38.何は無くとも「嫁接睫毛」
引っ越し先でまず最初に探すお店は何ですか?
スーパー? パン屋さん? ホームセンター?
私の場合は、まつ毛エクステができるお店です。先日も段ボールの開封作業をしながら、空き時間に情報誌を眺めておりました。(なお、個人的にはネットより情報誌で探したい派。ネットは見辛いと思う部分に年齢を感じます。切ない)
世の中には、まつ毛エクステ=女子力高いとお思いの方もおられるでしょうが、私はその説を断固として否定したいと思います。本当に女子力の高い女性は、そのままの姿で十分なのです。私の周りにもおりました。マスカラをつけずとも、まつ毛にマッチ棒が乗るような美人さんたちが。そんな友人たちの姿を眩しい思いで眺めていたものです。うへえ、しょっぺえ。
当方、高校時代からいろんなものに手を出して参りました。まつ毛パーマに、まつ毛用のホットカーラー、まつ毛用育毛剤に高性能なマスカラ。薄毛に悩む男性陣と同じように試行錯誤を重ね、そして気がついてしまったのです。もともとまつ毛の本数が少なく、まつ毛が短く、さらにまつ毛が細い人間は、こんな小手先の技術ではどうしようもないのだと。くそう、貧弱なまつ毛よ。ムダ毛が生えるのに、まつ毛は生えないとかおかしいだろう。
そして次に選んだのがつけまつ毛。これはなかなか素晴らしい働きをしてくれましたが、しばらくすると、つけまつ毛を貼るための糊でかぶれるようになりました。結構なメーカーをジプシーしましたが、どれもダメ。まぶたが赤く腫れ上がって、痒くてたまらなくなります。リアルでお岩さん。そのため今は、まつ毛エクステです。
中国語では、「嫁接睫毛(jia jie jiemao/ジャージエジエマオ)」と言います。おぼろげな記憶では、「枝接(zhi jie/ジージエ)」で接木するという意味なので、それとかけていると聞きました。うーん、かかっているような気がしないなあ。誰かに確認をして、はっきりしたら追記します。
ちなみに中国では、まつ毛エクステのジプシーをしたことがありません。だって、ジプシーするほど店がないんですもん。もちろんまつ毛エクステをやっている店はたくさんあります。値段だってピンキリ。でも、日本製の商品を使っていて、店が清潔で、日本人御用達となるともう店が決まってきます。デリケートな部分を任せるのだから、あんまり変なとこには行けません。施術のやり方や、質の良くないグルー(糊)では、失明のリスクもありますから……。怖いっ!(中国の新聞やテレビなどでつけまつ毛の危険性を訴える特集を見たことがあります)
日本製のグルーに、きちんとした施術、七日以内は無料でリペア(外れた部分を補修してくれる)というお店だと、値段は日本と変わりません。いや、よくよく考えてみると上海在住時代のレートだと日本より高いこともあったかも……。
逆に日本に帰って来てからの方が、お店が多すぎて悩みすぎる日々。選択肢の多さは、優柔不断な人間には困りものです。なお、すっかすかだった私のまつ毛。先日行ったとあるお店のおかげで、ふさふさにはなりましたが、もうこちらのお店を利用することはないでしょう。土地勘がないせいで、予約したお店は繁華街……と言えば聞こえが良いですが風俗街の一角にあるお店でした。おう、場違い感半端ねえ。キラッキラでお忙しいおねーさまたちの対応になれていらっしゃる店員さんは、超素早く出来上がりも素晴らしかったです。でも、無理。あの界隈にもう一回行く気力はない。そう言えば、これまた土地勘のないときに、高級住宅街にあるサロンに行っちゃった時も、恥ずかしかったです。あんな小汚い格好で行ってごめんなさい。だって、あんなお洒落な場所だって知らなかったんだもの(遠い目)
まつ毛に毎月数千円から一万円をこれからの人生も支払い続けることになるのでしょう。何という無駄。神様、来世は超絶美人か待遇の良い家の飼い猫に生まれ変わらせてください。よろしくお願いします。




