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48.ポメロが食べたい

この作品は、遥彼方様の「ほころび、解ける春」企画に参加しております。

 立春を迎えたとはいえいまだ寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。暖かい家の中でごろごろ過ごす休日は、何ものにも変えがたい至福のひと時です。さて、そんな冬場のおともと言えばやはり「みかん」でしょう。ここにこたつと猫が揃っていれば完璧なのですが、わがままは言いますまい。


 中国に住んでいるときにも、みかんは冬の風物詩でした。果物の味は、日本産の果物の方が繊細だなあとは思うのですが、中国のみかんだって結構美味しいのです。何と言っても中国浙江省には、「温州(うんしゅう)」と呼ばれるみかんの産地として有名な場所がありますからね! 日本の「温州みかん」の「温州」という名前ももともとここからきているそうです。(諸説あります。また、中国の温州で栽培されているみかんと、日本の温州みかんは品種的には別物とのことですので、あしからず。)


 しかし食後に小ぶりで甘いみかんを口に含みながら、私はついついぼやいてしまうのです。中国で食べていた「ポメロ」が食べたいと。そうここまで「みかん」の話で引っ張っておきながら、今回の話の主役は「ポメロ」なのであります。


「ポメロ」(中国語で言うなら「紅心柚(hong xin you/ホンシンヨウ)」)と言うのは、東南アジア原産の柑橘類です。タイやマレーシアなどが有名で、中国では福建省などに産地があります。12月から2月頃に出回るまさに冬の味覚です。


 グレープフルーツよりもずっと大きく、大きなものでは1キロ〜2キロほどの重さがあります。皮もかなり厚く、ものによっては1センチほどもあるのです。とまあこんな説明を聞いたところではてなマークがよぎるかと思いますが、和名を聞けば大概の方はイメージがつくことでしょう。ポメロの和名は、「文旦」「ザボン」なのです。


 なんだ、「文旦」や「ザボン」なら日本でも売ってるじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、味が違うのです。日本の「文旦」や「ザボン」は結構酸味がありますよね。品種改良がなされているので、最近のものは酸味が柔らかくなっていますが、やっぱりポメロとして食べていたあの甘さが懐かしいのです。ザボン系ならではのさくっとした歯ごたえと、ルビーグレープフルーツよりも優しい甘さが同時に味わえる幸せ。ああ、想像したらなんだかよだれが出てきました。


 日本で採れる品種の中では、熟した「晩白柚(ばんぺいゆ)」が私の知っているポメロ(白)に近いような気がします。しかし私が好きなのはポメロ(赤)なのです。グレープフルーツと同じように、ポメロにも果肉が白いものと、赤いものがあり、赤いほうがより甘いのです。値段も赤いものの方が高いのですが。


 たぶん関東のおしゃれスーパーとかに行けば、ポメロも手に入るのでしょうが、九州の片田舎では手に入りません。残念! もしもお近くのお店でポメロを見かけたら、ぜひ召し上がってみてくださいね。「ザボン」とはまた異なる甘さにきっとときめくはずです。ポメロは冬の風物詩。気温が上がり、うららかな陽気に顔がほころぶようになれば、もう「ポメロ」の季節はおしまいなのですから。


 私は「ポメロ」を懐かしみつつ、近所の方に頂いた「ザボンの砂糖漬け」を頂こうと思います。これはこれで美味しい!(ただし砂糖漬けはがっつりカロリーをとります。食べた後は歯磨きと運動をちゃんと行いましょう)

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