第3件【失恋と幼女とトレーニングな件について】
どうも!おはよう!こんにちわ!こんばんわ!
ハローグーテンターク!ジェアグゥィチトローナ!
SKNです。
本日はトレーニング回?でございます。
前半は全然進めれなかったのにある所から異様に進むスピードが早くなったのはなぜだろうか・・・
日は沈んで辺りは暗くなっていた。
ここは食堂がありそこに決められた時刻に集まり食事をする
寮での生活は意外と緩い。
敷地内であれば門限も特になし、消灯時間もあってないようなもの
寮内に自販機がありそこで飲み物や食べ物を購入する事も出来る
学校の敷地内でルームシェアでもしてるような感じ
さて、とりあえず俺は食堂に向かうまでの道で迷った
他の三人も一緒に居たのだけど、少し細い道を入った所ではぐれてしまった
ここの星空が綺麗過ぎるせいだ。
ずっと上を見ていたからこうなったまでの話なのだが
時間を確認したらはぐれてから30分が経過した
一時間毎の連絡まで後5分程になった
要生は逃走と見受けられる行動を取った場合
寮長の判断で得体の知れない凄い罰が待っているとは聞いた。
ガキにいたぶられると考えるとちょっとイラっとくるけど・・・
食堂に移動する際に多少なりと細く入り組んだ道を行かないといけないのだが
その逃げるのには丁度良さそうなところで消えるってさ、ねぇ?
これがどういう事かお分かりだろうか、もし俺ならそいつは逃げたと判断する。
つまり俺は今
「立派な逃走者の完成かい・・・って言ってる場合じゃないぞこれ」
このまま皆と遭遇出来なければ俺は初日から要生指定からの逃走者
ただ、指定されて行動を監視されたからといって生活が変わる訳じゃない
だけど良くない方向で話題をもたらす生徒になってしまう。
それだけはなんとしても避けなければならないが、こんな迷路みたいな所どうしろと・・・
ところがここで名案を思いついた、文明の役は使うものだね
「そうだ、携帯で連絡を取ればいいんだ、なんだ余裕じゃないか」
取り出した携帯で電話をかける・・・かけたかったのだが・・・
連絡先を知らなかったとは自分の事ながら予想外な話なのだ。
初対面でルームメイトとはいえいきなり連絡先を聞くのは紳士じゃない
少しでもその考えが頭をよぎった教室での自分を今は殴ってやりたい気分
そうこうしている内に後30秒で俺は逃げた事になってしまう。
道に迷ってるだけなんだぜ?
得体の知れない罰とはなんだろうか、もうどうにでもなれと内心思う
特別指導を受けた生徒がその指導から逃れたら退学になるだろう
寮長の判断によるとは言うもののそれが退学なのは容易に想像出来る
「あ~もう、ほんとに今日は踏んだり蹴ったりだよ」
結衣にそそのかされるように始まった俺の女子校生活だが
初日でそれは終わりを迎えようとしていた。
あてもなく歩くうちに辿り着いた少し開けた場所で大の字になる
目を閉じて今日を思い出す
後5秒、この星空を見れただけで、あの三人と少しでも会話しただけで
後4秒、俺がここに来た意味はあったのだと思う。
後3秒、カウントダウンの開始だ
後2秒、「今私と一緒に居ます、はい空が見たかったみたいですよ」
後1秒、「はい、上ばっかり見上げてたので曲がる所間違えちゃったんですよ」
はい!タイムオーバー
そのタイミングを待ってゆっくり目を開けると俺を覗き込むように結衣が立っていた。
「セーフだよ、今度からはちゃんと前見て歩いてね」
微笑みながらそう言った彼女を見て俺は思ったのだ
俺は今落ちたと。
「俺は罰とやらを受けなくていいんだな」
「そうだよ、良かったね」
結衣のお陰で助かってなんとなく安心した。
それよりも心配してくれてるというね、何か良く分からんが凄く良い
「どうせ退学だろ?初日でそれは笑えないよな~」
「退学?違うよ、寮長さんの気分で決まるんだよ?」
