表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/64

15話 ドゲドー厄介ごとに首を突っ込……まない?


 旅行を楽しむっ! ……ってレベルじゃねーぞ。コレ。


 いや、幼女以外がほろ酔い気分でキャッキャしてたら、森を見つけちゃうわけじゃん?

 だって森があるんだもの。


 森に沿って迂回する?

 それとも思い切って森の上を進んじゃう?


 って聞いたら、みんなノリノリで上を進むの選ぶよね? 当然だよね。


 いえ~いっ! あそこに村はっけ~ん。

 行ってみたい人、行ってみたい人!

 はいはいはーい!


 って突撃かけて、村の入り口守ってた犬耳ちゃんに犬人族の村って教えてくれるし。

 うわぁ~犬人族の村だって、すげー!ってなるよね。



 ……そこまではよかったよ。



 いやさぁ、ホロ酔いも覚めるよね。ね。


 辛気臭しんきくさーー……

 なにこのどんより空気。


 入り口見張ってた犬耳ちゃんさぁ、なんでこんな辛気臭いの? そういう犬なの?


 ん?

 犬耳ちゃんが妙に話しにくそうにしてる?


 あ。


 いやな予感。


 余計なこと聞いてしもた。

 コレ絶対助け求められるパターンのヤツや。


 よし。帰ろう。

 知ったこっちゃない。

 今すぐ帰ろう。


 ……いや? でも今は昔の時と違うか。

 安請やすういするアルクスみたいな馬鹿は……おったー!


 あー?

 赤毛ちゃんかーー。

 赤毛ちゃんそうやったか~!


 あ~。まぁ。そういう子やったな~!

 って、茶髪ロングさんと幼女までそうなんかーーっ!!


 ……あ~あ。



 え~。やだよ~。

 俺を見るなよ~。


 勝手にしろよ~。


 ……


 え?

 勝手にするの??


 お? ……うん。

 あれ? マジで?


 え? あ。うん。わかった。おれ見とく。


 で、でも、ほら、一応俺も話だけ聞いとこう……かな? かな?



 ……ほう。

 妊婦の犬人族が迷い込んで住人になった。と


 その子供は人だったが、すぐに成長してもう少年になってる。と。

 それから魔物が襲ってくるようになって、じわじわ村がヤバイ。と。


 ……


 ふーん。


 え? うん? なに?

 犬耳ちゃんは鼻がいいから魔物が出る前に、いつも少年が森に入っているのに気づいてる。けど、他のヤツラには言って無い?


 え? なんで?


 一応同族の息子だから……って、ふ~ん。


 ワケ ワカ ラン♪


 もう100%元凶わかってんじゃんっ!



 え? 俺らが来たら少年が逃げるように森に消えていった?

 あぁ、だって俺が駄々漏れになるくらい馬車に魔力注いでたからな。

 ソレが伝わっちゃったんだろうよ。


 ……って、それで逃げてるって200%敵じゃん!


 ソイツ。

 そいつダウト!


 いや、クッ! って顔してんじゃね~よ。

 めんどくさいなぁ。


 エセ同族守って本当の同族が滅んでたら世話ねーぞ。



 赤毛ちゃん赤毛ちゃん。

 その少年きっと魔族。

 母親は洗脳されてるよ。


 ん? あぁ、これ昔知った情報なんだわ。


 はぁ~……なんでこんな面倒くさいことに。



 お~?

 いいぞ説得しちゃえ茶髪ロングさん!

 赤毛ちゃん追撃追撃。ホレホレ。


 ……よし。犬耳ちゃん折れたー!

 じゃあ、後はもう解決まで村の人達で頑張ってもらおう! ウンウン。


 え?


 村に正体バラすんじゃなくて、赤毛ちゃん達が追うの?


 え?

 あ、うん?

 えぇ? 言い出した俺の正しさを? いや、別にさぁ、それどうでもよくない?


 あ、よくない?

 はい。


 はぁ、しかた……

 んん? あれ? ほんとに俺、見てるだけでいいの?


 え~……わかった。



***



 犬耳ちゃんすげ~な。

 「あっち」とか的確に方向わかるんだね。

 確かにそっちに向かう度に面倒くさそうな魔物が出てくるしさ。


 ……っていうか、そんな事よりだ。

 まさか本当に、俺がなんもしなくていいとか思ってなかったわ。


 まぁ? 幼女からお姫様だっこする役目を強制されてるけど、これは別にいいや。


 茶髪ロングさんが前衛して、赤毛ちゃんが後衛してたら確かにバランスいい。

 意外に強いのね。お二人さん。夜だけじゃなく。

 俺単純にビックリ。



 お~……魔族の少年が観念して出てきてーら。


 大丈夫かな? 赤毛ちゃんたち。

 ちょっと心配になっちゃうぞ?


 お、おー……


 もう本性隠す気ねーな。

 皆殺しとか物騒なこと言ってんぞ。こわいこわい。


 これは流石に代わ……らなくていいんですか?


 え~?

 なんかもう代わりたいよ。俺。



 おお。


 うっわ~。

 ハラハラするわ。


 あ。

 ……あぶねー。


 お、いいぞ。


 おー。

 いや、そこ。


 お~……


 うわーっ!

 怖いわギリギリじゃん。


 あ、それ誘い。

 罠だよ。


 ソレにのっちゃダメ……絶対怪我する。



 そぉいっ。


 あ~……ごめんね。

 つい手を出しちゃった。


 許して。


 ん~。まぁ、手を出したついでに最後までやっちゃっていい?

 むしろ譲って?


 ……いや、回答は聞かないわ。


 茶髪ロングさん、ちょっと切り傷ついちゃってるし。


 俺もうやっちゃう。

 勝手にヤっちゃう。


 ちょっとなんかむかついた。


 その傷は1万倍にして返してあげちゃうからね。


 極所集中鎌鼬おまえ ゆるさんからな



 …………


 うん。ごめん!

 やりすぎた。

 微塵も残らないってまでやるつもり無かった。



 いや! でも仕方ないじゃんっ!

 なんか腹たったしさ!

 ほんとごめんって!



 ……お?


 犬耳ちゃん? ……どした?

 横になって腹見せてさ。



 …………そのでっかい胸で……誘ってます??


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