第4件【いやぁ~ロリってのも悪くないねぇ~な件について】
どうも!おはよう!こんにちわ!こんばんわ!
ハローグーテンターク!ジェアグゥィチトローナ!
SKNです。
なーんかぼーっとしているうちに前回更新から一月開きました。
これはまずい
「なかなか美味いなコレ」
「だろ?でも皆他のやつ食べるんだよなぁ」
丼をかきこむ女子を見たらどう思うかと考えれば理由は割りとすぐ分かるけど
男が丼をかきこんでても別に誰も何も思わんだろうし
「てか、お前授業は?出なくていいのかよ」
「寮長の権限舐めるなよ?そんなもんどうとでもなるわ」
「めちゃくちゃだな」
「許されるからいいんだよ、それに私先輩だぞ?言葉遣いどうにかしろ」
「身長伸ばしてから物を言え」
「口の減らないガキだね~」
「そっくりそのままお返しするよ」
お互いに一瞬目を合わせて笑う。
こんな下らない会話でも何かがおかしく感じられたから
「さて、ちょっと付き合ってくれないか?」
「授業受けろよ」
「だから受けなくてもどうとでもなるわ」
笑顔で冗談を言い合う、ここまでリラックスしているのは初めてだ。
まだ3日しか経ってないけどさ・・・
器を返して言われるがままに着いて行く
舗装路を外れて山に入って道のような道じゃないような所を進んでいった。
「どこまで行くんだよ」
「なんだ?バテたか?」
「ほざくなよ?お前こそペース落ちてるぞ」
「落ちてないわ、あと言葉遣いどうにかしろ」
「身長伸ばせ」
「うるせーよ」
山を登ること30分程で開けた場所に出た。
麓全体が見渡せる芝生に覆われた広場のような所で、ベンチがひとつ置いてあるだけ
「なんだここ?」
「良い場所だろ?たまに気晴らしに来るんだよ」
「まぁ・・・休むにはいい所だな」
「休もうと思うには道のり険しいだろ?」
「確かに」
ベンチに座るとここ来いとと言わんばかりに自分の横をぽんぽんと叩いている。
仕方ないから座ってやる事にした、まぁ実は結構疲れていたりする。
「私さぁ~立場のせいで上品に振舞わないといけないんだよな」
「上品の欠片も無かったぞ?」
「そもそもお前礼儀の欠片も無かっただろーがよ」
「あれくらい許せよ」
「許すわけねーだろ」
こーんな他愛もない話でも楽しいと思える。
こいつ実は男なんじゃなねぇのか?
「ここからの眺め好きなんだよなぁ~」
妙に神妙な面持ちで呟くから、上の立場に立つ者は大変なんだろうな。
実際様々な権限がある故にやらないといけないことも多いそうな
「まぁ確かに落ち着くわ」
「ここに芝生生やして椅子置いたの私なんだぜ?」
「一人でここまでか?」
「一年の時から手入れして芝生が整ったのもつい最近」
「ふ~ん」
「どっから出したか知らんがその鍬を今すぐ仕舞え」
反応の速さが尋常じゃない。
何ならまだ鍬出してないのに仕舞えとか言われても困るよね
「そこらへんに落ちてた」
「またか」
ため息を吐きながら俺の持っていた鍬を回収した。
最近ポイ捨てが増えて困っているそうで、不法投棄とかに関する法律はないから
咎めたりする事も特にはないのだが、マナーとしてどうなのかと
そんな話をされても俺は困る。
「看板は?警告にはなるんじゃないのか?」
「ここがバレるかもしれないだろ?」
「そうか?看板ひとつで」
「だって入り口付近だけ看板あったら変じゃん」
「この広い敷地の全部に看板立てるのは確かにめんどくせー」
「そーゆーこと」
時間割的に今頃は皆あの世界で実技をやってる最中だろう
俺にとっては凄くどうでも良かった、現に対抗戦何てやる気配は微塵も無い
でも話を聞くとそう平和な物でもないらしい。
「私達の寮ってさ、弱いじゃん?」
「弱い?・・・あぁらしいな」
「月1の対抗戦来週なんだよな」
「ふ~ん・・・え?来週?」
「聞いてなかったか?」
聞いてねぇ聞いてねぇ初耳だぞ
じゃあ今日実技の練習サボってる暇ねぇじゃん!
