23話 ドゲドーイケメンがイケメンたる理由をなんとなく知る。
ぅぃえーい!
寝すぎたけどいぇいー!
今日も朝ご飯いぇーい!
おいしいよご飯! ご飯はぁはぁ。もぐもぐ。
あははーパンかってぇ。
ん?
おう。そのとおり。
今日もお昼に企んでるよ。
よくわかったね?
てかみんななんか暗くね?
楽しんでいこうぜー。ほらほら。
大丈夫!
大量ご飯とかもうしないよ! 俺懲りた!
おいら失敗から学ぶ男だから!
ん。じゃあ、今日もお昼ころに昨日のレストランに来てねー!!
俺先行って準備してくるから!
うっほほーい!
転移
***
おおっ……なんか壮観だな。
ひーふーみー……ななやーとぉー。
ふむん。
イケメン十人衆か。
いいだろう。
みんなよく来てくれたな。
まずは約束の金だ。受け取ってくれ。
話は聞いているか? よし!
そう。
お前達に託されたミッションは、1にも2にも女性を楽しませることだ!
笑顔でいっぱいにすることだ!
今日一日、あ~楽しかった。幸せ♪
そう思わせることだっ!!
お前らイケメンにとっては簡単なことだろう? そうだろう?
その簡単なことを叶えたヤツにはボーナスがある!
そう金貨だ!!
金貨をくれてやる!!
楽しませるターゲットは3人だ!
金貨もなんと3枚だ!!
お~……すげー歓声。
超やる気だな……恐るべし金の力
単独で挑むもよし、チームプレーで楽しませるもよし。
心から『今日楽しかった』と言わせたやつに金貨をくれてやる。
だからしっかり稼げイケメンどもっ!
ん?
イケメンにフリーが多いから、相手が惚れたら付き合ってもいいのかって?
…………
……いいよ!
かまわん!
それで女の子達が楽しめるんなら、それでいい。
全力でいけっ!
ここは高級料理屋だが費用は全て俺が持つ!
料理や飲み物は自由に頼め!
ただ食べ物で遊ぶなよ。
うちの子たち結構そういうの厳しいからな。
一気に機嫌を損ねるぞ。
よぅし……そろそろお昼だ……開店するぞ!
腹から声だせよーっ!
いらっしゃーせーっ!!
あ~赤毛ちゃん! よく来てくれたねー!
ささ、どうぞこちらへー!
ヘイ! イケメン1号! 飲み物聞いて!
おーい。ヘルプも1人誰かついて~
お待たせごめんね~。 茶髪ロングさんに、幼女ちゃん。
さぁさぁ、こっちこっち。こっちおいでー。
ヘイ! イケメン2号・3号! カモンっ!
そうそう茶髪ロングさん。
美味しい葡萄酒はいったんだよ~。
お? 3号葡萄酒くわしいかー!
ほら茶髪ロングさんにオススメの葡萄酒一緒に見に行って。
3号にもヘルプ一人ついて~!
じゃ、2号幼女ちゃんの相手しっかりな。
…………ただ分かってるだろうな? Noタッチは守れよ。
おーいコッチにもヘルプついてー。
………ふぅ。
…………
イケメン余ってんじゃね~か。
4人も。
どうすっかなぁ。
……へ?
イケメン衆のスリートップがテーブルに入ってるから大丈夫? 増やさない方がいい?
へー……そんなもんか。
じゃあさイケメン共め。
ヒマだから話でもしよ~ぜ。
楽しませる方法とか、色々俺に教えてよ。
どーやんの? ねぇ。ど~やんの??
***
ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!
それ、イケメンのする顔じゃねーぞっ!
ぜってーイケメンがしていい顔じゃね~って!
駄目だってイメージめっちゃ壊れるって。
やめとけバカ。おう。やめとけよ。
やるなよ。
絶対やるなよ…………
ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!
って、ただの天丼じゃねーかアホクセー!!
あ? 同じボケの繰り返しの事だよ。
ひゃっひゃっひゃっ!
だからその顔すんなよっ!
おうっ! 飲もうぜ!!
この男のノリ久しく忘れてたわ!
やっべー超楽しい。
てゆーかナチュラルにずっと変顔固定してんじゃねーぞ!
