明日への姿
毎日の仕事、家事にお疲れ様です。
少しでも気晴らしになれば嬉しいです!
(あぁーかったるい)
毎日毎日、仕事仕事。
仕事の休憩中に公園のベンチで
空見て小言を言ってる俺。
「仕事辞めたいなぁ、、、」
午後からまた謝りに行くなんて憂鬱しかない。
ぼんやりしながらコンビニ弁当を食べていると
「ん、、、?なんだあれ、、、⁉︎」
ふと顔を目の前のベンチに向けると
何やら小さい人形?みたいな物が動いている。
目を擦りもう一度良く見てみるが
間違いなく人の形。
「やばい、だいぶ疲れが溜まって幻覚まで見えてきたかも。。。」
そんなを独り言まで出てしまった。
ウソかと思うかもしれない。
でも、間違いない。
人だ!
(、、、ん⁉︎おじさん⁉︎、、、だよな?
まさか小さいおじさん⁉︎)
よく噂に聞く小さいおじさんだ。
実物なんてもちろん見た事がない。
でも、確実にそれはおじさんだった。
スーツを着て、
汗をハンカチで拭いて
誰がどう見てもおじさんサラリーマンだった。
違うとすれば
小さいと言う事。約5センチくらいだろうか。
本当に小さい。
さっきも言ったが噂ではよく聞いた事があった。
ー小さいおじさんを見ると幸せになるー
男性は
その言葉を知っていただけに
こんな運が良い事があるなんて!
午前中の疲れも吹き飛ぶくらいに目を輝かせて
おじさんを見ていた。
おじさんは
自分と向かいあいでベンチにちっちゃく座っている。
カバンから取り出したのはお弁当だった。
そこに一つイラっとした。
それは
愛妻弁当だった。
(いや、嘘だろ?おじさん結婚してんのかよ!)
さっきまで輝いていた目が
少しキリっとなっておじさんを見ていた。
それと共に心の中で悔しがった。
こっちは彼女さえもいないのにと
おじさんに嫉妬してしまった。
すると、おじさんはお弁当を途中で止め
電話をかけ初めた。
頭をペコペコ下げながら電話をしている。
声は聞こえないが
なんだか相手先に謝っているような。
そんな雰囲気だった。
電話が終わると小さな小さなパソコンを広げ
また電話をしている。
(なんだか忙しいな、小さいおじさん。。。)
見ていた俺はお弁当の箸を止めてそう思った。
ー小さいおじさんを見ると幸せになるー
全くそんな感じがしない。
むしろ応援したくなるくらいに
頑張っている姿を目の当たりにしている。
自分を見てるかのように忙しい日々を送っているようにも思えた。
(みんな同じか、、、)
俺は毎日仕事に追われていただけに
こんなに客観的に人の仕事を見る事はなかった。
その時に思った。
自分が見えていない所でも
頑張っている人がたくさんいると言う事。
いつも買うコンビニでレジにいる店員さん。
このコンビニのお弁当もトラックで配送してくれている人がいて、そのお弁当を作っている人もいる。
お弁当の野菜を育てている農家の方や
食品を管理している方もいる。
俺は今の会社に入ってまだそんなに長くはない。
なのに毎日グチを言ってる自分がダサく思った。
(もうちょっと頑張ってみよう。)
心でそう思った。
パソコンを閉じてすぐに立ち上がるおじさん。
すると、どうやらこちらに気付いたようで
目があった。
俺はヤバいと思ったが
小さいおじさんは俺に向かって軽く会釈をした。
俺も慌てた様子で頭を下げた。
(いや、俺は小さいおじさんに何やってんだ。。。)
そう思ったが
同じ働くサラリーマンとして尊敬があったのは
間違いなかった。
そして、やる気も出てきた。
『よし!やるぞ!』
気合と共に
ついつい声を出してしまった。
すると
近くにいたお母さんと子どもがびっくりして
こちらを見た。
目が合ってしまい恥ずかしくなり
その場を立ち去った。
ベンチを立った男性の背中は
さっきとは違かった。
背筋が伸びた誇らしい姿だった。
その姿を小さいおじさんは見ていた。
もしかしたら小さいおじさんは
幸せだけではなく
少しの勇気を与えてくれたのかもしれない。
私も辞めたいと思った時がありました。
そんな時に毎回自分だけではない。と気持ち落ち着かせて
ストレス発散してます!