表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/23

二、夢うつつ



1993年、秋、

あの夢を見た・・・

もう朝はだいぶ涼しくなってきたはずなのに、私の額には汗がにじんでいた。

私は目を覚ましてからも、しばらく布団の中で夢うつつだった。


私は、篠原(しのはら)裕美(ゆみ)24歳。

一応、18歳で高校を卒業してから銀行に就職。

景気もすごくよかったから、少し親のすねもかじったけど、こうして一人暮らし用のマンションも買ったりして順調だった。

けど・・・


バブル崩壊。

私はこの歳で、一回職を失っていたりする。

その後は、近所の工場の事務に勤めるようになった。

小さな下請けの会社だけど、バブル崩壊の時も生き残った、生命力のあるところだ・・・と思う。


そんな私には今、縁談の話が来ていたりする。

・・・しかも、世間的に言えばかなり幸せな。


相手は、バブル崩壊の時もびくともせず、今の平成不況にも動じない、大手松岡グループの所有する会社の一つ、機械関係の製品を販売する…私の勤める工場の親会社の若社長。

松岡(まつおか)辰郎(たつろう)さん、今年で29歳とのこと。

この年齢で結婚していないのは、決してモテないからではないはず。

顔立ちもなかなかハンサムだと思うし、背も高い。

礼儀正しい人で、仕事もできる。

そして何より、彼は・・・

グループの取締役の一人息子で、後にグループを継ぐことが約束された人。


そんな人が、何故私なんかを・・・。

以前、工場の視察に来られた時に、工場長に頼まれて案内をしただけ。

その時に、一目惚れをした・・・そう言われたけど、簡単に信じられるものじゃなかった。



.

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