31.IKEAはレジャー施設である。
下品な表現があります。お食事中の方はご注意ください。
先日Yahoo!ニュースを流し読みしていて、中国のIKEAについてのニュースを発見しました。内容は、お客さんがIKEAのベッドで勝手に寝たり、椅子やソファを占領したり、フードコートでお見合いをすることに対する苦言というようなものだったと思います。そしてそれを読んで思ったのです、ああ、これってわざわざニュースにするようなことなのねと。
悲しいかな、中国に住み始めた頃は衝撃的だった出来事も、何年かすれば当たり前の出来事として受け入れられます。ええ、IKEAはレジャー施設というのもその一つです。そういえば私、日本に帰国してからも、日本のIKEAに行ったことがありません。私のIKEAのイメージは、人が尋常でなく多くて、常に警告音が鳴って騒がしくて、商品をゆっくり見れない上に、巨大過ぎて行くと疲れるというものなのですが、きっとこのイメージは中国だけのものなのでしょうね。いや日本のIKEAもきっと巨大なんでしょうけれど、さすがに「立入禁止」と書かれた扉をひっきりなしに誰かが開けて、ピーピーピーピー警告音が鳴るような事態にはならないと思うんです。
さて、中国のIKEAがどうしてあんな無茶苦茶なことになったのか考えてみましょう。
恐らく今の時期なら、理由の一つは暑さです。夏場の上海って四十度を超える気温なんです。しかも湿度も高いので、市民の社交の場である公園も早朝と夕方以降しか使えません。(社交の場である公園についても面白いので、この話は次回に)それだけでも、冷房の効いているIKEAに人が集まる理由になるでしょう。何と言っても、入場料もかかりませんからね。
ちなみに私が上海に住んでいた時に、街中の気温計で四十度を超えるのを見たことがありません。日本とかのサイトで見ると、明らかに上海の気温は四十度を超えているにも関わらずです。実は、気温が四十度を超えるとメーカーの工場は運転を休止させ、従業員に休みを取らせるという法律があります。(今もあるかはわかりません。数年前の上海にはありました)けれど一度も工場が休止になったのを見たことがありません。つまり、休みを取らせないために街中の気温計は四十度を超えないように設計されているのではないかと勝手に睨んでおります。
話を戻しましょう。しかも、上海は日本以上に蚊が多いんです。さらに日本の蚊より強いので死ににくく、刺されるととても痒い!!! そして中国のデパートにはベンチがとても少ないのです。なぜなら椅子を置くと、お客さん以外の人たちが入り込んで一日中のんびりしてその場所を占拠するから。だからベンチのないデパートの階段に、老人がたむろしていることはよくあるんです。
さて問題です。そんな状態で、一日中冷房が効いて、かつ椅子やソファやベッドがたくさんある場所ができたとしましょう。しかも入場は無料です。それなら一体何が起こるか、想像つきますよね? そりゃあ人も集まって、好き放題やりますって。
概ねニュースの通りなのですが、IKEAのベッドで横になるお客さんは心臓に本気で毛が生えているレベルです。本気でぐうすか寝ているおじさんなんか序の口で、カップルでいちゃいちゃしている男女もいます。ベッドでDVD鑑賞している人もいます。もう家に帰れ。ソファーもすべて誰かが座っている状態です。自撮りしているくらいならいいのですが、持ち込んだカットフルーツを食べ出している場合もあるので、座り心地を確かめる前に、ソファーがベタベタしていないか確認した方が良さそうです。
そして私が一番IKEAで衝撃的だったのは、展示品であるトイレの洋式便座に「ここでおしっこをしてはいけません!」という張り紙が貼ってあったことです。他の張り紙は英語と中国語が表記されているのに、このての張り紙だけはどーんと中国語で書いてあったので、まあ実際にそういうことがあったのでしょうね(遠い目)
そう、残念ながらこちらではいろんな場所でおしっこをしてしまう方がいらっしゃいます。特にお子さんには催した時に我慢をさせるという習慣がないので、道路の溝とかでも平気でさせちゃうんですね。だから展示品で排泄をした方が過去にいらっしゃっても、私は驚きません。何と言っても、子どもをトイレに連れて行くのが大変という理由で、男の子は空のペットボトルをトイレ代わりにしていることが多いですから。美人のお母さん方の超高級ブランドのバックから、ペットボトルトイレ(中身にレモンジュース入り)が出てきたときは、卒倒するかと思いました。ただバックにそれを入れて持ち帰る方はまだ常識人です。このレモンジュース入りのボトルを、そこら辺に放置して帰りやがるヤツがいるんですよ。完全にギルティですね。
あとですね、基本的に中国の商業施設のトイレは汚いんです。使い方にもよるんでしょうけれど……。(だって日系デパートのトイレですらアレな時もありますから)だからある意味展示品でやりたくなる人の気持ちもわかるような……(はっ、騙されてる?!)
そしてIKEAの注文シートに鉛筆でチェックを入れようとして、なぜか鉛筆がすべて盗まれていてチェックができないとか、なぜか商品カートの中に小学生くらいのお子さんがわしゃわしゃ乗り込んでいるのを横目に見たりとか、商品を自分の持ち物のように使いまくる人とかなぜか店内を走り回る犬の横を通り過ぎながら、レジに向かうと、最後に出会うのは「ポイントカードにポイントつけてくれおじさん」です。今もいらっしゃるのかしら。IKEAのポイントカードを持っていないお客さんがレジに来ると、「俺のポイントカードにポイントをつけてくれ」と言われるのです。別に構わないのですが、一日中レジ横でぼーっと立っていて、収支は割に合うのかだけが気になります。
ちょっと不思議なレジャー施設となった中国のIKEA。中国に行かれた際には、立ち寄ってみるのも面白いかもしれません。(買い物は絶対に日本でする方が楽だと思いますが)




