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Notitle癖  作者: 碧郎
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No title2022/02/25あなた侵略系!

「俺、今夜月から迎えが来るんだ」

「兄はかぐや姫ですか?」


 大喜利かと思えばどうやら事実らしい。

 私は混乱した。今日は中秋の名月でもなく、言わせて貰えば日食だ。月光のお迎えは到底期待できない。


「日食だからだ。地球人が太陽を観測できないうちに仲間と一緒に太陽を侵略しに行くんだ」

「無理だと思いますよ」


 この兄にも冗談を言うのだなと驚きながら、月に帰るなどと宣う兄を私は優しく寝かしつけた。

 大体何だ、月に帰るって。兄はてっきり地球産だと思っていたのに、ひょっとして妹である私も実は月生まれだったりするのだろうか?


 そうして目覚めた朝、兄はいなかった。

 テープルの上に太陽と戦争して来るという書き置きがあって、平和主義者の私は速やかにキレる。


 月日は流れる。

 1日、1ヶ月、1年経っても兄は帰ってこなかった。

 10年経って、50年経って、私が80歳になった時、兄は漸くしれっとした顔で帰ってくる。帰路の途中で宇宙船が壊れ、宇宙パワーで時の狭間をさまよっていたらしい。


「お前がまだ生きてて良かった」


 兄は安堵するが、私はもう先が長くない。何故もっと早く帰って来なかったんだと怒嗚りたいのに、溢れるのは涙ばかりだ。


「あ、太陽に勝って王位を貰ったんだ」


 勝ったのかよ。

 お姫様になれるぞ、と兄は言う。


「私がかぐや姫ですか」


 迎えに来たと兄が笑った。

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