前へ目次 次へ 24/32 (二)-20 先輩が運転する車は、別の街にある大通りの雑居ビルに近づいていた。 その手前で、車を歩道側に寄せて一時停車した。 「どうしたんですか。事務所、目の前ですよ」 「見ろ、あの車」 先輩が指さした先には一台の黒塗りの車が止まっていた。 「あれ、覆面だ」 「こんなところにも?!」 「まずいな。他の事務所も張られているだろう」 福島先輩はそう言って車を発進させた。 いずれにせよ事務所に身を隠すのはこれでダメになった。 (つづく)