一章~⑤~
ん~、話がまた停滞はじめました。
書くのは難しいです。
誤字脱字及び今回は話と言うか閑話?みたいなものですんで・・・・。
オークの事件から
たいした事件もなくぶっちゃけ暇だった。
しかも、犬?のせいで・・・。
「微妙に居場所がねぇ」
「・・・むっ。」
辰巳も居場所が無いのか俺と一緒に日課の瞑想をしている。
そんな事を部屋で考えているとキリガのおっさんが入って来た。
「貴一と・・・。辰巳もいるか・・・。お前達旅にでろ」
「はぁ?いきなり訳のわからない事言ってるんだ?俺達はやはり邪魔か?」
「そうではないわ、お前達自分の世界に帰りたくはないのか?旅をすれば見つかるかもしれん」
「ん~、そういう事ね~。自分の世界に帰りたいのは山々なんだがここにいるのもよいかな?とはおもうんだ。ここにいる皆がよくしてくれるから半分忘れていたよ。」
俺は笑いながら言葉を交わした。
「ハハハ、そいつは違う。この世界では、よそ者が村人に金品を奪われて死ぬなんてよくあることさ、だがお前達は悪意がない、なぜだがわからないが人を安心させる」
「それに、キングオークを倒す程の奴がこんな村にいていいはずがない。街に出て見聞を拡げろそして、この国、世界を知れ。」
キリガは何故か、諭すように親父が俺達に話すように話をした。
「ん~。ちと考えさせてくれ。」
「まぁいきなりだからな、よく考えるといい。」
「そうそう。今商人とジプシー達がきている。面白い物もあるから見るといい。」
そういわれて、俺達はこの世界でのことはまだまだ分からないので。取りあえず、キリガにいわれたとおり。建物の外に出てむらの広場に出た。
良く見ると村人達が集まり、人だかりが出来ており。
なんだか音楽までなっている。
俺達は良く見るために。中心へ進んだ。
人だかりの中心では、妙齢の女性達が音楽に合わせて踊っている。
ぶっちゃけ・・・・。
ん~~~~。イイイイ!!スンゴク!!
褐色の肌だがどこか気品をまとっているジプシー達に
俺はもうっ・・・。メロメロだ。
ジプシー達を見た瞬間ズキュンときた。
恋に俺は落ちた。
違う違う・・・・・。
俺は恋に落ちたか・・・。
やがて音楽が終わり、ジプシー達が村人へ声をかけて次回は明日だと告げた。
村人達は、それを聞くと自然と解散していった。
商人に用事がある村人は広場のあちこちで物々交換や品物を買っている。
俺はそれを横目にジプシー達をじっと見つめていた。
片づけをしているシプシーから、いつまでも帰らない俺に話けてきた。
「あら?あなたは?帰らないの?」
「いやっ、お姉さん達の踊り見て感動しちゃって。俺踊り大好きなんで!!」
「本当に?そうなの?」
ジプシーたちはいぶかしむような目で見られた。
「・・・・・。うそです。オネエサンたちがあまりにも綺麗なんでお近づきになれたらいいな~。なんて下心満載でいました。」
素直な心を俺が話すとジプシー達は笑い出した。
素直ナ心?モット素直ナ心ガアルジャネエカ?タトエバ・・・・。
・・・・・悪魔のささやきが聞こえた気が。
イイジャンソンナコトキニスンナ!!
また幻聴が・・・・。
「アハハハハ、おなた面白い子ね。本当に面白いわ、興味がわいたわ。あなたの名前は?」
「俺は貴一だ神塚貴一だ。そこにいるのが弟の辰巳、っていっても双子なんだけどな。」
「私達は、バーエルのジプシーよ。・・・・名前はおいおいとね♪でいい?」
「O~K~desu!!」
その言葉に俺はなんとも言えず。
何かをしたくてたまらず、俺は・・・・。
「っしゃあ!!今日は腕を振るうぜ!!辰巳!!あれ持ってこい。」
「やるのか?」
「おう!!」
「ジプシーの皆さん!!ちと今日はこの後予定がなければ俺の料理をご馳走しよう。」
「いいもの見せてくれた礼です。」
ジプシーは特に予定が無いからと了承してくれた。
俺は持ち前の料理の腕を振るい始めた。
この世界にも麦があり米があった。
米はさすがに日本米とはいかずアジア米見たいな物でありチャーハンには最高のだ。リゾットも捨て難い。
さすがに火はガスとは行かない為、辰巳を使い火を維持して俺は料理し始めた。
その他の食材も、森や畑で取れるものは大体把握してある。
この二ヶ月食材探しにも明け暮れたのがやっと生きてきた感じだ!!
・・・・・。ちなみに。食材探しは俺の趣味だ!!
森での修行なんてざらだったから、食材はその場にあるものを使って作る機会も増えたから。
しらない場所での食材集めは半分生きるためのような気がする。
まぁそんな話は置いといて・・・・。
キリガが騒ぎを聞きつけてきて。辰巳に事の顛末を聞いてきた。
「んで?貴一は何をやるのだ?」
「料理を作る。」
「作れるのか?」
「あいつの腕は半端ではないんです。俺達の世界では一流の料理人にもまけないぐらいなんですよ?」
それを聞くとキリガは目を細めて笑みを作った。
「それは楽しみだ。」
「楽しみにしていて下さい。キリガ殿。私も楽しみですよ」
~~~~3時間後~~~~
俺は思い付く限りの創作料理を作った。
この世界での味付けはこの二ヶ月で覚えた。
まぁもといた世界とそうかわらない。
どちらかというとイタリア料理にちかいか?
