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掌編集  作者: しゅうか
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弓VS騎馬隊

お題:弓を武器に騎馬隊と戦う

 新月の夜。星の綺麗な星月夜。

 広大な草原にそよそよと風が吹いていく。その中に少女が一人立っていた。

 その手には弓が握られている。

『なぁ、セエレ。逃げることを俺は進言するぞ。確かに俺は有能だし、お前も決して弱くないがやや無茶が過ぎるというか。

 これはちょっと、荷が勝ちすぎないか』

 弓からそんな声がした。セエレは、後ろを振り返る。

 遠くに村の明かりが見えた。

「駄目だよ、ティズ。私はあの村を見捨てられない。故郷だし。戦えるの、私しかいないし」

 そう言って、セエレは正面を向いた。遠くにいくつもの影が見える。

 上半身が人、下半身が馬の姿をしていて、皆槍を持っていた。ケンタウロスの騎馬隊。それが三十騎ばかりあった。

 彼らは、人間を食料とする。彼らが村に入ったらどうなるか、セエレには容易に想像できた。

「射程に入った。射るよ」

 セエレは弓の弦を引いた。魔力で生成された矢が装填される。

 その矢を騎馬隊の上空へと放った。放たれた矢は、空中で何十にも分裂。そして、騎馬隊へと襲い掛かる。

 セエレは続けざまに三発同じように射った。その矢がケンタウロス達の体を貫く。

射られたケンタウロスは、光となって消えた。それで、騎馬隊の数は半分にまで減らされる。

『問題はこっからだ。気を引き締めていけよ。セエレ!』

「分かってる!」

 ティズが檄を飛ばし、セエレはそれに答えた。

 騎馬隊との距離はもう大分縮まっていた。セエレは、ケンタウロスの槍の間合いに入ろうとしていた。

 十五の穂先が、ほぼ一斉にセエレへと向けられる。

 セエレは軽々とその騎馬隊の頭上へ飛び上がり、それを回避した。

 そして、騎馬隊の頭上で矢を放つ。矢は再び分裂し、三体のケンタウロスを貫いた。

 騎馬隊の後方へと着地したセエレに、正面から槍が襲い掛かる。

 首を狙ったその攻撃を、セエレは左に受け流して回避。同時に、空へと矢を放つ。

 放たれた矢はやはり空中で分裂し、セエレの周囲に居たケンタウロスを三体倒した。

 セエレはそれを確認する事なく、素早く立ち上がり瞬時に状況を確認する。正面に三体、右側に三体、左側に二体居た。

『まずいな、囲まれてるぞ!』

「分かってる!」

 八騎が一斉にセエレに近づいてくる。一度距離を取りたいところだったが、ケンタウロスの方が圧倒的に足が速い。

 走った所で、背後から刺されるのが関の山だろう。

 セエレは素早く真上に矢を放った。矢は分裂し、地面に刺さる。

 その牽制ともいえる一撃に、ケンタウロスの足が少し鈍った。

 セエレは矢が地面に当たるより早く、正面に矢を放つ。放たれた矢は三つに分かれ、三体を消滅させた。

 ケンタウロスが消えるより早く、矢が地面に当たるより早く、セエレは前に向かって走った。

 左右に居たケンタウロス達が向きを変え、セエレを追って走ってくる。セエレは素早く反転し、矢を二発放った。

 放たれた矢は五つに分かれ、全てのケンタウロスを射抜いた。三発目を射ろうとしたセエレは、弦を引く手を緩めた。

 ケンタウロスの騎馬隊は全滅し、草原にはセエレとディトだけが残された。

物書きちゃんねる(現在閉鎖)の戦闘お題に投稿した物。

本当は主人公をもっと無力に、それこそ普通の弓で戦わせたかったのですが、流石に無理ゲー過ぎたので断念しました。

一対多、VS巨大な敵、のような「どうするんだ、これ!」みたいな戦闘が大好きです。

それに知恵や能力で勝つというがいいです。でも、書けません。結局今回もマジック弓にしちゃったしなぁ。

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