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双鬼伝  作者: 紅蓮藍花
8/9

一章~④~

最近思う。

なんとなくだが、力を解放したいと思っていた。

ストレスがたまっていた?

そんなもんじゃない。

なぜかこの世界に来て力が有り余っている。

本当に何故だか分からないが。


そして、その力を使えるときがきた。



「人鎖顕現・・・・開放・・・・」



それと同時に硬質的な音がなる。


俺の内に意識を向けてその中にある。鎖の一本をちぎるイメージをする。


その瞬間俺の中から風が吹くそれはまだ優しい風だ。

そして俺はその風を目の前のオークにぶつけた。


「あ~あ、久々に解放したから加減がわからねぇなぁ。加減がわからねぇから全力で行くぞ?あーゆーOK?」


「ホザケ!!ニンゲンガ!!!」


「そうか・・・。O.Kだな?」


その瞬間俺は人間と言う楔から解き放たれた。

刀を俺は握りなおし。目の前のオーク共に切りかかる。

さっきとは違い、手ごたえが無く切れる。

その感触に俺は背筋がゾクゾクする。

また、その感触に俺は酔いしれ、オークを細切りにしていた。


俺は目の前にいるオーク共を、ただただ、蹂躙しつくし捻り潰した。

そのまま、十数度同じ事を繰り返した。


何度も繰り返すうちに俺は冷静さを取り戻していた。


血溜まりの中に立っていて、体中は返り血にまみれ赤黒くなっていた。

息は切れていない。


このまま何も面白くも無く終わるかと思いきや、目の前に一際大きい四本牙のオークがいた。


普通のオークの倍はあるかと思う体格は近くで見ると圧巻ですらある。


「大きいが・・・。的はその分でかい。いい感じだ。お前は直ぐにやられるなよ?」


おれは予想外の敵に心躍っていた、現実世界では力の解放なんてできなかったがここではできる。


まだまだこのような敵がいるのならこの世界はいい感じだ!すごくイイ!


それを考えただけでも頭がいっちまいそうになる。


冷静だった頭がまた、たぎってくる。


しかし、実際にはたぎらなかった。

このオークも体がでかいだけで、てんで話にならない。張りぼてだ。


そんな事を考えている内にめんどくさくなり。

俺は一気に片をつけることにした。



「「神想貴伝流」」

「「奥伝 壱式 鬼泣き」」


キキキキキと鬼が泣く様な不気味な音が広がった


その瞬間、目の前のオークは首から上を残し存在が消えた


オークはまだ息がある。


「お前は人か?人なのか?」

他の個体よりも言葉が流暢だ。

「はぁ?当たり前だろうが、やはりおまえら知能が低すぎだ。」

「ただの人が俺を殺すなどあるのか?」

「あるからお前は死ぬんだろ?そうそう聞きたい事がひとつお前以外にこの周辺に魔物はいるかい?」

「まぁ良いわ、俺もしぬまえにいろいろと楽しめた。この近くに魔物はおらん。俺達オークが来た時にはな、俺達以上のはいないが、、、」


そう言うとオークは事切れた。



「キャーキャー」


黄色い声が聞こえてきた。


「ん?ん?」


その声をさがして廻りを見渡すと金髪のまさにおねえさんみたいな人が犬?に襲われていた。


犬と言うのか?見た目だけはだが。近くにくると本当にでかい!!


足だけでも俺の背丈ぐらいあるが・・・・。


金髪のおねえさんを守ろうとして。犬との間に入った。


瞬間、・・べちゃり・・と俺は舐められた。


「クサッ。」


俺はあとさずりしたが犬は?追いつき俺を押さえ付けて舐めまわしはじめた。

尻尾はちぎれんばかりにふっている。


そんな事をしていると

辰巳がゆっくりと近づいてきた。


「何をやっているんだ?」


「しらねぇ!!いきなしだ!!いいから助けろ!!つ~か犬どけ!!」


そういうと犬はどいた。


「おっ?」


犬は素直に俺からどいた。


そのあと俺はお姉さんが気になって俺はお姉さんのところへ行った。


おねえさんは、近づくと俺が近づくと


「寄らないで!!」


さすがに俺の格好を見て、後さずりをしていた。


「ん~。辰巳いいか?」

・・・たしかになぁ。俺はひどい格好してるわ。血まみれだもんよ。

「・・・むっ」


「何なのあなた達は?」


「私達は、ダンドノ村から来たものだ。怪しいものではない。悲鳴が聞こえたから。こちらへ赴いた。」

「怪我はないか?」

仏頂面で辰巳は聞いていた。

「はっ・・・。はい!!」

おねえさんは顔を赤らめて返事をしていた。

「・・・・あっ」

立った!!フラグがたったよ?辰巳!!