それを俺はアレンジし十数品の料理を作った。
キリガのおっさんの家では狭く、全員は入らないので。
ジプシー達の机も借りて外に並べてある。
目の前に並ぶ料理の数々を見てキリガやジプシー達は目を見張っていた。
「凄いな。」
「美味そうね。」
「よしっ!!さあ食ってくれ!!」
「「「いただきます!!」」」
「……………。」
「あれ?」
予想外に誰もしゃべらず黙々と食べている。
カチャカチャと食器の音だけが鳴っている。
「なぁ・・・。辰巳美味いか?」
「むぅ?いつも通りだな。美味い。」
「…………。誰もうんともすんとも言わないんだが、口に合わなかったのか?」
もしかして、こちらの料理ではまずいのか?そんな事を考えながら俺はキリガたちに質問した。
「なぁ、キリガのおっさん、美味いか?ジプシーさんたちはどうだい?」
「んん?おおっ、悪いなあまりにも美味いんで言葉に困ったよ」
とキリガのおっさんは言いにくそうに話し出した。
ジプシーも徐々に話しはじめた。
「いやっ・・・。おいしいのだけれど、どう言葉にだしたらいいのかわからなくて。」
「そうなの?よかったまずかったのかと思ってびっくりしたよ」
「「「それはない」わ」」」
食事をしている皆から一斉に声が上がった。
「そっかよかった。」
その言葉を聞けて俺は心底ほっとした。
ガチでほっとしたよぉ・・・。
しかしおれは楽しく食べ、おいしそうに食べるみんなを見て俺は自然と笑った 。
やはり、皆が食べてくれるのはとても良い感じだ。
ジプシー達はそれをみて顔を赤らめていたが俺は気がつかなかった。
それを知っていれば口説いたんだが・・・。
「私達は様々な所に旅をしているけど、こんなにもおいしいのははじめてだわ。一流料理店にも入った事もあるけどこの料理はそれ以上だわ。」
ジプシーは料理を口に運びながら話をしてきた。
「うれしいねぇ。マジでうれしい。その言葉だけでも作った甲斐があるねぇ。」
ジプシーの中の一人がふと気になったらしく辰巳に話しかけていた。
「辰巳は兄弟なんでしょ?いつもこんな料理食べているの?」
「むっ?そうですな。基本はこのように凝った物を作るのはあんまりないが貴一が作るのはまずいと思った事はない」
「へ~いいわねぇ。おいしいのばかり食べれるのは羨ましいわぁ。」
そんな事を話しながら食事も終わりかけの時に俺は取っておきのものをだした。
俺様渾身のデザートだ!!
「果物のパイだ。今日のは自信作だよ~ん。」
「・・・・何これ?」
「ん?パイっていって小麦粉の生地の中に果物を煮詰めたものが入ってるんだ。」
「ものは試しですから、食べてみて?」
ジプシーとキリガははじめてみる食べ物に恐る恐るだが、先ほどの食事のせいかあんまり警戒せずに食べてくれたみたいだ。
「………。すごいすごい」
「美味しい!なにこれ!!」
ジプシー達は甘いお菓子をすごく気に入ってくれたらしく。口々においしいと言ってくれている。
こちらの世界では砂糖は珍しいらしいので。作るのに苦労した。
しかし、そこは異世界・・・。
木からシロップが染み出しやがった。
いつも通りに辰巳と稽古をしているとき何気なく、気になった木を傷つけてみると、甘い匂いがしたんでそれをなめてみると・・・。
メッチャ甘かった。
砂糖カエデ?とも思ったが、違うようだ。
それを原料にシロップや砂糖を作り、今回のデザートに使用したんだ。
「もっとないの?」
はやくもパイを平らげたジプシーの一人から催促がきた。
「ん~~~、ない!!」
「え~~。」
不満の声が上がったが材料が足りなかったので、おかわりは無いのだ・・・。
「・・・だけど。クッキーならあるよ?」
「くっきー?」
「うん、俺の国での簡単な焼き菓子だよ。」
「食べてみる?」
「うん!!」
パイの生地が余ったんでちとアレンジしてクッキーまがいのものを俺は作っておいたんだ。
「・・・・これもおいしい。」
クッキーもジプシーのお気に入りになったようだ。
そんなこんなんで気がつくと夜も更けていた。
ジプシーの一人が空を見上げて星空と月を見て・・・。
「もうこんな夜ね、貴一今日はありがとね、とてもおいしかったわ。辰巳もありがとう。」
「お礼に、神の加護を・・・。」
そういうとジプシー達は昼間とは違う幻想的な踊りを始めた。
俺はそれを見て感動して泣いた。辰巳も声を殺して泣いていた。
それは本当に言葉に出来ないぐらいすごいものだった。こっちの世界にきて色々あって、
この村の人たちは本当にいい人で、色々してくれて口では大丈夫、心でも大丈夫だと思っていたが。
魂では負担があった。魂は大丈夫ではなかった。心の奥底の本当の芯といえる部分で俺達は疲れていたのかもしれない。
異世界と言う恐怖があり自然と俺達は疲れていんだということに、
いまここでシプシー達に気がつかされた。
その後のとは良く覚えていない。ジプシー達が涙で汚れた俺達の顔を拭いてくれた事はなんとなく覚えているが、気がつくと部屋で寝ていた。
辰巳もなんとなく起きていると感じ話しかけた。
「・・・・・辰巳、旅にでるか。」
「・・・そうだな。」
「直ぐとは言わないが、ここの村人にお礼をしてからだ。返したくても返せないくらいの恩があるが、俺は出来る限りのお礼がしたい。」
「・・・・そうだな。」
そういって俺達は旅にでる事に決めた。
つっても恩返しをしてからだが・・・・。