別が関わってくる可能性もある。このゲームはイベントの内容が予測不可能なのだと言う。

 何よりゲーム中にずっと異性を演じなければいけないのは、すごく……すごーく面倒くさい。

 その後も着々とエディットをこなし、自分がカッコいいと思えるキャラクターを作っていく。


「人種は人間、髪の色は……銀髪カッコいいなぁ。肌の色は肌色、体型と身長はリアルと同じで……目の色は……うーん……赤も捨てがたいけど、やっぱり白髪には金眼がいいかな」


 キャラクターエディットだけで五分経過。種類も多く、すごく楽しかった。



『職業はなににしますか?』

❇︎職業に最適なステータス値に割り振られます。



 『戦士』や『弓使い』、『盗賊』、そして『魔法使い』と書かれている。これは『大きな職業』という物で、『得物使い』という職業でも『剣士ソードマン』や『槍使い(ランサー)』という『細かい職業』へと分かれていく。

 ログインする前から決めている。


「『魔法使い』で!」


 老若男女問わずに誰しも憧れるであろう生涯の夢。魔法を使う職業だ。数ある職業の中でも『魔法使い』の使える魔法の種類は多種多様で、遠距離からモンスターを撹乱する役割を担っている。

 『魔法使い』と書かれてあるボタンをポチッとな。



《【初等魔法(炎)】が獲得可能になりました》

《【初等魔法(水)】が獲得可能になりました》

《【初等魔法(風)】が獲得可能になりました》

《【初等魔法(土)】が獲得可能になりました》

《【回復魔法(小)】が獲得可能になりました》

《【召喚魔法】が獲得可能になりました》



 画面左下に、流れるように出てくる大量の通知(ログ)。そして再び画面が切り替わる。


『最後に……あなたの名前(ネーム)は?』


 目の前に空白の欄とキーボードが現れる。試しに『G』のキーを入力すると、空欄には『G』の文字が現れた。八文字まで入力可能らしい。適当に『Genesis』と聞き覚えのある単語を入力してエンターキーを押してみる。『この名前はすでに使われています』と出てきた。


「うーん……変えるのもアレだし、いつもので良いか……」


 ゲームを始める時には名前を決める場合が多い。だからゲーマーである友達には名前を考えておけと言われているのだ。だからいつもは『ジゼル』というプレイヤーネームで遊んでいる。

 G・I・S・E・L・L・E。『Giselle』と入力する。


『入力完了! 剣と魔法の世界、ゾディアック・オンラインをお楽しみください!』


 アナウンスが終わると同時に、体が浮くような感覚がする。ジゼルの体は粒子体となりVRワールドへと転移した。

 ――そして目の前の景色が一変した。



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