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第1巻「Fourth Wall Breaking」:3章

・・・・・・・・・・・・・・・

主POV:冷泉

・・・・・・・・・・・・・・・

PQが僕に放電の爆発を撃ってきた時、体中の感覚は同時に鈍くなっていて、数百本の針が僕の神経系に刺さっているように痛み、僕の身体は発作で倒れてしまった。

この電撃、なんかアニメ版ポタモンの主人公であるジュンイチに関するネット仮説を思い出してくるよ。

ジュンイチは冒険の初めにポタモン博士からPQをもらえたが、PQは彼の命令を聞くことなく、一話の終わりに雷雨の下でジュンイチを感電させ、痺れさせた。

ネット仮説によればその電撃を受けたジュンイチは昏睡に陥り、彼のそこからの冒険は全てただ昏睡状態の中の夢でしかなく、その時点から起こった全てのできこと、全てのキャラはただのジュンイチの精神、10歳の少年の理想に形成された妄想にすぎないと。

この仮説はなぜアニメの800話の後でも、アニメがリアルタイムでは16年間放送された後でもジュンイチはまだ10歳のままかという疑問に正当性が与えられる。

ゲームの親会社であるテンニンドウはその仮説が間違っていると公表して、ジュンイチがまだ10歳であることはポタモンアニメが10歳の視聴者向きの物だから主人公も成長させてはいけないと言っても、理論でアニメの可笑しい世界に説明付けたいのなら、この仮説が一番だ。

だからこの状況では僕はPQに痺れさせられているジュンイチなのか?僕も昏睡に陥って、僕がこれから見る人生はただの昏睡状態の中の夢になるのか?

しかし僕は地面で激しく蠢くたび、震える視界は真っ白に消え、目の前で無限に広がる白さに巨大な奇妙に光っている輪を捉え、上の空から青い羽が僕に舞い降りる。死に掛ける人が見るベタベタな光景、僕は本当に死ぬのか、このリスに殺されて?

いや、死にたくない、今では、ここでは、この様では、死にたくない・・・・

リリックスを救うまで、死んでたまるか。

その時、男性の声が僕に響いてきた。その声は青い羽から出されているようだ。声は僕が知っている台詞を発し、きっとどこかのアニメから聞いたことある台詞だが、どのアニメからはすぐ思い出せてこない。

「決めろ......決められるからこそ...『自由』の意味なんだ...」

僕の視界は再び真っ白になり、巨大な輪と青い羽が白い光に消され、僕の全身は裸のまま永遠に続く羽の海に落ちているようにくすぐったがってくる。

声は再び僕に囁いた、遠くて覆われたようなままから続いてくる一つ一つの母音は前の母音より近づいてきて、大きくなってきて、はっきり聞こえてくる。

「俺の決断その物が、俺の自由の翼となる!」


その途端、僕の体はすごく軽くなったように感じて、まるで僕の中身は蒸散し、新たな型に変形したようだ。

僕の意識はいきなり戻ってきて、ポタモンホーム4階のコンピューター室に戻り、僕は自分から下がるPQを見えた。奴は驚いているんだ。

「キュ、お前は...!?」

その瞬間、僕は自分の身体が勝手に動くのを感じて、僕の左手を上げてPQに指差す。

僕の目の前の手も、腕は青いフューチャリスティックな模様が刻まれる白いガントレットをしていて、手は黒いグローブに包まれている。これもまた僕が知っているデザイン、僕が知っているアニメキャラの衣装だ。しかし今の僕は具体的にそのキャラの名を思い出せない。どちらにせよこれは僕の手じゃない事だけは確信できる。

僕の身体はまた勝手に動き、今度は何かアニメ主人公の可笑しい参上ポーズになって指をパチッと鳴らす。僕が口を開けて話そうとするたび、僕の視界は後方に下がり、三人称視点のゲームのように僕自身の『身体』なはずの物から離れる。


視界が後方に移ると、僕はようやく後ろから自分の全体の『身体』を見た。今の僕の身体は空色の髪を持ち、青いフューチャリスティックなパターンが刻まれる白いロングコートを着ていて、右手にもSF風の銃を持っている。