退学だと思っていたから意外な答えに拍子抜けした。
「じゃあ罰は毎回毎回違うって訳か?」
「そうだね、直近であった罰は一週間匍匐前進のみで移動だよ」
今俺はこの天使にしか見えない女性に感謝した。
てか、あのガキ頭おかしいだろ
「はい、そうですじゃあ朝になるまではメールで連絡しますね」
「何かすまないな、世話になりっぱなしで」
「いいよ別にそれより早く食べよ、冷めちゃうよ?」
結衣は綺麗に身と骨を分けている、ちなみに今日の夕飯は焼き魚
あの後寮長の計らいで俺と結衣の二人は時間を大幅に遅らせながらも食事が出来た
七海と春菜は既に済んでいたようで帰り際の七海に一撃を貰って皆の連絡先を交換した。
俺が殴られて春菜は笑って、結衣は「大丈夫?」と心配してくれる
七海はずっと怒っていた、てかうるさかった。
後で聞いた話だと七海は「私も探す!」と言ってくれていたらしい
心配だったのかあたりをきょろきょろして食事どころではなかったみたい
嬉しい話だがやつが探しに来たら勝手に迷子になりそうで怖いと思う。
ほぼ初対面の俺にここまでしてくれるとは世の中捨てたものではない
いや、異世界も捨てたものではない。
匍匐前進生活を脱して向かえた翌日の授業は実技無しの普通のものであった
数学、国語、化学、英語、日本史、世界史。
体育の授業は無いのかここには、つまらんな
日本史と世界史に関しては俺の知っている歴史とは大層違うものだった。
関が原で今川が織田を破ったという表記を見たとき俺は考えるのを止める事にした
「日中も連絡しないといけないのか?」
「そうだよ、この放課の間にメールする規則になってるからね」
「ふ~ん・・・ごめんな」
ここまで迷惑かけっぱなしだと凄く申し訳無くなってくる
「別にいいよ、それに学校辞められたらさみしいよ」
「あ、おう・・・」
「絶対辞めたりしたらダメだからね、辞めれないけど」
首を少し傾けながら少し笑ってそう言われた
守りたい、この笑顔。
さて、話は変わるがクラスの中は俺を含め4人全員一緒だ、必然的にやつらはここに寄ってくる
そして無駄に女の勘はするどい
「やーやー転校生、さては惚れたな?」
「え?なんのこと?」
とぼけるけど、目は泳ぎまくっていると思う。
どれだけ嘘が下手なのかと・・・自分にあきれそうになる
「私の目はごまかせないぞ授業中にちらちら見てるからな~私のこと」
「思い上がるなよ?」
「嘘だって、結衣でしょ?分かるよ」
「そんな簡単にバレるかなぁ」
見ているつもりは無かった、悟られる行動をしているつもりは無かった。
「なんとなくね、雰囲気で分かる、頑張れよ転校生」
「まぁ・・・ありがとな」
(あと一押しだぞ、転校生)
そして女の噂の広がり方は凄い、ただしこの場合はごく一部だが
七海からすぐこの話は春菜に伝わった。
そしてそこからは広まらなかった、さすがだ春菜
ここに今【龍哉と結衣をくっ付けるの会】略して【TYK】が完成したのである。
こんな頼りない面々に支えられ俺はどうすればいいのだろうか
まぁなるようになるか。
「という訳で!第一回くっ付けるの会の会議を始めます!」
「そんな大層な物じゃないと思うんですが?」
「確かに、でもさ人選ミスだよな、これ」
「そうですね、私もそう思います」
変な会を七海が勝手に結成し、勝手に人を集め、勝手に話を進める。
こいつの人選にはさっきも言ったように問題がある、それも大きな問題
「これって・・・何するのかな?」
ご本人様も呼んでしまうこのバカのセンスをどうしてくれようか・・・
「これはね!龍哉に想い人が出来たんだよ!」
「えっ!そうなの?」
「おい、ちょっと待てよ?お前なに言ってるんだ?」
「え?じゃあ違うの?」
立ち上がって七海を制すが結衣に聞かれて黙ってしまう
この人にはどうも弱い、なんでだろーね?