「そうか、良かった。」

そういうと辰巳は笑顔を見せた。

さらにおねえさんの顔はトマトよりも赤くなっていた。


こういうとき辰巳はフラグを立てる。相手の性別関係なくだ。

仏頂面で愛想も無いが、人と話すときたまにごく稀にだが笑顔を見せる。そんなとき、女は一度で恋に落ちる。


そんな辰巳を横目に俺は犬に向かい合って見ていた。

体毛は黒か・・・。

んで瞳は赤か・・。

・・・・オスか。


辰巳とおねえさんは色々と話しているが自分には関係の無い話なんで俺はろくに聞いていなかった。


「まぁ目的も果たしたし、念のためオークの頭を持って村に帰ろうかねぇ」


そう思い、犬?を置いてその場を立ち去ろうとした。


「じゃあな!!犬!!・・・・・犬?でいいのか解らんが。」

振り返りオークの頭を探しに行こうとした瞬間


バクッ


「ん?」


気がつくと俺は衿元を噛まれ中に浮いていた。


「おわっ!何しやがる!離せ!!」


ドサッ


素直に犬は俺のことを話していた。


「・・・・痛てぇ。」



振り向くと俺の頭の中には某ゲームのワンシーンが描き出されていた。

こんな感じだ。


犬?は仲間になりたそうにしている。

YES

OR

NO


犬?が俺を見つめている。


しらんぷりして俺は辰巳に話かけた。


「縄かなんかあるか?」


「ないな、そこの植物の蔦で縛れば問題なかろう。」


「ん、了解。」


ブチブチと蔦を剥がし、オークの頭を縛っていき、十数頭を結ぶと結構な量になる。


「おもっ・・・。」


持って。行くとまた・・・。


ガブリ


その瞬間また浮遊感があり、俺はまた空中にいた。


「おわっ!なんだよお前は」


「懐いているみたいだな。」


「はあ?懐かれても困るわ」


「このままではらちがあかないぞ?」


「しょうがない一旦、村までこいつをつれていくか、、こいつがどんな奴かもわからんからなぁ」


そういうと横から声が聞こえてきた。


「ちょっと待って!!」

「まだいたの?おねえさん?はやく家に帰った方がいいよ?魔物もここら辺はいなくなったから・・・。」

「・・・・いやっ、おねえさんではないな。お前男か?」


「なっ!!なぜわかったの、、、?」


「ん?骨格かな?骨盤が男だからな」


「それにしても、綺麗なへんそうだあね。普通はわからんね。」


「そう、あなたいいわすごくいいわあなた私の物になりなさい!!」


「「………。」」


ごすっ!!

俺は刀の鞘でおねえさん・・・。いやっ・・・。お兄さんか・・・・。

の後頭部をやさしく?叩いた。

「かふっ」

空気が漏れるような音をおにいさんは発して気を失った。


「んん!!よし行くか!!死人に口なし変態に容赦なし!!」


「、、、ぬぅ。」


「おい!!一度しか言わないからな!!言葉がわかるなら。犬?俺達を背中に乗せられるか?」


「ばうっ」


と鳴くと伏せの格好になった。


「よし。いけっ」


犬?はすごい勢いで走り出した。

おにいさんを置いて、、、、


いきなりこんな犬?が村に来てもびっくりするだけだと思い。森の入り口で待たせることにした。


村の入口の外には村長達が待っていた。

みんな武装している。男ばかりだ。


「おっさんオークってこいつらでいいのか?」

蔓で縛ったオークの頭を俺はキリガのおっさんの前に置いた。


キリガは目を見開いた


「キングオークまでどうやって倒したんだ?」


「いやっ、普通に刀って言うか剣でスバッと」

キリガのおっさんには珍しく声を荒げていた。

「オークはまだいい、村人でも一匹ぐらいならなんとかなる。それでも一匹だ!!ましてやキングオークなんて熟練した傭兵でも騎士でも1小隊は必要だ。」


「ん~。まぁ倒せたからあんまし気にすんな!!キングオークだっけ?そいつもここらには魔物はもういないと言っていたし、しばらくは安心だ。」


「人語を理解する固体だったのか?」


「ん?おおっ。普通にしゃべってたぜ?」


「長命個体だったのか?」


そんな話をしていると森から犬?が寂しくなったのかこちらに駆けてきた。


「「「ブラックドックだ!!!」」」


「「急いで門を閉じろ!!」」


「えっ?えっ?」

俺は村人が騒いでいるのが、訳がわからなかった・・・・。


村人が騒いで門を閉じようとする間に犬?は俺に追いすがり


一声吼えた。


「バウッ!!」

その瞬間

べちゃりと俺の事をなめ回す犬?


「「「ブラックドックが犬みたいに尻尾をふっている?」」」


「「「魔物が懐いている?」」」

それをみたキリガのおっさんは大きな声で笑い始めた。

「ガハハハ」

「おまえらは面白い実に面白い。そこのブラックドックも村に入れてやれ」

「「「村長!!!魔物ですよ!!」」」

村人達は悲痛な声を乗せてしゃべっていた。

「危害は加えそうに無いわ」


「いいのか?」


「よいよい」


後から知ったが

犬はブラックドックと言う魔物らしい。

普段は群れで行動するらしが、、、って事は犬より狼にちかいのか?


犬?は何故か俺には懐いている。辰巳が触ろうとすると


「ウウウウッ」


と歯を剥き出しにはしないながらも唸った。



初めは誰も近寄らなかったが、、

子供達は好奇心に負けたらしく、

徐々に犬?に近づいていき、俺が気づいたときには背中に乗ったりと思い思いに遊んでいた。

犬もそれが嬉しいらしく、いつも一緒に遊んでいたが。

されるがままみたいな感じは否めないが・・・・。


畑に魔物がでたときに真っ先に犬?が追い払った。

俺達が魔物を察知する前に犬?は赴き追い払っていた。

また、畑を開墾する時には、切り株や岩などを掘り起こし手伝いも自分で行っていた。


そんなこんなで・・・。

村人からも徐々にではあるが、慣れていき、一ヶ月も過ぎるころには村の一員になるぐらいだった。



異世界人でよそ者の俺達よりも気に入られていた。

「微妙に居場所ねぇ・・・・。」

「・・・・おぅ。」


俺と辰巳は森の入り口で軽く欝になりかけていた。



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