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八話
正面の大鳥居を挟んで右手側には交番とその奥に上へと通じている暗い石畳の裏参道がある。狭く急な坂道は小さな橋の下をくぐり地元の墓地の上を巻いて上へと通じている。
本土側の景観は抜群だが崖側に面しているので安全ではない。普段は島の商用の自動車だけが裏参道への進入を許可されているが他は島の入り口の大鳥居の手前で乗り入れが禁止されている。
左側の表参道は堤燈の灯りで明るく足元の心配は無いが混雑している事に変わりはない。
この時間になると上りの参拝客よりも参拝帰りの人の方が多くなっている。何れにしても混雑のピークはかなり前に過ぎている。
最初の長い急な石段を上り、踊り場の角を右に曲がり石段を上り次の踊り場の角を左に曲がり石段を上り、息が上がる手前で平らな道に出る。右手には辺津宮の境内がある。
其処を後に平坦な石畳の道を数十メートル先に進むと正面にまた先程よりは短い石段がある。その石段を上り小さな踊り場の角を右に折れて上り終えると中津宮の境内に出る。