37話 ドゲドーみんなと討伐する。
はははー♪
こんな討伐軽い軽い♪
みんな頑張って~♪
…………
なんて思っていた時期もありました。
ええ。
ポヤっと楽観的に考え過ぎてました。
敵は蟻で予想通り。
一匹一匹は全然赤毛ちゃん達の対処で余裕だった。
作戦通りに結界はって、数匹ずつしか出て来ないように調整して、
みんなには堀に落ちないようにだけ気をつけてもらい、蟻を倒しまくってもらいましたよ。
初日は8時間くらいず~~~っとみんなで狩り続けてましたよ。
慣れるまで時間かかったてのもあったけどさ、それでも多分みんなで8,000匹位は倒したんじゃないかとは思うよ。マジで。
まぁ流石にテンションあがるよね。
魔物をありえないくらい大虐殺したんだもの。
結界で穴塞いで蟻を完全に出れなくして、その日は村に帰ったよ。
翌日 2日目。
今日こそ殲滅させちゃうぞーっ! おーっ!
ってまた頑張り始めましたよ。
うん。みんなでさ。
この辺からさ、あれ~?
終わらねーなー。
どんだけいるんだろなー。
ってちょっとみんな疑問に思い始めたよ。
……
3日目。
なんて言うの?
もう作業になるんだね。
みんな、ま~そこそこレベル上がってるわけよ。
量も量だし結構なレベルさ。
イケメン達ですら、持ってたなまくら刀使っても、堅い蟻をスパーンと真っ二つ余裕ですよ。
もう蟻ごとき敵じゃねーですよ。
……まぁ切ってソコに残骸残ると邪魔だから納刀したままゴルフみたく、ポーンポーンする方が効率いいんですけどね。
兵隊蟻みたいなのが出てきてもイケメン’sですらまったく関係なく蟻ゴルフでポポーンですよ。
……
この頃になるとさ……赤毛ちゃんや犬耳ちゃんがさ、結界の上から結界内にドーンと雷落としたり魔法の矢の雨を降らせるとさ、もう殲滅系の攻撃になってるのね。
でもソレやるとさ、結界内がまぁ~死骸で埋まるわけよ。
全滅。ぜーんめつ。
ほんとすげーと思うよ? こんなことできるなんて。
……ただそうするとさ、蟻が死骸に埋もれてさ。
出てこようにも、なかなか出てこなくなるのね。
そうすると、ポンポポーンしてる前衛陣がさぁ
『あ~……出てくるまで時間かかっちゃうわ~……あ~あ。』
的な空気になるわけです。
赤毛ちゃんと犬耳ちゃん『しゅーん』とするのよ。
赤毛ちゃんは下向くし。犬耳ちゃんのしっぽなんて、ぺったりんこ下がるわけです。
これ流石に空気がまずいわ~。と俺も思ってさぁ、
『なんならもう巣に魔力ぶっ放して殲滅しましょうか?』
とか提案したんだけどさ。
なんかみんなムキになって、
『ココまで来たんだから最後までやらせろ』的なことを言うのね。
そうすると俺も
『あ、ソウッスネ。余計ナコト言ッテ マジスンマセン。』
としかならないじゃん。
俺だってシューンですよ。
結局出てくる穴増やして、赤毛ちゃんも杖で蟻ゴルフ。
犬耳ちゃんは弓汚したくないからって蹴りゴルフですよ。
ちなみに幼女は2日目から木刀使ってゴルフってる。
4日目
……誰もしゃべらなくなった。
5日目
なんていうか。
みんな目が死んだ。
で、今日6日目なんだけど。
そろそろもっかい言ってみるわ。
…………あの~。
俺が巣に魔力ぶっ放して終わらせましょうか?
…………
いやっ! もっと早く言えとか言うなしっ!!
俺言ったしっ!! ちゃんとっ!
***
とりあえず『じゃあ、今日は最後の特訓ね』って事で、午前中だけゴルフってもらって、その後、皆を街まで転移で送ったよ。
なんかさ、みんなすんげーホっとしたような心から羽を伸ばしてるような様子になってさ。
俺、もうなんも言えね。
『じゃあ、行って来ますねー』とか言ってもさ、みんな『よろー。』くらいの感じよ。
あの犬耳ちゃんですら『お供します。』の一言も無いのよ?
それどころか険悪な睨み合いをしてた茶髪ロングさんとキャッキャウフフしながら『打ち上げ行こ~』ってしてるのよ。
いいよ。
仲良くなって良かったよ。
俺、ひとりで殲滅してくる。
もう場所覚えてるから転移でいけるし。
……
くすん。
転移。
***
蟻シネヤーーっ!!!
おおおおおおおっっらぁあーーんっ!!




