17話 ドゲドー物でつってみる。
なんで?
なんで?
村出るまでベタベタしてきてたのに……なんで?
村を出て森の上ふよふよし始めた途端に3人とも超怖いんですけど……ナニコレ。
なんかわからんけど……
……いやなんとなくわかるけども。
え? お見通し?
全部わかってる?
そか。とりあえず謝っとこ。
ごめんなさい。
あれ~?
なんでわかったの?
見てればわかる?
え~……じゃあ、どうしようもないかー。
うん。楽しかったです!
うん! とっても♪
…………だから怖いって。マジで。
お?
諦めた。よしよし。
なんか魔族なんて目じゃない位に怖いから勘弁してほしいわ。
あ、茶髪ロングさん。
俺にもパンにハムとチーズ乗っけてちょうだ……いえ、ください。お願いします。すみません。
あれ~?
まだなんか怖いよ?
へ?
またお二人さんレベル上がったの? そう。良かったね。
……え?
幼女も!?
いや、幼女なんもして無いじゃん?
ちゃんと応援してた?
あ、そっかー。なら納得だなー。
?
ん~……ちなみに幼女は、レベル上がってなんかできるようになったの?
へ?
あっちから超嫌な気配がする?
まじか? じゃ行ってみよ。
スピードだーしちゃーうぞーっ!!
別にストレスたまってるわけじゃな~いよ!
ホントだよぉぉぉっ!! おっらぁああん!
***
あ~……はい。
これは超嫌な気配するはずだわ。うん。
俺もこんだけ近づけばわかる。
はーいみんなちゅーもーく。
あれ見える?
あの遠くの飛んでるトカゲ。
アレ超ヤバイ。
いくら赤毛ちゃんと茶髪ロングさんがレベル上がってもアレは相手にしちゃだめよ? 本当に死ぬから。
そっか。
言われなくてもわかるか。
ならOK。
じゃあ、ちょっと片付けてくるからココで待っててね。
へ?
だいじょーぶだいじょーぶ。
アレなら100頭くらい一緒に来ても問題ないって。
うん。
守りながら戦うのが面倒くさいだけ。
んじゃ行ってきまーす。
てぇい。水勢刃之連打。
ただいまー。
ほな旅行の続きしよかー。
え? うん。
終わったよ。
あ、一応言っとくと、あれ超高い素材になるよ。
え?
え?
いや、え?
だって転移しちゃダメって赤毛ちゃんが言ったんじゃん。 転移しろって、え?
え~~??
やだよ無駄に往復するの。
……え!?
昨日の件スッキリ許すっ!?
うん! わかりました!
じゃあ、村にアレ運んでくるね。
速攻行ってきますっ!
よいしょ。転移。
ただいま~。爺。
これ旅行の途中の土産。
売ればいいよ。
あ、鱗と爪だけちょっともってこ。
じゃーね。
転移。
ん。ただいま~。
届けてきたよ。
ほい。幼女。
コレお土産。
いや、レベル上がったんなら、なんか武器持ちたくなるかなって思ったからコレで幼女の武器作ろうと思って。
うん。見てな。
ちーっと水を出しながらウォーターカッター的に爪をちょちょいと。 んで、チョイ。
……うむん。
ほら。
いい出来。うんうん。
持ち手に布巻いたら短剣っぽくね?
ほいあげる。
鞘は…………無いっ!
お? 茶髪ロングさんが端布で作ってくれるって。やったね。
まぁ、端切れだと切れちゃうかもだから、ちゃんとしたのは次に街についたら防具屋に頼もうね。
ん。
そっか
よかったね。
で……この鱗はポッケに入れときなさい。
そうそう。
どうしようもないくらいの迷子になったらギルドに持っていって受け付けのおねーさんに「報酬はこれです! 村に連れてって!」って言うんだぞ?
多分ちゃんと帰れるから。
え?
俺の気配とかわかるから大丈夫?
ふーん。
……まぁでも持っておきなさい。
さ。旅行再開しよかー。
…………
幼女……
『微妙に嫌な気配がこの先に……』とか物騒な事を言うんじゃありません。