全身が見えてきたら、僕はやっと自分の身体が変身しているアニメキャラを思い出してきた。彼は僕が持っているガンダインExxiedのCDのケースに乗っているキャラクター、そのロボットアニメの主人公。

その名前が僕の頭に閃いてきたその途端、目の前のキャラはPQの質問に応じて自分の名を乗った。

「カメリオ・トミノ、自由のために出撃します(シュート・フォー・フリーダム)!」

・・・・・・・は?・・・・・・

でも僕と違って、PQはカメリオのおかしな自己紹介に揺るがず、新手の敵に唸る。

「つまりお前もボクと同じ...メタキャラか!?」

カメリオは自身が溢れている声で返事をする。

「その通り、俺はなんと運がいいんだろうな、実現したらすぐにもう一人のメタキャラに会えるとは―」

こいつらは何も説明せずに話を進める気になっているから、僕はカメリオから説明を要求する。

「待て、待て、待て、待て!何なんだこれは!?僕の身体はどうなっている!?なんで僕はガンダインキャラに変身しているんだ!?メタキャラって何だ!?」

今の僕には物理の身体がないからカメリオとPQは僕の声は聞こえないと思っていたが、どうやらこいつらはちゃんと僕の声が聞こえているようで、カメリオは振り向かず、PQから目を離さないまま返事した。

「心配するな、後で説明するから、今は―」

同じくカメリオに話しを終らせたくないみたいに、PQはガンダイン主人公に唸り出す。

「こうなったら、殺すしかなきゅなったねキュ!」

そんな言葉がアニメのリスの口から聞こえてくるとは本当におかしく思えるけど、僕はよく感じている、PQの怒りは本当に燃えているんだ。

アニメ版のPQも短気だ。それは子供の視聴者にも覚えやすい印象付けで、主人公であるポタモンコーチのジュンイチと一緒にドラマとコメディにダイナミックを加えやすくするための特徴だ。

しかしこの怒りは子供向けアニメの暴力やお笑いのために使われていない今、僕はこの電気リスがこの現実世界でどれほどまでに危険だと分かる気がする。特にポタモンの鳴き声だけでなく人間の言葉を話せている今の奴では。


PQは電力を集めてこっちに突進し飛びかかったが、カメリオは素早い反応で回避した。自分より早いPQの攻撃を完全に避けられないように見えるが、カメリオは素早くPQの右耳を掴み奴を横に投げてリスの攻撃を外させる。

PQから目を離さないためにカメリオは素早く振り向きながら、両手を開けるために右手に持っている銃をホルスターに収める。カメリオはPQをやっつけられるほどに有能そうだが、この部屋の中のコンピューターを壊してしまったら困る僕はカメリオに警告する。

「お前がまだ説明する気になっていないのは分かるが、とりあえず余計な損害を起こさないようにこの戦闘を終わりにしてくれないか?」

「分かった、できる限り早く奴を倒してみる」

「ああ」

あまりこいつの約束は確信できないな。アニメの奴はいつも余計に派手に戦ってしまうから、こいつに『効率的』な戦い方と言っても全く爆発を起こさせないままに済ませられるとは考えにくいよ。

でも意外なことにカメリオは無茶に頭を突っ込めずに最初で確実に一番『効率的』な手段を選んで、PQを説得しようとする。

「ほら、俺たちが戦ってもどうにもならないだろ?落ち着いてから話し合おうよ」

ヒナゲシの声はPQから響いてきてカメリオに賛成する。

「そうだよ、もうやめてよPQ!こんなことする必要はないよ!」

それでも電気リスは戦う気のままだ。

「キュ!キュ!そっちが最初に腹立たせてきたんだ、ポッピー!ボクは存分にこいつらを痺れさせるまで退く気はないキュ!」

PQがまた飛びかかってきたら、カメリオは構えを取る。

「怒りだらけのリスだなお前は!」

今度カメリオは横に避けて素早く指関節でPQを打ち、また軌道を曲がらせて回避する。

本当は全力の拳で殴るのもできたはずけど、カメリオもこんな狭い所で威力を使いすぎるとPQが飛ばされて室内のコンピューターに衝突してしまうと警戒しているだろう。ここでダメージの考慮をしながらこのすばしっこく、怒っているポタモンに勝とうとするのはどれほどに難しいことだと気づいたカメリオは文句を言ってくる。

