一章~③~
その日は寝起きから首筋がチリチリしていた。
そんな日はいつも何かが起こるような気がする。
俺達が朝起きてきた時には村が騒然としていた。
キリガのおっさん達は険しい顔をしていた。
「どうしたんだ?キリガのおっさん。」
「・・・。貴一か?」
「・・・・・魔物がでた。」
「・・・・は?魔物?」
「・・・・そうじゃ。ここのところいなかったんだがのぅ。」
「・・・で?どうなっているんだ?」
「村人が2人死んだ、村の若い衆だ。街まで出稼ぎに出ているはずの若者だ。」
キリガのおっさんは涙は見せていないが。心では涙を流しているのが俺達には痛いほどわかった。
「・・・・そうか。キリガのおっさん。魔物はどんなやつだ?」
「オークと呼ばれる。魔物じゃ、人間並みに知能が高く群れで行動するんじゃ。」
「ふ~~ん、そうかそうか、辰巳行くぞ。」
「・・・・おぅ。」
そう言うと俺達は、刀を持って森の方へ歩こうとするとキリガのおっさんが不思議そうに聞いてきた。
「行くって何処に行くんじゃ?」
「決まってるだろう?オーク退治♪だよ。」
「パパッと片付けてくるからよ~。ちょっくら待っててくれよなキリガのおっさん。」
「貴一よ、一つ聞くが、オークの居場所は分かるのか?姿は分かるのか?」
「なんとかなるだろう?なぁ辰巳?」
「・・・大丈夫だ。キリガ殿。」
「まっそういうことだから。安心してまってな。」
そう言うと俺達は、森へ駆け出した。
後ろでキリガのおっさんが何か騒いでいるがウザイので気にしないでおく・・・・。
「・・・・・辰巳。」
「・・・・了解した。」
森へ入った瞬間、辰巳と俺は気配を探り始めた。
そうそういい忘れたことが一つ。
神想貴伝流は呪術的な意味合いも持つ流派である。
呪術といっても神道に通じるものであるが。気配の察知など「万物の気」を使った技などがある。
俺達が行っているのもそれの一つで。万物の気を読み気脈を読み気配を探る。
しかし、この技も万能ではなく新しい土地などでは使えないのが、難点である。
だって・・・・。いきなり知らない土地で何かしろって言う方が無理だろう?
簡単に言うと気脈を読むのが難しい。万物の気は何処へいっても似通っているから、周囲1kmくらいだったら万物の気で読めるが、それ以上となると気脈を使わないと読めないなんだなこれが・・・。
と言うことで俺と辰巳は気配を探り始た。
そうすると10kmほど離れたところだろうか?何か妙な気の集団がいるような感じがする。
普通の獣ではない気配だ。
「辰巳!!」
「おう!!」
辰巳も同じく感じたらしく、俺達はそこへ目指して走り出した。
5分ほど走っただろうか?
その集団は見えてきた。
「辰巳・・・。アレかな?」
「高確率でそうだろぅ。」
見た感じ、猪と熊と豚を足しで2で割って二足歩行にした感じの生き物の集団が何かをしゃべりながら歩いていた。
ちなみにアーマーみたいな皮のよろいに石斧を持ちながら歩いていた。
「・・・ニンゲンメ、マタフエテオッタ。」
「フエルトヤッカイダカラ、アノムラモヤキハラッテ、オレラノムラニスルカ。」
「ガハハハハ、ソレハイイナ」
そんな知能がおっそろしく低いお話をしていた。雑魚戦闘員みたいな会話だよ・・・。
「辰巳、そろそろいくか?」
「むっ・・・。」
この集団以外の集団はいなさそうで、ちゃっちゃと片をつけるために
俺達は刀を抜きオークへ後ろから切りかかった。
「先手必勝!!!」
・・・が。普通だったら。
アニメとかだったら、ここでかっこよくスバッと切れそうなんだが・・・。
切りかかった瞬間、ガキンと硬質的な音がして、俺達の刀はオークの皮膚でとまっていた。
「・・・・まじかよ。」
切りにくい事はあっても切れないことは無いと思っていたんだが・・・。
それはものすごーく、あま~~~~~~~い考えだったようだ。
考えてみれば、ここは異世界なんだよな~。
んでも、ピグムという猪と豚の中間みたいな野生動物は切れたんだがなぁ。
そんなことを考えながら、俺達は刀を構えなおした。
そのとき初めてオーク共は俺達に気がついたようだ。
「ン?ナンジャオマエラハ?ニンゲンゴトキガフクシュウカ?」
オークはニヤニヤしながら俺達の方をみていた。
その顔?面?を見た瞬間、俺の中で何かがチロリと燃えた。
ん~。ムカツイタナァマジデ。
「辰巳~~。ちと、今回はめんどくさそうだから。一気に片付けていい?」
「・・・むっ。了解した。」
そういうと辰巳は俺から離れていった。
俺の考えていることが分かったらしく、直ぐに行動してくれた。
さっすがは、双子の~辰巳~♪
お互いの考えているのがわかっるて言うのはこういう時はすばらしいと思っちゃうよ。
「さてっと、めんどくさいから5分で終わらすぞ?」
「ハハハ!!ナニカワメイテイルゾニンゲンノオスガ!!」
「人鎖顕現・・・・開放・・・・」
その瞬間目の前にいたオークの一匹は血煙となって消えた。
戦闘シーンは難しいです。
書いてみたのはいいのですが、話が始まらないですw
次回は改めて戦闘シーンきっと!!!
誤字脱字カモーンです。