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2.a white Christmas

タイトルの『X'mas』の『'』は必要ないみたいです。知識が足らずすみませんでした。 教えてくださった方、本当ありがとうございますm(__)m

2.a white Christmas




「お腹すいた……」


 彼を案内する気満々で外に出たのに、心の余裕ができると体が次々に不調を訴えだした。


 そういえば、私は朝ごはんを食べていない。


 横にいた彼はくすくすと笑っている。くそぅ、と悔しくなって顔を赤らめてしまった。自然と掴んでいた彼の服の袖も意地で離してしまう。


「何か食べようか?お勧めでもある?」

「お勧め……かぁ」


 記憶をめぐらせ、う〜んとうなる。


「あ、最近できたお店があるんだけどそこに行かない?ファーストフードなんだけど結構おいしいんだよ」

「ホント?じゃあ、そこにしよっか。リウのおなか満たさなきゃ道案内頼めないもんね」


 こいつ、嫌味でも言っているのか。


 私は彼の手をつねってやった。すると彼は『痛い』と声をあげながらもやっぱり笑っていた。


 うん、そんな表情が好きなんだ。





 温かい店内で温かい食事を。


 店の中で会った友達にとても驚かれてしまった。この時期は絶対に家の外へ出たことがなかったので何事かと友達は目の色を変えて私を心配してくれた。


 ずっと待っていた彼が帰ってきてくれたから、嬉しくって外に出られちゃった。


 そう友達に答えれば友達は安堵のため息をしていた。


 この瞬間、友達っていいなと改めて思い、自分は幸せものだなあ、と心が温かくなった。


 笑顔で友達に別れを告げれば、真剣な表情で彼は私に訊く。


「リウ、外に出られなかったの?」


 その質問の答えをすぐに用意できなかった。


 数秒、沈黙が流れる。


 本当のことを言えば彼のせいなのかもしれない。けれど、彼のせいにはできないし、したくもない。


「……うん。この時期はいつも」

「ごめん……俺のせいだね」


 違う。私は急いで否定した。


「あなたのせいじゃない。確かに、いなくなって本当に寂しかった。けれど……あなたのせいではないの」


 けれど、言い訳が思い浮かばず彼の表情を曇らせてしまった。


 もっと勉強していれば上手い言い訳でもうかんだのかなぁ……


「連絡ぐらい、してあげられたらよかったね」

「……もう過去のことはいいわ。今はリズが帰ってきてくれて本当に嬉しいから。もう、それで十分だから、ね?」


 『そっか』そう、彼は呟いたけれど彼の表情は曇ったままだった。


 どうすれば、私の今の喜びを幸せを、伝えられるのだろう。どうすれば。


「リウなら、すぐにいい人見つかるのに……」


 彼は遠い目をしてそう独り言を呟いた。その瞳は彼のものじゃない気がして変な感じだ。そして、その言葉の意味はなんだろう。


 私、あなたしか見えない。


 って言えばくさい、とか言われそうだけど、本当にそうなのに。


「ほら、リウ早く食べないとさめちゃうよ」


 彼にトレーに乗っている昼食を指差され我に返り、私は必死になって昼食を口に運んだ。気がつけば彼はもう食べ終えている。


 また、恥ずかしくって顔を赤くしてしまったかもしれない。


 昔は、そんな恥ずかしいなんて思ったことなかったのに。変なの。


 思えば、本当の恋愛っていうか、そんなものは今が初めてかもしれない。それかな、私を恥ずかしくさせる理由は。







一話があまりにも長いみたいなので、途中で切ってみました。あと半分ぐらいで終わりますので…

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