「あれ?この質問否定しちゃう?どうなの?転校生?」
「頼むから黙れ、お前が話すとややこしくなる」
こいつには状況が理解出来ていない、いっそ殺してしまおうか?
「でもさ!結衣居た方が話が早いでしょ?」
「確かに早い、だが今求めてるのは早さじゃない、正確さだ」
「それも兼ね備えたつもりなんだけどな~」
「どういう正確さだ?この状況でのお前の思う正確さを教えてくれよ?」
「そりゃあ結衣が居れば気持ちもしっかり伝わるって事!」
「私話がなんとなく理解出来ちゃったんだけど・・・」
「ほら!この迅速かつ正確な伝わり方!」
「ああアあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
こうして俺の淡い何かが崩れ去っていった。
寮での朝は規則正しい。
毎朝決まった時間に鐘がなり皆同じ時間に起きる
「鐘の時間今日早くない?」
「それ毎日言ってるよ、一緒だって」
「曖昧な消灯時間を良い事に寝るのが遅いから悪いんですよ」
「むぅ~」
慣れた光景だが、まだ俺はここに来て3日しか経っていない。
初日から問題を起こし
2日には失踪騒動
3日は・・・学校に行きたくない気分?
「起きろよ転校生~昨日の事は謝るからさ~」
「私も聞かなかった事に・・・するよ」
「転校生?大丈夫?え~と・・・目がやばいよ?」
二人が何か言ってるみたいだが何も気にならない。
この晴れやかな気分はなんだろうか、俺の中で何かが吹っ切れた気がする。
「なぁ今日俺は学校休めるか?」
「え?あ、うん、一応出来るよ・・・」
「そうか、じゃあ俺は行くところがある」
「でも、寮長さんへの連絡が出来ないよ」
基本第三者がしている連絡は俺が単独で行動してしまっては出来ない
当たり前のことだけど、一応許可が取れるか試してみる
ガキの番号を教えてもらい一応部屋を出て電話をかけた。
「朝早くから誰?」
「おい、今日俺を一日自由にしてくれないか?」
「質問に答えろよ、それに人に物を頼む態度じゃないぞ」
「何か年下相手に頼む時敬語とかっておかしくね?」
「年下じゃないんだけどなぁ~」
後から聞いた話だけど、ガキは朝低血圧で元気が無いらしい
これで朝も元気ならここで電話切られて終わりなんだろうなと思う
「学校は休む、今日だけ頼めないか?」
「理由は?」
「失恋だ」
「許可する」
「恩に着る」
ガキが話の分かる人間で良かった。
見た目がアレな以外は普通の人間なんだなと初めて感じた。
「え!許可取れたの!?」
「ああ、だから今日はそっとしておいてくれ」
「ほんとに取れたの?嘘付いてたりしないよね?」
「ならやつに確認してみてくれ」
きっぱりと言い切ると結衣は一応信じてはくれた、微妙な反応してるけど
三人は朝ごはんを食べに食堂へ俺は途中で道を外れてある場所に向かった。
こう言う気分が沈むときは必ずやる事がある
実際は気分が沈んでいなくてもやっているのだが
こっち来てからやってなかったので、存在は敷地の案内で確認していた。
いつか必ず来ようと思っていた、それが今日だ。
持ってきた簡単な食べ物を食し準備を整える
「今日は胸の日だ・・・」
USBを繋いでルームの中に音楽を流せるようになっている
誰も居ないので自分のお気に入りの曲を流すことにした。
気持ちを入れてバーにプレートをセットする
「まずは30で10発・・・」
プレートが落下しないように必ずカラーで止めよう
そして潰れても一人で脱出出来る様にセーフティバーの高さを合わせておく事。
「1,2,3,4,5・・・・・」
ゆっくりと下ろし、バーを胸に付けたらまたゆっくりと上げる。
