乙女ゲームの世界に転生したので悪役令嬢を落としにいきます
目を開けると両親の笑顔がそこにあった。
えぇ、この世界での私の両親の笑顔。
わかっています。
私は転生したんだと。
前世の私はただのOL・・・と言うにはちょっとあれだけど言ってしまえば重度のオタク。
恋愛シュミレーションが大好きで、特に「アイドルプリンセス」という乙女ゲーが大好きでした。
けどそうですね、私の趣味というか・・・まぁそのなんです?性愛が変わっていて、私は女性が好きなのです。
はい、レズです。ガチ過ぎるレズです。
ぶっちゃけ男になんて毛ほども興味はありません。
好きなジャンルもGL系のノベル物です。
そんな私が一番好きだったゲームが乙女ゲーなのは・・・ひとえにそれに出ていた悪役令嬢にゾッコンだったからです。
けど今なぜそんな話をするのかって?
それは両親の名前と私の今世の名前「アイリス・ベルーナ」・・・その乙女ゲーの主人公と同名なのです。
えぇそれだけではありません。
まだハイハイも出来ませんが両親がたまに話す国の名前、人の名前。
そういうのにも類似点が多いのです。
だから私は期待しています・・・、乙女ゲーの世界に転生したのだと・・・!!
こういう世界に転生する小説なんか何度も読んだ事ありますし、何度も願った事もあります。
「アイドルプリンセス」の世界に転生し、悪役令嬢であるカレン・ウィレナー嬢と恋をしたいと・・・!!
あぁ、ここが本当に「アイドルプリンセス」の世界なら攻略対象なぞどうでもいい、早く会いたい愛しのカレンお姉様・・・!!
五歳になりました。
ゲームとの類似点調べましたが、多すぎてもう私の頭の中には愛しのカレンお姉様と出会う事以外考えられません。
そして今年、私はカレンお姉様の誕生パーティーに向かう予定です!
そこでカレンお姉様と出会い、「アイドルプリンセス」と同じような展開になるのなら・・・!
間違いなく私は乙女ゲーの世界に転生したと言えましょう!!
ぐへへ・・・、待っててくださいカレンお姉様!!!
本日!えぇ本日です!!
両親がウィレナー家から招待状を持ってきて本日!カレンお姉様の誕生パーティーに向かうのです!!
もうなんだったらそこでカレンお姉様と婚約発表したい・・・むしろする!!
まぁそこは2割冗談ですが、少しでもお近づきになりたい。
しかしここ、問題があります。
攻略対象の内、二人が現れるんですよ・・・。
まじ邪魔・・・、その内一人は私に初恋を覚えお姉様はそいつに初恋をする。
けどまぁまだ子供ですし?憧れ程度で終わっていくんですけどね?
それで数年後、貴族の学校で出会い乙女ゲーと同じ相手を落とすってスタイルになっていくんですよ。
あぁこの世界、貴族系の癖に許嫁とかないんですよ不思議ですね。
その学校で自分の家柄にふさわしい相手を見つけて恋仲になるってのが貴族達の暗黙のルールで、それ破ると・・・ハブられます貴族社会で。
まぁだからこうやって小さい内に恋心とか植え付けさせるようにパーティーやらなんやらして子供達合わせるそうですよ?
よくある貴族制度物にしては変わっているなぁって気がしますが最近調べたら建国王がそう制定したとか。
それ調べたら建国王の名前ノグチだそうで、ノグチってもしかして野口かな~?とか考えてます。
多分それで行くと建国王は転生ではなく転移系、お城には建国王の書って呼ばれる日記があるそうな。
誰も解読できないらしいですけどね?
まぁそんなものに関わる気はありません、だってそれ本当に日本語で書かれた物ならば確実に王族ルートですよ?
いらねぇよ、んなもん!!私が欲しいルートは悪役令嬢ルート!
とまぁ考えが大きく逸れましたね。
とりあえずその攻略対象は無視!
あぁ、カレンお姉様・・・!今、会い(愛)に行(生)きます!!
さぁ夕方になりました!
お姉様に会える時間!それまで何をしていたって?
無論カレンお姉様に会えるのですから、衣装選びですよ?
過去回想でカレンお姉様がどんな服を着ていたかなどははっきりと覚えております!
そう・・・!カレンお姉様の絵は全て覚えていますよ?色褪せる事なく!
「失礼します、アイリスお嬢様。」
「カレン様のパーティーへ赴く時間ですか?」
ここは平静を装います。えぇ当然です。
だって生カレンお姉様だぜぇ?おい!
興奮すんなってのが無理ってもんでしょうへへへ・・・・。
そうして私を呼びにきたメイドに連れられ馬車に乗り、愛しのお姉様の家へと向かいます。
さて一応ここらでこの世界についてお浚いしておきましょう。
まず私がメインヒロイン。
今のお父様が先の戦争で手柄を立て成り上がった元平民。
貴族としては最下級。
まぁそんなものどうでもいいのです。
次にカレン・ウィレナーお姉様。
容姿端麗文武両道。
欠点らしい欠点は・・・ありそうだけど多分貴族と関係ない方面だと思う。
家柄も建国から国に仕えてきた由緒ある尊いお方。
まぁそんな彼女が私のような平民と変わらない人間に攻略対象の四人と付き合わせようなど考えるわけがなく、それを阻止しようと色々して没落・追放される形だ。
当然だと思うよ?貴族社会なんだから大人しく釣り合う家柄選べばいいだけだからね?