「これはやばいな」


いい解決法が閃いた僕はカメリオに提案を出す。

「ここでは損害を起こさないように奴を倒すなんて無理だ、ここから奴を誘い出して、非常階段へ向かうんだ!」

「了解!」

PQはまたもや飛びかかってくるがカメリオはまた同じ手の甲でPQを打って軌道を変えた。でも今度はポタモンに目を付く代わりにカメリオはドアへ掛け抜くんだ。サーバールームから出たら、僕は更に指示を出す。

「左に曲がって廊下に向かえ、そして開いている非常口を見えてくるまで走り続けろ!」

「おう!」

カメリオが廊下に走ったら、僕たちはPQがちゃんと付いてきていると聞こえた。

「逃がせると思うかキュ!?」

PQはカメリオの後に部屋から跳び出して、またカメリオに電力で強化としたジャンプ力で跳びかかろうとするから、僕はカメリオに回避の合図を出す。

「後ろだ!」

ポタモン背後に捉えながらも、カメリオは廊下の角に着き、曲がりながらPQから避ける。しかしそうPQの攻撃を成功に避けた代わりに、これで僕たちはPQに先回りされてしまった。

PQはカメリオの前に着陸するが、ヒナゲシの声はまだリスの体から響いてきて、自分の暴走しているポタモンにどう対処すればいいかと困っているようだ。

「あわわわ、どうしよう?どうしよう?落ち着こうよ、PQ、とりあえず落ち着こうよ!」

でもPQはただで主にイライラで言い返した。

「黙っててポッピー!キミがここまで来られたのはボクのかげだ、だきゃら今度ボクの勝手にさせてもらうよキュ!」

PQに前を取られたから、これでカメリオはまた攻撃を回避しながら非常口に向かえなくなってしまっている。だが僕たちはもう窓がある廊下に来ている。非常口はもう50m先だから、すり抜けさえできれば無事に非常口まで駆けられるかもしれない。僕はカメリオにもう一つの指示を出す。

「これは難しくなるかもしれないが、どうか窓の下の光に行ってくれ!」

僕はその移動は難しくなりそうと言っても、カメリオには無事ですり抜けられる自信がありそうだ、まるで主人公のプロットアーマーが守ってくれると信じているように。

「大丈夫だ、やってやる」

PQが動く前にカメリオは光の向こうに跳んで、PQもカメリオの後に跳びかかろうとするがカメリオはすでに窓の向こうに避けていて、攻撃を外したら自分は窓にぶっつかり、窓を突き破ってしまうと気付く。

怒っているとしても、PQはカメリオを襲うより外の一般人から身を隠すのが優先だと分かっている。それでも奴は諦める気はないんだ。

その時僕はPQを掴んだカメリオの手には怪我を負っていると気付いた、カメリオは手袋をしていて僕と痛み受容体を共有していなさそうだからその傷は明らかに見えていないが、僕は『なんとか』カメリオの手はPQの電力にダメージを負っていると分かっている。それを考慮した僕はもう一つの指示を出す。

「どうやらお前はダメージを負わずに奴を触れないようだな、ここまで来たら銃を使えばどうだ?」

でもカメリオは僕の提案に驚く。

「ちょっと、それはやりすぎだろ」

「銃のセイフティは掛けたままでメリケンとして使え、そうすればお前は奴の電気に触らずに奴を殴れるんだ。だがそれでもお前の攻撃の届く距離は短すぎるから、ちゃんと気を付けるんだぞ」

「そう簡単にいけるか?」

「PQはまともに考えていないんだ、奴を直接に突進させるのは難しくないはずだからその隙に反撃すればいい。後は奴の電力が尽きるまで時間を稼いでみてくれ。奴が疲れたらそれも僕たちの勝ちも同然だ。その時になるまで僕は代替索を考えておくから…!!?」

しかし2-3歩下がったらPQはここに来た時に使った同じ電撃のダッシュで跳び掛け、部外者の視線を避けると同時にカメリオを攻撃しようとするんだ。

後ろからはっきり聞こえるビリビリの音と共に高電圧のダッシュが見えてきたら僕はカメリオに叫ぶ。

「避けろ!」

カメリオは強い跳びで横に避けて、環境を構わなくてよくなった今の彼はまた完全に避けられる自信がある顔をする。無論その自信はガンダインExxiedのアニメの中ではカメリオは走りで機関銃さえも避けられた経験から来ているだろうから、PQを避けるくらいなら問題ないはずと考えているのだろう。

