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Notitle癖  作者: 碧郎
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No title2022/01/19死して光合成

 アスパラガスは、日光から隠して育てるとホワイトアスパラガスになるらしい。白くのっぺりとしていて、そして当然ながら血色はない。人間じゃなく植物だからだ。


 私は、少し前に道端で掌サイズの人型生物を拾った。拾わなきや死んでしまうような命だった。

 彼は土のべッドで寝て、水によって身体が成長し、指の股から花が咲く。彼の足は腐った腸のようで、到底私から逃げはしなさそうだった。


 だからやはり、私が悪かったのだろうか。

 私は水浸しになった机を前に杲然とする。机に乗せた箱の中には彼が倒れていた。

 逃げ出しはしないだろうと思いながら、私は彼を箱の中に閉じ込めていた。

 いくら待っても彼が息を吹き返すことはなく、静寂の中、私は小さな命の消滅を悟る。


 やはり、彼は人間じゃなかったのだ。

 かと言って植物でもなかった。それでもきっと、人間や植物と同じように生きていく為に日光が必要だった。彼の肌がホワイトアスパラガスのように白いのは私のせいだった。


 生け花にしよう。思い立ち、私は彼の死体を瓶に飾った。まだ生きていて欲しかった。身勝手ながら縋っていた。


 人が愛の心によって花に水をやり、好きの心で花を摘んでしまうというのなら、私は悲願をもって花を生けよう。


 後日、窓辺に生けておいた彼の死体は、あっさりアスパラガスのような緑色になっていて、そのくせ生き返ってはくれなかったものだから、私はあっさり絶望して、泣いた。

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