7話 ドゲドー赤毛ちゃんにビリビリを指導(主に体に)
どうしてこうなった?
いつもなら
「勇者様勇者様」
って、うるせー領主の娘が、
「お姉さまお姉さまはぁはぁ。」
とか言って茶髪ロングさんに纏わりついてやがる。
っていうか、茶髪ロングさんもなんで得意げなわけ?
領主に礼を言いに来ただけなのに……どうしてこうなった?
なぁおい領主。
おめーはなんでいつもニコニコしてやがる。
娘がヤバイ道に入りかけてるぞ? いいのか? いいのか? 本当にいいのか?
いいのか~。
わけわかんねーな。
まぁいいか。うん。
たいしたことじゃあない。
茶髪ロングさんの相手がいるみたいだし、俺はその間になにすっかな。
あ。約束したし赤毛ちゃんの雷撃指導でもしてやるかな。
おい。領主の娘。
茶髪ロングさんを好きにしていいぞ。
うんうん。
できるもんならな。ふっ。
茶髪ロングさんも自分の思った通り好きにしろ。
俺ちょっと赤毛ちゃんの特訓行ってくるわ。
くふふふ、赤毛ちゃんぎゅ~っ 転移。
どうよ綺麗なとこでしょ。
この緑の綺麗な丘。
さぁ、赤毛ちゃん。ここで君の望んだ特訓するよ。
めんどいのを我慢して教えてあげるんだから夜にまたサービスしろよ?
俺、もうマグロになるからな?
じゃ、ほら、撃て。
雷撃て。はよはよ。
はぁ?
そんなもん『ビリビリドカーン』のイメージすりゃ出るわ。
だいじょぶだいじょぶ。
赤毛ちゃんならできる。諦めんなよホラホラ。
…………
うんうん唸ってる赤毛ちゃん。
ま~可愛いけどさ……
見てるだけの方は結構飽きるの早いよ?
はよ出せや雷。
せや。
静電気作ってつんつんして、ビックリさせたろ。
つん。パチッ! ひゃん。
ひゃん。て言うやつ本当におるんやな……
二回目も言うんかな?
つん。パチッ! ひゃん。
言うたでこの子。
も~やめてよ~。とかなにそれ可愛ええのう。
なんかちょっとムラムラっくすやから、手の平を低周波治療器みたいにビリビリさせてイタズラしたろ。
なーん。
これただのマッサージや。
心配ない。
ほれ。安心せい。
マッサージでリラックスさせたるさかい、ほら肩さわらせい。
ほれほれ。
くふふ。
ビクンビクンしよる。
くふふふふ。
あれ?
なんだろね?
なんか俺ちょっと変な気分になるよ?
それになんで赤毛ちゃんも目がトロンとしてるのかなぁ?
……眠くなったんか?
まぁ眠くなったって事にしとこか。
これは、ちょっと目を覚まさせてあげなきゃな。
つん。パチッ! ひゃん。
つん。パチッ! あん。
…………
つんつん。パチッパチっ! あんあぁん。
……
アレか?
きもちええんか? パチパチ。
ちょ、潤んだ瞳でコクリと頷くなや。
ドMか?
あれ?
……本物さんか?
え……うん。大好物です。
頂きますドMさん。
張り切ってめくるめく全身つんパチサービス展開しますですよ。
ほら脱ごう。今すぐ脱ごう。
………
結局俺までビクンビクンするハメになるとは……恐るべし赤毛ちゃん。
え?
雷撃使えるようになった?
うそん? なんで?
じゃあ試しに俺に撃ってみ?
いや、平気だからほれ。
ははーん。本当は撃てないんだな。冗談好きやな。
いってぇ!
うっわ。びっくりしたわ。
でもまだ電撃レベルやな。
まだまだ足りんよ。
……あれ?
でも俺大抵の魔法くらっても痛いとか思った事ないぞ?
…………まぁいいか。
さ、使えるようになったし帰るよ赤毛ちゃん。
はいくっついて。
……
つん。パチッ! ひゃん。転移。
***
どうしてこうなった?
なぜ茶髪ロングさんが領主の娘を鞭打ってるの?
で? なんで、領主の娘は喜んでるの??
いやいやいやいや。
あ。おかえりなさい。じゃねーよ。