王女と王様
ジェンマは父から与えられたもを一つも持ってなかった
全て使用人達が奪い使われた
深い眠りから寝覚め起きる
身体の痛みが和らいでるし、布団も柔らかい
寝覚めると見知らぬ部屋、身体も手当てされてる
(必要無い王女の為に無意味な事を)
王女はベッドから抜け出し、部屋から出ると男性が立っていた
(金髪の髪に濃い紫の瞳、誰この人)
「ジェンマ、起きたか、まだ寝てないと」
男がジェンマを抱き上げようとすると手を叩きはらう
「ジェンマって何、てか誰?」
グリオンはジェンマの言葉に驚く
ジェンマは自分の名前や父親の顔を知らない、グリオンの側近達も驚いている
ジェンマは四才だ、それでも
「ジェンマ、それは君の名前だ私は君の父だ」
(陛下、ジェンマって娘の名前なのね)
ジェンマ、メリルは本当にグリオンの顔を知らなかった、ずっと布で隠し見ていなかったから、恐らく声も四年前と違う
父娘の再会にして初対面
「そうですか、しかし今まで放置した娘ですから私の事はどうでもいいでしょう、私の事は気にせずかわまないでください」
娘からの拒絶
「どうでもよくない!君は私の大切な娘だ」
「それで、信じるとでも?お飾り王妃の娘は陛下に関わりませんからご心配なく」
お飾り王妃の娘
王女と言うのに認めない娘
グリオンはメリルを愛している今現在も、しかしメリルを良く思わない者が口にする、グリオンが再婚しないに関わらずだ
それを娘が知り誤解してる。
「誤解だジェンマ、私は母さんしか愛せない、お飾り王妃とは誤解なのだジェンマ!」
しかしジェンマは出て行く
荒れ果てた使用人達の居ない王女宮に帰りジェンマは眠る
「信じない」
オーウェンは護衛として密かに控える
(王女様の誤解をどう解けばいいやら)
オーウェンは深いため息を吐き出す
グリオンは頭を抱える
ジェンマは本当に自分の名前も父の顔も知らなかった、そしてメリルの悪口を知ってそれを疑う事もなかった。
父親を他人のように接して拒絶した娘
「ジェンマ、ジェンマ!」
「陛下、王女様に王家の縛りをお話しになられてはいかがですか?」
宰相が言う
「縛り」
「はい、王女様は恐らく陛下が再婚し、いらない娘と誤解なさってます、それを解くには再婚出来ない証を示すのです」
そう、グリオンは再婚出来ないのだ。
グリオンは荒れ果てた王女宮を見る
こんな所に居れば誤解も招く、全て偽り騙されたのだな
オーウェンが一礼し下がる
「ジェンマ」
返事が無い、しかし起きてる
「王家は代々王妃しか迎えない、そして私は君の母親に一目惚れし彼女しか愛せない、私の父も私が成人して自害した、母親の後を追って、それが王家の血の縛りだ、私も君が成人したら母親の後を追うだろう
ジェンマ、私は再婚出来ないし王妃を迎える気もない、君を孤独にさせた、それは謝罪する、君は次期女王だ、君以外後継者は居ない済まないジェンマ」
ジェンマは見開く
メリルの時知らなかった事実
(王族は一人の人しか愛せない、私に一目惚れ、何よそれ)
ジェンマは蹲る
メリルの時知ってれば、いいえ知っていても同じ結末を辿っていただろう、両親と妹によって
その日の夕方使用人達が来てジェンマの宮の家具や衣類が運ばれて来た、そして何人かの使用人達が来て専属として仕えるようだか、ジェンマは心を開かないし、使用人達も悲しくジェンマを見守るしか出来ない
ジェンマはジェーンとして傭兵部隊に行く
そこで得た情報はルークレイク家は潰された事、陛下は本当に再婚して無い事だった。
夕方帰れば使用人達が心配そうにジェンマを見るが無視する
夜の事、王女宮が火事になり使用人達が慌てる
護衛騎士と使用人がジェンマの部屋に行きジェンマを抱き上げ逃げる
ジェンマは三人を見る
(何故仕えたばっかりでこんなに必死に守るの?)
四人に炎が迫る
待女長の水の恵みでジェンマ、騎士二人を守り近衛のおかげで助かった
「ジェンマ!」
グリオンが駆け寄りジェンマを抱き締める
それからグリオンの寝室に移され手当てを受ける
翌日から王女宮の工事が行われる
グリオンは心配でジェンマから離れようとしないが、ジェンマはグリオンを視界に入れようともしない
治療が終わればジェンマは抜け出し傭兵部隊へと向かう
父や使用人達を愚痴る、それを聞かされていた男達は
「バカか」
その一言だ
「バカなの?」
「あのなジェーン、父親は家の為に働く、これは良い、だが子供を他人に押し付けて会わなかった、しかも食事もされてなく死にかけて、娘が大切だぁ、バカだろう」
王と知らないが、貴族など関係無いのだろうな彼らは親身になって心配してくれる
ジェンマが王宮から抜け出し傭兵部隊の屯所へオーウェンは静かに護衛として付いて行く
ジェンマから聞かされた愚痴、四歳児とは思えぬ愚痴
呆れた者達は陛下をバカと言い放つ
確かにバカだ、王女様が陛下を嫌うのも理解する
そして王女様に仕えた使用人達も愚か過ぎる
(王女様が陛下が再婚したと誤解するも無理は無い)
オーウェンは呆れる
そしてオーウェンが怒るのは牢獄行きになった使用人達だが無能のマルクルスにも怒りを覚える
マルクルスは騎士を辞した事を両親は怒り、家から出された
騎士の家系、王の騎士として命に従う
しかし王女の護衛に命じられ、王女を守れなかった形だけの騎士で恥じた