43.理想と現実
この作品は、遥彼方さん主催の「紅の秋」企画参加作品です。
秋と言えば紅葉ですね。京都旅行で大量の中国人に囲まれ、自分が一体どこにいるのか混乱したことがあります、石河です。(どうやら中国人の団体客に呑まれてしまった模様)この間京都に行った時も、やっぱり多国籍でしたね。右を見ても左を見ても外国人。みんな京都好きなんだなあ。まあ京都に旅行に行っている私も人のことを言えないのですが。
さて、日本では京都がやっぱりイメージしやすい紅葉ですが、ちゃんと中国でも紅葉を見ることはできます。いくつか名所と言われる場所があるのですが、今回はちょっと変わった観光スポットをご紹介したいと思います。その名も「紅海灘風景区」です。(すでに字面で出オチな気がしますが)
私がその場所を知ったのは上海在住時。中秋節の連休で、どこに遊びに行こうかなと思っていた時のことです。めくっていた雑誌に掲載されていた「絶景! 驚くべきレッドビーチ」と銘打たれた広告が目に飛び込んできました。はっとするほど鮮やかな、一面真っ赤に覆われた大地が、中国国内にあるというのです。(写真はすべて作者が撮影したものです)
赤く見えるのは、湿地帯に生える葦の一種によるもので、湿地帯の面積は何と東京ドーム約2000個分にもなるのだとか。何でも中国のテレビドラマや映画のロケ地としても知られ、連日大勢の観光客が詰めかけると聞いては居ても立っても居られません。早速中国東北部に位置する、遼寧省へ旅行に出かけることにしました。ええ、南から北へ思いっきり移動です。
旅行中に思ったことは、死ぬほど遠いなということです。確かに北京の「万里の長城」も遠いし、西安の「兵馬俑」も遠いです。だってかたや異民族から都を守るための壁だし、かたやお墓ですからね。でもそれでも都市部から車で2時間以内ですから、十分に許容範囲なんです。でも、この「紅海灘風景区」は都心部から車で3時間半から4時間ほどかかります。正直、漏らすかなって思いました。(失礼)高速鉄道を使えば1時間半程度らしいのですが、鉄道があんまり便利じゃないんですよね……。うんざりしながらがたごと揺られて、到着して思ったのは「あれ?」という一言。
理想。
現実。
どういうことやねん!!!
ちなみにガイドさんの説明では、春には淡い赤、夏には紫、秋になると一気に紅葉で赤く染まるということだったのですが……ベストシーズンのはずなのに紫っぽいんですけど……。なんか、一面に海藻のテングサが生えているような印象です。ううん、大当たりの時期なら本当に真っ赤な大地が見れたのかしら……。えー、もう何かフォトショで加工しただけなんじゃないかとしか思えません。
実際行った方で、「真っ赤な景色を見たよ」って方がいらっしゃったらぜひ教えてください。いつかリベンジ……はもう行かないなあ。ここだけ行くには、ちょっと遠すぎます。ちなみに近くには稲田アートがあるのですが、田舎出身の私からすると、まあ、あの、うん……ごにょごにょ。なおここでは、蟹が有名です。ガイドさんによれば、上海蟹にも負けないお味なのだとか。この風景区内では食べるだけでなく、蟹釣りをやっている人もたくさん見ることができます。何と言っても釣竿だけでなく、持ち帰り用の水槽も売っているから、商魂たくましいぜ。
まあ中国に観光に行くなら、もっと他に行くとこありますから! よそに行きましょう。よそに。え、私ですか。旅行に行くなら、北海道か沖縄か京都に行きたいです(笑)