でもその自信と裏腹に、カメリオは完全にPQの突進を避けられず、砲弾のようなダッシュに当たられた。後ろから来たポタモンの疾走は予想以上に速すぎたんだ。

「アグっ!」

PQはダッシュを続けて窓から離れたらカメリオは走っているバイクに轢かれるように床に落とされて転んでしまう。カメリオは不信の苦痛で打たれたところを掴む。

「なぜそれを避けられなかったんだ!?」

僕は彼のうぬぼれに皮肉の論拠を返す。

「当然だバカ、自分は今プロットアーマーが存在しない世界にいると忘れたか?」

カメリオは立ち直りながらダメージが負ったばかりの声で僕に質問を返してくる。

「プロットアーマー?」

「分からないのか?とりあえず今で説明する余裕はないからお前が自分はなんなのかを説明する時と一緒で後にするんだ。ただこれくらい覚えておけ。この世界にいるお前は普通に怪我を負うんだ。」

「分かった、気を付けるよ」

PQはもう非常口の前に立っていると見たら、カメリオは銃を抜き出して威嚇し、奴を非常口の中に撤退させるようにPQに向いた。

でもPQは非常階段の中に下がると、カメリオはすぐ銃をPQにしっかり向けたままに奴を追いかける。もっともっと中へ下がりながら銃口から目を離さないPQが自分は追い詰められたと気づくのは尻尾が壁に触った途端で、その時カメリオはニヤニヤしながらPQに本心を見せた。

「冗談だよ、撃ちやしないよ」

銃の持ち方を銃身に変えて、カメリオは銃のグリップの元でPQの胴体に打ち、奴を後ろの壁に激突させる。

「キュエッ!」

PQは確かにその期待に応えて電撃のダッシュで跳びかけてくるけど、今度の奴の体に包まれる電流は明らかに前より薄くなっている。策は効いている。PQは電撃を使って、怪我を負うほどにスタミナはだんだん弱くなっていくのだ。

PQはまた跳びかかってくるが、カメリオは再び横に避けてガントレットで殴り、奴を壁に激突させ、一撃で二度のダメージを与える。

「キュヒ!」

一度も反撃できずに2発の攻撃を食らって状況が逆転されていて、自分のスピードも落ち始めていても、PQはまだ戦う気だ。

「むかつきゅヤツだなキュ!」

今度もカメリオはポタモンの攻撃を避けてからガントレットでPQに殴り、続けてもう一度銃のグリップの元をPQの尻尾に打ち下ろして、PQを怯ませた。

「キュヒ!」

PQは全身に広がる痛みで怯んだ隙に、カメリオは続きのキックで奴をサッカーボールのように蹴って、リスを下の一連の階段の壁に激突させて仕留める。

「キュヒ!」

その衝撃はようやくPQを気絶させて、電気リスは床に落ちるたびにヒナゲシの姿に戻る。PQの方は気絶したとしてもどうやらヒナゲシの方にはまだ意識があるようだ。彼女もリスが受けたダメージの痛みの一部を感じているようでお尻を撫でて、立ち直れそうにないほどに両足が震えている。

