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魔法に支配された世界で~The name of magic~  作者: かんのやはこ
序章
1/29

魔法という概念

現代社会、異能系の世界です。まだまだ未熟ですが、よろしくお願いします。

 現代社会において、魔法という概念は一億年前に滅びたと言われている。


 一億年前までは、魔術士が人口の八割を占め、世界は魔法によって繁栄し統治されたと言われている。

 しかしこれらは一般的に知られている、単なる昔ばなしだ。事実はこれとは何もかもが違っている。


 それでは俺が知る限りで本当の話をしよう。


 現在、2050年の段階では、魔術に関する研究が功績を挙げたという話は聞かない。だが現実では、すでに研究は最終段階へと差し掛かっている。


 それではなぜ、公の場でこのことが公表されていないのだろうか。

 理由は二つあった。

 一つは研究の際に人体実験を複数行った為だ。二つ目は魔法を利用して戦争にて先手を打つ為だ。


 この計画は決してバレてはいけない訳だ。

 もし外部に知られればこのデータの為に各国が集中し、確実に争いが起きてしまうからだ。


 それにこの研究が原因で出た死者は500人を上回る。研究員、実験体、侵入者までもが殺されていた。

 スラムに住む人間や、重症患者は実験体として利用され、劣悪環境での生活を強いられている。


 そして今までの研究で出た人体実験の成功例は、一度だけで、その実験にて生き残ったのはたったの二人だけだった。

 実験に成功した二人はすぐさま能力検査を始められた。本当に魔術が完成したかを、確かめる為であった。


 しかしその二人から出た結果は研究者達を失望させた。どうやら成功というのは、なんらかのエラーであり、機械の不具合が原因で誤った結果が出たようだ。


 そしてついに、二日後には二人の処分が決まった。

 検査の結果、体内には実験による影響が出ており、とうてい実験に使い回せる状態ではなかったのだ。


 あと二日で人生が終わる。

 絶望の淵に立たされる幼い二人の姿を、一人の研究者は見ていた。

 彼はそんな、二人の途方に暮れる姿を、見兼ねたのだ。


 そして彼は二人を連れて逃亡を図ることに成功し、無事地上へと逃げ、生き延びた。

 それから彼は、二人の子供を研究者に見つからないように、それぞれ別々の場所へと逃がした。その後、男の行方は不明となった。


 今もこの悲惨な研究は続けられている。もし実験が成功すれば、全世界との全面戦争による大量の死者が出る。

 現に、この実験を止めるべく、今も尚活動を続けている団体もあるが、それは極わずかで、その上彼らの活動は決してバレてはいけない。バレてしまえば最後、彼らは研究所の連中によって抹殺されてしまう。


 これが現代社会の真実である。確かに魔法はまだ完成していない。しかしそれも時間の問題だ。

 あと数年、いやあと数か月かもしれない。


 あの研究を止めないと、人類は確実に地獄を見る事になる。

 しかしあの実験を止められる人間は限られている。急がなければ人の愚かな欲によって、人類は滅びてしまう。


 計画を止められるのは生き残った生存者で、あの幼い二人だけであった。


「ならば、宣戦布告といこうじゃないか」


 そう呟く男こそ実験体の1人、谷田涼斗であった。

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