17.「情人節」とバレンタインデー
誰もが心躍らせるバレンタインデー。皆様はどのような甘い日をお過ごしになられたのでしょうか。ちなみに我が家ではチョコレートは喜ばれないため、お酒を購入。その他の方にも酒の肴的なものを送ったので、さっぱりバレンタイン感はありません。
さて中国でバレンタインデーは、「甜蜜情人节/情人節 (tian mi qing ren jie/ティエンミー チンレンジエ)」と書かれることが多いです。もともとロマンチックなことにノリノリなお国柄なので、男女ともにしっかりプレゼントをご用意するみたいです。とはいえメインでプレゼントを買うのは男性の方。薔薇の花をはじめとした花束を購入したり、デートでちょっといいレストランに行ったり。羨ましいですね。
日系企業にお勤めの女性の場合は、職場の男性に義理チョコをやはり配る模様。ヒアリング相手は数名の友人なので、サンプル数に不足があるのは否めませんが、中国でも義理チョコに追われる生活はしたくないです。ホワイトデーもそこまで浸透していないので、お返しも期待できませんし。
この日街を歩くと、至る所でバレンタインにかこつけたセールを行っています。ケーキ屋さんやパン屋さんで、特定の商品が割引になるのは当然とも言えるでしょう。男性が女性に薔薇を贈ることが多いせいか、ケーキの飾りもこの日は薔薇がついたものもよく見かけます。生クリームケーキではなく、バタークリームケーキが中国では主流なのです。(バタークリームが大好きな私は問題ありませんでしたが、嫌いな方は相当辛い模様)
ちなみに割引の表し方は、日本と中国では少しばかり違います。よく見かけるのが、「半折(ban zhe/バンジャー)」、これは日本と同じで半額という意味です。女性にはたまらない響きですよね。私だけでしょうか? 半額という響き、大好きなんです。頭を使うのはここからです。
さらによく見かけるのは、「8折(ba zhe/バージャー) 」、「8.8折(ba dian ba zhe/バーディエンバージャー)」です。先ほどの話からすれば、なるほどこれは8割引と8.8割引かと思われるかもしれません。バーゲン会場ならば、争奪戦になる可能性もあります。けれど、中国ではちょっとばかり事情が異なるのです。
何と先ほどの「8折」は2割引の意味です。そして、「8.8折」は1.2割引の意味になるのです。もうお分かりですよね。中国では表示される数字が小さい方が割引率が高いのです。1折なら9割引ですね。決して日本のイメージで商品を手にとって、レジに行っては行けません(笑)
なお中国では8という数字が好まれるため、この2つの値引きをよく見かけます。「发财/発財(fa cai/ファーツァイ)」を連想させる音だからと教わりましたが、どうでしょう。似てますかね?
このバレンタインセール、各種お店やさんが便乗しています。
宝石屋さんやジュエリーショップ。アリです。
コスメ。アリです。
お酒やさん。特にワインショップ。アリです。
雑貨屋さん。アリです。
本屋さん。プレゼントに本、オシャレ。アリです。
洋服やさん。……まあイイかな?
美術品、工芸品。……もらって嬉しいの?
干しナマコ、干しアワビなどの海産物……高級だけどさあ。何かの暗喩?
冬虫夏草……もうバレンタイン関係ないだろ!
バレンタインセールはイベントなので大概のものが許容できるのですが、流石に冬虫夏草屋さんだけは許せませんでした。何なの、何て言って渡すの? 「今日はこの冬虫夏草で君を寝かせないよ」とかでしょうか。もはや下品! ロマンティックのかけらもありませんね。(冬虫夏草は精力増強としても有名)
今年のバレンタインでも、きっとロマンティックからとんでもまで趣向を凝らしたプレゼントが贈られたことでしょう。個人的にプレゼントは商品券(もしくは事前リクエスト制)が一番好きな石河でした。