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【完結】江ノ島ものがたり(6608文字)  作者: みかづきみらい


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十三話

 頂上に辿り着くと、公園の外灯に照らされた気の早い五六人の若い男達が各々酒瓶や紙コップを片手に楽しそうに酒宴を広げていた。


 彼等が持ち込んだ携帯用のコンロのガスバーナーが激しい音を上げ公園の静寂を切り裂いている。腰掛けているベンチの下では野良猫達が食べ物を催促し待機していた。


 近くの大きな空き地は黒々とした闇に閉ざされ不気味さを漂わせている。人影の無い植物園は不思議な静けさを湛え、展望台のあるタワーの上からはサーチライトの光が周辺の海を照らし、時折灯台のサイレン音が聞こえる。


 新年が近づき、住職のいない本堂には献身的な信者と神社の参拝帰りの客達が集まり、冷たい板の間の上で震えている。


 午前零時、本堂に鈴の音が響くと僧侶の露地偈の唱が聞こえ、開運元旦大護摩供が厳かに始まる。護摩壇の上で鐘の音が静寂を破り前賛の合唱が緩やかなリズムで始まる。


 護摩の炎が本堂の寒さを和らげ参拝者に慈悲の温もりを与えているが、護摩壇の上の灼熱地獄に変わりは無い。お経が終わり太鼓の音と共に不動真言の大合唱が始まり、大護摩供のクライマックスとなる。


 住職の弟子達がお加持の為、正座している参拝者の背後に回り錫杖を振る。錫杖の先にある輪から金属音が絶え間なく鳴り、不動真言と太鼓の音に混ざり、新年の賑やかさに華を添える。


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