ひゃっひゃっひゃっひゃっ!!
***
あ~……やっべぇ、超時間たってた。
笑いすぎて喉いて~わ。
あれだな。
笑いの波は重なるな。
あっぶねー。
そういえば3人の様子はどうだろ……
………お~……さすがイケメンだな。
ちゃんと笑顔にしてくれてる。
みんな………楽しそうにしてる気がする。
……あ~あぁ。
やっぱりイケメンには勝てなかったよ。俺。
おう。俺ちょっとトイレ行ってくる。
あ~……お前ら折角だからさ、赤毛ちゃん達にもあの顔見せてやってよ。
で、ちょっとトイレにイケメン1号呼んで。
来るタイミングは任せるからさ『報酬の件で』って伝えて。
よっと。
じゃ、俺トイレーっと。
ふぅ……
…………これでもうお役ごめんかな。
なにやってんだかな~……俺。
***
おう! イケメン1号わりぃな途中で。
いやー……スゲーわイケメントーク。
俺も気がついたら笑ってた。
おう。んで報酬だけど、一号に金貨3枚と銀貨50枚渡しとくからさ、これでイケメン衆のことはいいのにしてくれ。
?
なんだよイケメン。
なんで両手でNOのジェスチャーなんだ?
はぁ? いらねーの?
じゃ、やらねーぞ?
……え?
本当にいらねーのかよ。
ちげーよ。
ちゃんと楽しませてるんだから報酬としてもってけよ。
え?
あれで赤毛ちゃんたち楽しんでねーの?
楽しそうに見えたのに。
え??
全然なの!?
……超ハードモードだな、赤毛ちゃん達。
しかもそれ判っちゃうイケメンもすげ~な。
………
なんだよヤレヤレみたいな顔しやがって。
急に真面目になんなよ。
……
……俺が楽しそうだから笑ってた。か
なんだよソレ。
俺イケメンに勝っちゃったんじゃね?
うぇ~い。
はぁ?
別にノロケる為に呼んだわけじゃねーぞ?
本気で……ただ、楽しんでもらいたかっただけだ。
なんだよ。
『楽しんでもらえない理由がわかった』とかカッチョえーこと言いやがって。
あ?
どんな子達かなんてちゃんと見てたから知ってるよ。
お前に言われるまでもねー。
はぁ?
そうだな……
赤毛ちゃんは、本当は頭よりも体が動くような娘だな。
でも動くの我慢して頑張って喋ろうとしてるから、なんかもうワタワタしちゃうんだ。
茶髪ロングさんは、本当は持ちたくないんだよ。剣とかさ。優しいんだ。
料理と裁縫してたいんじゃないかな。
でも赤毛ちゃんや幼女の手前、見栄か、それとも意地なのか、頑張ってる。
幼女は空気読む子。
小さいのにスゲーよ。
んでソレを楽しくしようと頑張って、精いっぱい体はってくれる優しい子だ。
……
な?
知ってんべ?
………
今の彼女達?
……知ってるよ
ちゃんと。
逃げてねーよ。
……
にげてねー。
はぁ………はいはい。
逃げてるよ。
怖いんだよ。色々。
俺が居なけりゃもっと自由だろってな。
……まぁそれもただの言い訳だけどな。
……
ほんとはさ。
……なんだよ、またNOのジェスチャーしてよ?
あ? イケメン1号。お前が聞いたんだろーが。
話す相手が違う?
……おい。ひっぱんなよイケメン1号。
男に引っ張られても嬉しくねーし、そんな趣味ねーぞ俺。
あ~? あれ?
……イケメン衆どこ行った?
はぁ?
十分楽しんだから帰った?
1号も帰る?
あん?
報酬どうすんだよ?
……なんだよ。
マジでいらねーのかよ。
なんだそれ。
『ちゃんと話せよ』じゃねーよ。
もう帰れイケメン!
……あ。
マジで帰りやがった。
…………
やぁ。
赤毛ちゃん。茶髪ロングさん。幼女。
あ~~……
……その…なんだ。
楽しかったか~い??
……ですよねー。
…………はぁ。
あれだな。
ちょっと……話でもしようか。