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Center boss.
偏芯しているモノたちは
嫌われる
ディスクみたいに平均しない
回転運動のエゴグラムが
上へ行ったり
下へ行ったり
絶えず安定しそびれて
まるでスキッドプレートの上にいるみたい
定まらないグリップが
意図しない方向へとどんどん滑り出す
例えばそれはそう
遠心分離機に手を繋いで
たとえそれが60rpm程度だったとしても
放り出す力が一定にかからなければ
いつ手を離されるのか
いつ手を離したらいいのか
いつ手を離すのか
いつ手を離せばいいのか
いつ手を離そうか
隠れているものに見やる余裕なんて全くない
そんな感じ
でも安定しないのは外周だけで
回転軸は一定している
センターに刺さった極太のボスが
どんなにぶれたって
折れることなく支えている
不安に感じるのは
今いるのが
今見ているのが
外周上にすぎないから
次の終わりが
見果てぬ先にあるのを想像してしまうから
でも
回転軸が見えてしまったら
やっぱり僕らは
不安になるんだろう
 