「いててて……」

勝利を得られたことを確かめたカメリオは一度深呼吸をして、アニメの主人公らしい派手な仕草で手に持っている銃を廻してホルスターに戻し、主人公の決めセリフを吐いた。

「パーフェクト!」

カメリオは咄嗟の末の攻撃で勝ったと見た僕は彼にコメントを出す。

「お前がそんな荒々しい戦いぶりをするところを見られるなんて思わなかったよ」

最後にもう充分なほどこれ見よがしに、カメリオは自分にご苦労さんを言っているみたいに両手をこすり合わせる。

「仕方ないだろう、ここではリベルティがないし、銃もそんな相手に使えないし、アニメの中みたいに動けないから」

「待て、つまりお前は自分がアニメの、仮想キャラクターであることを自覚しているのか?」

「そうだが、それも後に説明しよう。今はとりあえずこの子を助けるのが優先なのでは?」

「そうだな」

カメリオがヒナゲシのいる所まで階段を下りると、僕は少女に尋ねた。

「君は本当にヒナゲシか?これはどういうことなのかはまた分からないがとりあえず僕たちは同じ立場になったようだね」

また震える足で立ち直ろうとしながら、僕はもう自分を疑っていないと聞くとヒナゲシに微笑みは浮かんでくる。

「つまりこれで信じるの、レーセンさん?」

「とりあえず君は本当に僕の友人の妹ならこの質問に答えて。フウロの一番好きなアニメはなんだ?」

僕を説得したい必死さか、または兄妹の間のアニメに関する雑学の情熱さを表するかはよく分からなくて、ヒナゲシは反射的に即答してくる。

「アニキの一番好きなアニメは『ミドガルドソルム』だよ!」

僕はため息を吐いた。

「正解を出してくれてよかったよ、この期に及んでこれからも戦い続けなければならない変身する怪物じゃなくて、本当に君でよかった」

イライラを表しにヒナゲシは頬を膨らむ。

「むーんっ、誰が怪物だよ、レーセンさん?」

カメリオはヒナゲシを落ち着かせようとする。

「まぁまぁ、今夜のトラブルはもう充分だろう?」

「そりゃわたしの話を聞いてくれなかったレーセンさんが悪いでしょ?」

「仕方ないだろ?僕もまさかアニメキャラに変身できてしまうまでは、それを信じろって言っても無茶だよ」

「まぁ、それは確かにレーセンさんらしいね」

その突然に僕の視界はカメリオの肩の上から僕自身の眼孔に戻った。それはちょっと驚いた。僕は手を上げて、自分の手を見る。僕の手はもうフューチャリスティックなガントレットじゃなくてただの安いゴムストラップの腕時計。僕はもう自分の身体に戻った。

僕は身体を取り戻すとヒナゲシを立たせながら彼女に質問する。

「で、ポッピーちゃん、君は夜中になんでこんな所に侵入しているの?」

ヒナゲシは困った微笑で僕から目を逸らそうとしている。

「ええと……新しい魔法少女マジ―」

「魔法少女マジックは禁止」

一番都合のいい言い訳が使えなくなった以上、ヒナゲシはちょっと無口になってから正直な答えを出す。

「わたしは・・・・・・ポタモンホームのコンピューターにハッキングしてポタモンゼータとオミクロンのトレーラーを盗もうとしていました、あい・・・・・・」

「そうやってその前僕に見せたスクリーンショットを手に入れたわけ?」

「・・・あい・・・」

「そしてフウロはこの事を知っているのか?」

「・・・ちょっと・・・かな?・・・アニキはわたしが前に夜中でこっそり逃げてスクリーンショットを盗んだと知ったら怒っていたよ・・・だから今回は何も言わずにまたやっちゃった・・・」

「それで僕はこれからフウロにこの事を話すって分かっているよね?」

「・・・あい・・・」

ヒナゲシはちょっと悩み、僕に袖の下を振ろうとする。

「ではわたしはどうせ罰を受けちゃうなら、少なくともポタモンホームのコンピューターにトレーラーを見つけるまで探させてくれない?」

僕はヒナゲシを睨み、目を逸らそうとしている少女を更にびびらせる。

「ダメだ、僕たちは今すぐに帰るんだ。家まで送ってやるから」

「お願い、レーセンさん!10分だけでいいから!やらせてくれたらもっと、もっと背景を10個塗ってあげるから!」

「それは悪くない申し出だが、それでもダメだね」

「なんでだよレーセンさん!?」

「ほら、僕は君にハッキングを続かせても、君のPQはもうKO、いや『ひんし』になった今では君は何ができる?」

本当にもうハッキングできないと気付くヒナゲシの表情はフリーズする。

「あわぁ・・・それも一理あるね・・・」

今夜の進入が無駄になったと気づいたヒナゲシは落ち込んでしまう。同情はちょっとしているが、僕は家に帰ったらカメリオにメタキャラクターについてすぐに尋問しなければならないから僕も自分がした侵入を残念に思ってしまう。

「では僕も荷造りに手を貸してあげるよ」

「・・・あい・・・」

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