26.臭いものには熱湯を!
体臭についての表現があります。お食事中の方はご注意ください。
汗ばむ季節となってまいりました。突然ですが、あなたの体臭はいかほどのものでしょうか。
ええ、ディスるつもりはございませんが、うちの家族の誰かさんは体臭がきついのです。ああ昔はそんなこと気にしたことなどなかったというのに、これが加齢臭というものなのか。いえ、加齢臭とも関係なく単に臭いだけのかもしれませんが。(ひどい) 気を使ったシャンプー、石鹸を使用すれど、やはり一日着ていたワイシャツは残念なものに成り果てております。
一度飲み会帰りの適当なところに放置されたワイシャツ、完全に発酵しておりました。バイオハザード!
こういう時、中国の洗濯機なら便利だろうなあと思う機能があります。それが、熱湯コースです。
洗濯機に熱湯だなんて、なんだかピンときませんよね。
ところが、この機能、中国では結構一般的なんです。中国の住宅というのは、見た目第一で、日本人的にはあまり機能的ではありません。日本ですと、洗濯機ってお風呂場の横にあるような気がします。お風呂に入る時に、ポイっと脱いだ服をカゴにいれたり、直接洗濯機の中に入れたりできるので便利ですよね。
そして中国の洗濯機は結構な頻度で台所にあります。水回りとしてひとくくりにしているのでしょうか。超不便です。そして、縦型タイプが少ないのです! 今でこそ日系メーカーさんが縦型を売り出しているのですが、数年前まで当然のようにドラム式洗濯機のみでした。ドラム式の方が省スペースかつ、節水だからでしょう。
中国の賃貸住宅は、基本的に家具家電付きです。ですから、オーナーさんのご趣味のお部屋にそのまま住むことになるため、ゴツイおっさんがロココ調の家具に囲まれて暮らすということも当たり前で起こります。そして白物家電は、たいていの場合中国のメーカーか韓国のメーカーです。すると洗濯機は、ドラム式タイプになります。
このドラム式、時間がかかる、汚れは落ちない、すぐに服の生地が毛玉だらけになって傷むという代物です。何と言っても通常コースで一時間半かかります。乾燥までやってもらうと、さらに追加で数時間。しかも前の住人の使い方が駄目だったのでしょう、何度も洗濯槽をクリーニングしても取れないカビ臭に、私は乾燥機の使用を諦めました。今でも日本では縦型洗濯機を愛用していますが、どうなんでしょう、日本のドラム式なら服は傷まず、乾燥機も臭くないのでしょうかね?
(ちなみに日本のように洗濯に使う水が潤沢にある国の方が稀なようですね。ドラム式洗濯機への愚痴は、日本人でないと共感しにくいようです)
けれどこのイマイチなドラム式洗濯機の中で、唯一私が素晴らしいと思った機能があります。それが先ほども申し上げた、熱湯コースです。
たまにテレビの裏技で取り上げられるのを見たことがある方もいらっしゃると思いますが、頑固なワイシャツの襟まわりの汚れは、熱湯で煮れば簡単に落とすことができるのです。(私は以前、家事◯もんがそれを紹介しているのを見ました。正直裏技というほどのものかなあと思ったのですが、実家の母は感心していましたので、やっぱり裏技なのかもしれません)
中国では(韓国でも同じタイプの洗濯機が売られているので、韓国の方もかも)、真っ白なものはひたすら白いことが良しとされます。白い服を清潔に保つために、鍋でぐらぐらと煮沸していた時代もあるのです。そういった背景から生まれたのが、洗濯機の熱湯コース。およそ九十度の熱水で洗濯してくれます。ええその間、洗濯機周辺は結構熱を持ちますので、洗濯機への負荷は相当に高いのではないでしょうか。
ワイシャツの襟汚れはもちろんのこと、くさ〜い臭いもスッキリさっぱり落としてくれます。難点は、洗濯時間だけで二時間を超えることでしょうか。ちょっとお出かけ前に洗濯機をパパッと回してなんてことはできません。洗濯機内に放置すると、また今度は違う異臭が発生するので、必ず洗濯終了後はすぐに回収しないといけませんでしたしね。
本当に中国の洗濯機と一体型の乾燥機には良い思い出がありません。何度引っ越した先でも、カビ臭さに悩まされたものです。日本の白物家電であれば、そんなことはないのでしょうが。
とはいえ、せっかく帰ってきた日本でもそろそろ梅雨の時期が始まります。除湿機あるいは乾燥機の購入を検討するべきか悩む石河なのでした。




