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永遠の初心者と学ぶ、試験に出ない中国語  作者: 石河 翠@11/12「縁談広告。お飾りの妻を募集いたします」


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37.「元宵節」はお団子日和

 昨日は三月三日の雛祭りでしたが、あちら中国では一昨日が「元宵節」(yuanxiaojie/ユエンシャオジエ)」でした。今年はどうやら春節がだいぶ遅めにあったようですね。(なお前にもこのエッセイ内で書きましたが、中国には雛祭りはありません)


 中国では、この「元宵節」を迎えて、ようやく年が明けたという感覚です。もちろん中国の公的な休みとしては、春節が始まってから七日間までなのですが、春節が始まってから十五日目の「元宵節」を迎えるまでは、なかなか工場も稼働しません。もうこれはお国柄なので、しかたないことですね。でも日本では三月と言えば年度末なので、感覚のズレは大変そうです。


 この日を迎えるまでは、連日花火がどんちゃか上がっております。私が中国にいた頃は、マンションの中庭や遊歩道でも花火があげられておりました。(ちなみに火災の危険性の面から、本当は禁止だったのですが、誰も守っていませんでした)


 ちなみに春節の際に使われる花火や爆竹が、中国の大気汚染をさらに悪化させているという報告もあり、ちょっと控えめにするように政府からお達しが出たりもしているのですが、どうでしょう、あまり効果はないようです。


 さてこの「元宵節」では、みなさん「湯圓」(tangyuan/タンユエン)と呼ばれるお団子を食べます。白玉の中に餡が入っているんです。これを熱いお湯で煮てから頂きます。これがないと、「元宵節」は終わりませんから、この時期スーパーの食料品売り場はこのお団子で溢れかえります。


 何と言っても特設会場ができるくらいですからね。工場で生産された冷凍食品のおだんごのバリエーションにも驚かされますが、生のお団子勢も負けてはいません。わざわざ業者さんが、給食のおばさんが使うようなどでかい金属製の容器をスーパー内に持ち込み、実演販売しております。作った端から売れるので、理にかなっているのかもしれません。生のお団子を何百個と一度に作るのはもはや風物詩です。私も中国で初めて見たときは、興奮して写真を撮りました。(お団子を茹でるのは、ご自宅で購入者が食べる際に各自でやります)


 なおこのお団子は、語学学校でも作ったり、小学校でも課外授業で作ったりします。「月餅」(yuebing/ユエビン)同様、これも手作りイベントとして定番化しているところも面白いです。


 まあ日本にいる私がこの日にお団子を食べることはなかったわけですが、中国人の友人からはたくさんのお祝いのメッセージをもらいました。(こういうイベントの時は、みんな一斉にスタンプ付きのメッセージを贈るのが当たり前なのです)


 頂いたメッセージの中で、一番印象的だったのを紹介します。


汤圆,月圆,时时团圆

情缘,福缘,日日逢缘

心愿,意愿,月月兑现

官源,财源,年年有缘

元宵节快乐


(tangyuan/タンユエン、yueyuan/ユエユエン、shishi/シーシーtuanyuan/トウアンユエン)

(qingyuan/チンユエン、fuyuan/フーユエン、riri/リーリーfengyuan/フォンユエン)

(xinyuan/シンユエン、yiyuan/イーユエン、yueyue/ユエユエduixian/ドゥイシエン)

(guanyuan/グアンユエン、caiyuan/ツアイユエン、niannian/ニエンニエンyouyuan/ヨウユエン)

(yuanxiaojie/ユエンシアオジエ kuaile/クワイラア)


おだんご、まんまるお月様、時に家族で食卓を囲む

恋人との縁、福の縁、日々縁に恵まれる

願い、望み、そして叶う

仕事や、お金とも縁がある

元宵節、おめでとう!


 きちんと中国語を勉強している皆様、申し訳ありません。これは石河の耳にはこう聞こえるという音なので、決してこの片仮名を鵜呑みにしてはいけないです。


 でもこうやって見ると、文章として成立しているのはもちろんのこと、韻をきちんと踏んでいて、流石だなあ、お洒落だなあと思うのです。ちなみに最初の文章に出てくる「团圆」は、中華料理でよく見るあのどでかい丸テーブルのイメージですね。


 もちろん、よく使うメッセージとしてどこかに定型文があるのでしょうが、こういう文章をさらりと普通の人が使うあたりが、やはり中国って凄いなあと思ったりします。(焚書坑儒とか、著作権ガン無視とか、いろいろありますけどね。まあこの話はまた今度)


 そんな「元宵節」のお話でした。

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