肩甲骨をしっかり寄せて胸を突き出してトレーニングしよう
そう、皆もお気づきの通り俺は今ベンチプレスをやっている
筋トレをするとアドレナリン等のホルモンが分泌されるのだが
それのお陰かトレーニングをしていると嫌なことを忘れられる。
「次は40で7発・・・」
何かに憑かれたかのように一心不乱にトレーニングをする
俺はインターバルは入れない。
実際インターバルはそれほど重要じゃない
重い重量を上げるなら多少は取っても良いのだが、俺はまだ高重量は扱えない
せいぜい70キロが限度だ。
「50で5発・・・・」
徐々に重量を増やしていく。
メニューとしてここから60を3発やり70を1発
70の調子次第で72.5に挑戦しようと思うのだが今日はあまり集中出来ていない。
ここから60を3発50を5発と逆に落としていった。
このような重量を上げていき、限界が来たら逆に落としていく。
これをピラミッド・セット法という、男性諸君は良く覚えておこう
「やっぱりここに居たか」
「ん?どこだ?」
「いい加減それは飽きる」
君が飽きても俺は楽しい、なんて思ってても言えない。
「まぁいい、何の用だ?」
「失恋したとか言ってたからな、励ましてやろうと思っただけ」
「そんな心にもない事を言いにわざわざここまで来るか?」
「私はそこまで小さい人間じゃないぞ」
「えっ」
「突っ込んだら殺す」
自ら地雷を踏んでいって平静を保とうとしている様が最高に可愛い。
それを強い言葉で隠そうとしているけど全然隠せてないのがなお可愛い。
「じゃあ何の用だ?」
「まだ何も食べてないだろう?」
「食べたと言えば食べた」
「どうせまともなもの食べてないだろ?」
「まぁな」
「なぁ・・・牛丼は好きか?」
牛丼、俺はこの響きにどうしても弱い。
体をでかくするには牛丼という食べ物は最高の食べ物になっているから
たんぱく質、炭水化物、脂質・・・
栄養を欲する俺の体が疼くのが分かる、栄養を寄越せと
筋の奥から湧き出るこの欲望に俺は迷わず飛びついた。
こんなに御託を並べているが一言でまとめると
俺は単純に腹が減った。
凄くお腹空いてる、何か朝のテンションでまともに食わんとこっち来たし
普通に腹減ってるんですよ。
「よし、残りのメニューをこなしたらお言葉に甘えるわ」
「素直でよろしい」
ダンベルフライ、バタフライマシン、インクラインベンチプレス・・・・
色々な刺激を大胸筋に与えて俺は今日のメニューを終えた。
「お疲れ様、ほいこれ飲むんだろ?」
「分かってるね、ありがとさん」
ガキから渡されたプロテインを一気に飲む
最近はプロテインも味が良くなって飲みやすくなった。
「ところでさ、名前は?」
「俺?むしろ知らんかったのか?」
「お前は完全にイメージ先行だよ」
「なんじゃそれ、俺は出雲龍哉、忘れんなよ?」
「絶対忘れるわ」
こいついつか手が出る、俺はいつか我慢できなくなる。
二人で食堂へ向けて並んで歩く、所でこいつ授業は良いのだろうか・・・
「お前、私の名前知ってるか?」
「上野だろ?」
「下は?」
「・・・・・・・知らん」
「だろうな」
呆れるように笑われる、言われてみれば寮長寮長呼ばれてて名前を聞いた事が無い
「私は上野澪華改めてよろしく」
「けったいな名前だな」
「うるせーよ、龍哉も大概だろ」
「澪華に言われたくはないわ」
なんだが男友達と話しているようだった、見た目幼女だけど。
それがなんとなく心地よかったのはトレーニングをしたからだろうか・・・・
まぁどこから異様に書き進められたかは皆さん分かると思います。
割とマニアックなこといい始めるかもしれませんが、まぁそれはそれで・・・
では皆様アウフヴィーダーゼーエン!