58.漢詩としまじろう
クリスマスの足音が聞こえる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。プレゼントやケーキの準備に大忙しかもしれませんね。
ちなみに私は、現在、上海高島屋がどうなっているのか気になって仕方がありません。 私が上海にいた頃から閑古鳥が鳴いていた上海高島屋。地下の食品コーナーとレストラン以外は、お客さんなんてほとんどいなかった記憶があります。今年、閉館のニュースを耳にした時には申し訳ありませんが、そりゃそうだろうなあと思ったものです。ところが、閉館するギリギリの期日でまさかの再オープンが決まり、本当に大丈夫なのかと心配しています。クリスマス商戦で人がいなかったら、結局また来年ダメになっちゃいそうなんですけれど、今現在どうなのでしょう? どなたか上海に詳しい方、教えてください〜。
さて、今回は「冬のあしあと」という企画に参加しています。「冬のあしおと」ではなく「冬のあしあと」ですね。
この企画名で最初に思い浮かんだのは、「江雪」という漢詩です。中国の政治家であった柳宗元が詠んだ漢詩でして、江雪とは川に降る雪という意味です。
白文がこちらになります。五言絶句という形式で、「絶」「滅」「雪」が韻を踏んでいます。
千山鳥飛絶
万径人蹤滅
孤舟蓑笠翁
独釣寒江雪
何て書いてあるか、全然わからんぞーという方。どうぞご安心を。私も書き下し文がないと読めません。さて、書き下し文がこちらになります。
千山 鳥飛ぶこと絶え
万径 人蹤滅す
孤舟 蓑笠の翁
独り釣る 寒江の雪
現代語訳すると、こんな感じです。
山という山から鳥の飛ぶ姿が消え
道という道から人の足あとが消えてしまった
小舟には、蓑を身につけ笠をかぶった老人がひとり
雪の降る寒い川で、釣りをしている
これは柳宗元が地方に左遷されていたときに詠んだものと言われており、作者の寂しさが伝わってくる……と評価をされているのですが、私がここで言いたいのはそういう高尚なことではなくてですね。
この詩、中国では幼稚園児が覚えているものなんです。すごいよ、中国の幼稚園児。当時私は中国語ではもちろん読めず、ネットで音声を聞くために検索をしていたのですが、そこでさらに絶望することになりました。この漢詩、巧虎が教えてくれる動画があるんです。
巧虎とは、しまじろうの中国語名です。そう、中国ではしまちゃんが漢詩を教えてくれるのです!……しまちゃんって、幼児に「あいさつ」とか「友達との接し方」とか教えてくれるものじゃないの? 漢詩とか賢すぎだろうよ。(ちなみに巧虎とは、中国語で「賢い虎ちゃん」みたいな雰囲気の名前です。さすがのしまちゃんですね)
しまちゃんとみみりん(念のため記載すると、みみりんというのはしまじろうのお友達のうさぎの女の子です)が、漢服を着て「唱一唱(歌ってみよう)」というコーナーで、メロディ付きで「江雪」を歌ってくれます。そして「读一读(読んでみよう)」で音読し、「诗意解说(詩の解説)」でしまちゃんとみみりんが詩の意味を解説してくれるという手厚い仕様なのです。
このコーナー、孟浩然の春暁とか、李白の静夜思とか有名どころの漢詩がわんさか出てきます。凄すぎる。助けて。個人的には、しまちゃんとみみりんは中国語バージョンでも、ある程度似たような声優さんを探してきていることに感動しました。中国でもみみりんはみみりんでした。
興味がある方は、ネットで検索してみてくださいね。私みたいな中国語初心者(永遠の初心者と呼んでくれ)には、本当に勉強になります。
なお私はかつて「おばちゃんはね、中国語はわからないけど、日本語でなら春暁言えるよ!」と大見得を切ったあげく、「春眠暁を覚えず」で止まり、それ以降がまったく思い出せなかったという不勉強ものです。「日本語で言うと、すっごく短くなるんだねえ」と話していた彼女は、大きくなって日本語を勉強する際に、私のテキトーさを実感することになるのでしょう。ごめんね!
というわけで今回は冬のあしあと……から派生した漢詩のお話でした。
上海高島屋の情報も待ってます〜(しつこい)