皆慣れてる中俺だけ出遅れてるよ完全に!ただでさえ途中で編入した人間なのに
「こんな所でくつろいでる場合じゃねぇ!」
「まぁ待てよ若人、そんなに焦るな」
「待たぬぞ幼子、俺は焦っている」
「ゆっくりしていけ、んで今日の夜私の部屋に来い」
「お?ナンパか?」
「思いがるなよ?まぁでも失恋直後なら落とせそうだな」
「俺ロリコンではないからな」
結局寮長に言われるがまま芝生の広場でダラダラしていた。
俺は何をやっているんだろうか・・・まぁいいや
日が傾いてきたので帰ることにした。
帰り際に「ほら、綺麗だろ?」と言われたのが妙に印象的で
とりあえず「まぁ」とだけ答えておいた。
「おかえり転校生、今日はどこに行ってたの?」
「俺の勝手だろー気にするなって」
「悪い事とかしてないよね・・・?」
結衣が心配そうに問いかけてくる、昨日の事があって気まずい
なんでこの子ってこんな可愛いのうわぁー悩まし。
「してないよ、そもそも出来るか?こんな所で」
「やろうと思えば出来るよ、ほんとに大丈夫?」
「信用無さ過ぎじゃないか俺?」
「そりゃ信用無いよ~だって心配ばっかりかけるんだもん」
酷い言われようだけど、昨日の事で気まずくなってるのは多分俺だけなんだな
そう考えるとつっかえていた物が取れた気がした。
とりあえず晩飯だ、今回は迷わないように、上を見ないように!
「ねぇ~転校生、良い話があるんだけどさ?」
耳元で七海がすーっごい小さな声で話しかけてくる
「小声な時点で相当怪しいぞ」
「聞くだけ聞きなよ、恋はまだ捨てたものじゃないぞ?」
それに合わせるように春菜がグッと親指を立ててグーサインをしてきた
お前らは共犯か?
「転校生が休んだのを結衣が気にかけててね、昨日のせいじゃないかって」
「まぁそりゃそうだろうよ」
「そう熱くなりなさんな、転校生」
胸の辺りをこつんと軽く突かれる。
「ゲームを諦めるにはまだ早いと思わないかい?」
「人の恋愛をゲーム扱いするなよ?」
「世界は所詮ゲームさ、プレイヤーは自分、自由度高くない?」
「高すぎて何もできねーな」
食堂までの道中はこんなペースで七海にからかわれっぱなしだった。
こいつにこの扱いをされるのは非常に不愉快である、まぁ半分冗談
でも七海の言う事が本当だったとしたらまだ捨てたものじゃない
・・・と思いたい。
「おい、来たぞ」
「全然待ってない、お前来るの早過ぎ」
「別にいいんじゃん」
「雰囲気が大事なの分かるか?待たされた感って重要だぞ?」
「保育に雰囲気いるか?」
「お?未だにそれ言うか?ん?」
「はいはい、ごめんごめん」
「まぁいいや・・・疲れる」
飯を食った後すぐに部屋に行ったから時間も遅くない。
用事の前に終わらせたいことがあったとしたら、そりゃ早いとは言われるわな
「それで?俺を呼んだ理由は?」
「ここに入れ」
見覚えのある大きな箱をぽんぽんと叩く。
忌まわしきその箱は向こうの世界に飛ぶ為の物だった。
そう、爆発事件のアレ
「さ、お前を来週までに使えるレベルにまで上げるぞ」
「うーん・・・そこまでする必要ある?」
「あるからやってるんだ、四の五の言わずに入れ」
「はいはい」
言われたままに箱に入る、が・・・
「なんで入って来るんだよ」
「1つに二人入れて使えるようにしたんだよ、いいだろ別に」
「お前が幼児でもさすがにせめーよコレ」
「まだ言うか、お前殺してやるからな」
揉めながらも二人の意識は向こうの世界に持っていかれたのだった。
「あぁ・・・この感覚は慣れないわ・・・」
頭がボーっとするし、視界もはっきりしない。
二度目だけど、これは慣れないと確信した。
「おい、どこ見てるんだ?おーい」
「ん?あぁ・・・おう」
「ちっまだこのレベルかよ、使えねーな」
「うるせーな、慣れてないから仕方ないだろ」
「慣れろ!」
「無茶すぎる」
はぁ・・・とひとつため息をついた。