そして攻略対象の四人。
一人目は第一王子エドワード・ノエル。
この国の王子様です。
まぁ単純に俺様系熱血王子様。
今回のパーティーにも出席しますが彼は飽きてどっか行くらしいので今は放置。
こいつが私に興味を抱くのも清楚系ルートではなくお転婆系ルートだから対処は可能。
二人目は第二王子アイリッシュ・ノエル。
もう一人の王子様。
彼は理性的なクール系王子様。
こいつが私に惚れ、お姉様が惚れる。
まぁ私に惚れようが私の心はお姉様だけにしか向かないので?放置でも良いのだが・・・。
こいつがなかなか曲者で、こいつのせいで攻略対象と会うと言っていい。
なぜなら後の一人はこいつの友人だからだ・・・・。
三人目は宰相の息子エンリケ・ワール。
こいつが一番嫌い。
なぜって?どのルートでもこいつがお姉様を追い詰めて没落・追放するからだ!
こいつだけは思いっきりぶん殴りたい。
入学後会う形になるから今は無視だ。
けど対策はしっかりとしておかねば・・・。
オ姉様ニ仇名スモノニ天誅ヲ・・・。
そして四人目はアルバート・セバスチャン。
こいつも由緒正しい家柄らしいのですよ。
なんでも建国王から頂いた家名だとか?
絶対こいつの先祖野口さんの秘書だよ、面白がってセバスチャンって与えてるよ。
家柄的には王の次に偉い。
まぁ王の世話をするのはセバスチャン家からと決まっているから当然である。
こいつ・・・実はエドワードのお付なのだよ。
こいつのルートに入る場合、主人公はメイド目指して勉強するって形なルートだし。
他に出てくるルートもエドワードルートと逆ハールート。
だから今回警戒するのはアイリッシュただ一人・・・。
まぁ乙女ゲー転生物でよくあるのは主人公の破天荒ぶりでフラグ立てずにルート入ってしまうこと・・・!
それを避けて原作通りに進みつつお姉様と仲良くなる。
友達としてならお姉様はとても良い人なのだ。
平民から雇った人にも優しい話は出ていた。
それが家柄が尊い四人の内誰かと恋仲になると豹変する。
それはしてはいけないと優しく諭すようになる。
それを見ていた他の貴族がお姉様を手助けしようと私に嫌がらせなどをする。
そして色々紆余曲折あり尊い人達の目に止まり、お姉様が誤解され没落・追放となるわけなのだよ。
いわゆる人身御供ってやつ。
お姉様は優しさにつけ込み、家柄は良いとこだけど嫁に出されウィレナーとは関係ない場所に嫁がされる立場。
ぶっちゃけ不憫すぎて涙が出る・・・。
しかし全ルートやって逆ハールートもクリアしてまでお姉様情報集めた私に不覚はない・・・。
うへへ・・・早くお姉様に会えないかな・・・。
「ウィレナー卿。本日は我が娘をお招きいただき、ありがとうございます。」
「おぉ!ベルーナ卿か!一度貴殿と話をしたかったのだ!」
どうもお父様はその筋では有名らしいです。
まぁ平民から貴族になった珍しい人ですからね、それも武功じゃなく。
なんでもお父様が敵軍から情報を持ってきて、そのおかげで大勝利。
功績としては十分と今の地位を与えられたらしい。
その辺の細かい描写はゲームには出てきてなかったから新鮮だなぁ・・・。
「さぁカレン、挨拶をなさい。」
「はい、お父様。初めましてベルーナ卿。カレン・ウィレナーと申します。」
女神やぁ・・・女神さまがおるぅ・・・・。
あぁ私ここで死ぬんだ、女神さまの抱擁のなかで安らかに息を引き取るんだぁ・・・。
っと危ない危ない、本気で昇天しかけた。
意識も飛んでたし・・・ってあれ?なんか暖か・・・い・・・。
「こ、こらアイリス!!」
「えっと・・・あの・・・?」
やばい・・・やばすぎる・・・!
無意識のうちにお姉様抱きしめていた・・・!
良い匂いがするしやわっこくてうへへ・・・。
じゃぁない!すぐにフォローしないと!?
「す、すいません!カレン様!」
「いえ、少々驚きましたが気にしておりませんよ。」
やばい聖母の微笑みやぁ・・・。
これだけで私は魂まで浄化されると言っていい・・・。
「申し訳ありませんカレン様。私の名前はアイリス・ウィレナーと申します!もう一つ、失礼だとは思いますがお願いがございます。」
「許します。なんでしょうか?」
「私のお姉様になってください!!」
お姉様がまた驚いた顔をしている・・・。
なんでこの世界にはカメラが無いんだ!今すぐ用意しろこのやろう!!
ただしお姉様にばれない様に小型のだ!いいな!?
「も、申し訳ないウィレナー卿!私の娘が大変な失礼を!!」
「はっはっはっ!構わんよベルーナ卿我が娘に一目ぼれしたのかな?」
「はい!私はカレン様と共に歩み、守る存在になりたいです!!」
ものすごい大告白しちゃったよ。
けど後悔はしていない、お姉様Loveだから。
ぽかんとしていたお姉様が微笑んで私の手を取ってくれた・・・!!!!!
「ここまで慕われたら無下には出来ませんね。仲良くしましょう私の可愛い騎士様」
最強に可愛い・・・!!
もう私ここで死んで良い!!
「くっくっくっ。なかなか面白い奴がいるじゃないか。」
「おや?帰るんじゃなかったのかい?」
「あんな面白いのほっておいて帰るわけないだろ?」
「それもそうだね兄上。僕も彼女に興味がわいた。」
ノリと勢いで書いた小説です。
反響強けりゃ続きは書くかも?