「長い話をするぞ」
「おう」
「私は立場上色々調べれる、だからお前の能力も当然知っているし、寮生全員の事を把握している」
「ほう」
「正直この寮で使えるやつなんて一人も居ない」
「グサッとくるものがある、でも火とか出せるじゃん」
「火が出せる程度で使えるようになる訳じゃないのはいずれ分かるからいい」
「でだ、この寮で強いのは私だけだ」
うわ~こいつ恥ずかしい事言ってるわ~って思ったけど
何か目が今までと違って本気だったから何も言えなくなる、幼児だが強いのだろう
「でもお前は磨けば光る・・・かもしれない」
「不安だな、最後の余計だぞ」
「この寮にはちょっと火が出る、ちょっと水が出る、ちょっと傷直せる、その程度の能力しか持たない連中が集まっている」
「そりゃ・・・まぁご苦労なこって」
「お前は粉になるだったな、そんな意味不明な能力なやつは他に居ない」
褒めてるのか貶してるか、こいつはツンデレなのだろう。
んで、俺には死ぬまでデレを見せることはないであろう。
「だいたいの能力は被っている、火が出るやつなんてそこらじゅうに居る」
「お前は体を粉にしてからまた戻すことが出来る事に気付いているか?」
「え?まじ?」
「まじまじ、やってみろ」
「・・・・・・・・・・俺どうやって粉になるの?」
「お前バカか?そこからなのか?」
心底呆れたような、と言うか哀れむような目でこっちを見てくる。
二回目だから仕方ないでしょ、前回は良く分からないままなったし
「分からんなら分からせてやる、おいこっち見ろ」
言い終わらないくらいか、ギリギリ目で追えるスピードで突っ込んで
「おっ!?」
「これで分かったか?」
俺の腹部は粉々になって土星の輪のように体の回りをぐるぐる回っていた。
あまりの事態に理解が追いつかないのだが、それは澪華から説明があった
「混乱してるか?お前は力んだ箇所が粉になるんだよ」
だからか、最初の時に全身粉になったのは状況を飲み込めないと力んだから
それで足元から粉になっていてさらにビビッて全身に力が入ったからか
特に疑問には思っていなかったことだが、合点がいった
だがそれよりもきになる事がある
「お前の能力を教えろよ、チビ助・・・いや澪華」
「いい加減私の一人称を統一してほしいのだけれど、それと呼び捨てにするな」
力んで粉になるならリラックスすれば元に戻るはずと
対になる行為に連動して体も反応するなら話は早い。
「あぁ戻し方、閃いたのね・・・優秀優秀」
「俺も脳筋だけどバカじゃないからな、で?教えてくれよ」
「じゃあ問題、光の秒速は?」
「一光年だろ」
「それは光が一年に進む距離だっつぅの!」
「一光年ってそんな凄い距離なんだな、なにせ秒速30万キロだしな」
「ご名答、じゃあ私が見えるかな?」
気がつくとそこは部屋の中・・・寮長の部屋
起き上がろうとすると腹部に激しい痛みが生じて起きれなかった。
「何が起きたのかって顔してるな」
「あたりめぇだろ・・・痛覚おかしくなるんじゃねぇかってぐらい痛い」
「そりゃあお前さっき体木っ端微塵になってたからな」
さっきの問答から察するに澪華はほぼ瞬間移動みたいな速度で動けるんだろう
それこそ光の速さで
そんな速さでぶつかられたら体粉々になるさ
「痛み収まったろ、行くぞ」
半ば強引に箱の中に連れて行かれた、俺としては休みたい一心であるのだが
こいつは俺に一発も貰わない自信があるのだろう
幼児にここまでバカにされたと思うとさ
「腹立ってきたわ、絶対ワンパン入れてやるよ」
「ふふっお前・・・光るよ」
怒ってばかりの澪華が珍しく頬を緩ませながら
意識の遠のく俺に向かってそう言い放った
そしてその笑顔を見ながら俺は思う。
ロリも案外悪くないんじゃないかと
一月は開きすぎ、頑張って1週間に2話投稿しよう!
5月も半ばに入ってお仕事も落ち着いてきたしね。
では皆様アウフヴィーダーゼーエン!