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Notitle癖  作者: 碧郎
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No title2022/02/16アポロ11号、食べたのに

 昔住んでいた町を10年振りに訪れた。影踏みした通学路、チョコレート菓子を食べた駄菓子屋、探検した裏路地。記憶を辿り、私は小学2年生の時に虫取りをした森を目指す。


 神社の階段でよくグリコをして遊んでいた。

 暗号は、グー・チョキ・チョキ・パー。それに乗っ取り、私は階段を21段上ると直ぐ近くの林に入る。

 入って暫く行くと大きな岩があり、よくよく見れば岩の側面には地図が彫られている。私が10年前に彫った宝の地図だった。

 流石に読めはしないので、頭をひねり2時の方向へ6歩、記憶を探りつつ杉の樹を撫でて進む。


 気の所為だろうか、時により変わってしまった故郷に余所余所しさを感じる。目線が違うだけで、1人で来ただけでこの森はこんなにも違うのだろうか。


 漸く辿り着いたそこは森の中でも拓けた場所だった。雨に晒され、草に覆われ、それは幼少の頃に比べると随分と色褪せていた。ここは私達の秘密基地だった。


 2人で影を追って階段を登り、2人きりで隠れんぼをして、虫を取る。探検する。2人きりの秘密基地でチョコを食べる。

 秘密基地だった地面を私は1人で掘り返す。かつて兄と2人で埋めたタイムカプセルを掘り返す。

 兄は1年前自殺した。何か手がかりがないかと、その為だけに私はここまでやって来た。


 期待に反して、タイムカプセルの中身は陳腐なものだった。

 ロケット計画だった。

 そういえば、兄の夢は宇宙飛行士だったと忘れていた自分に私は暫くの間呆然とした。

 私には兄が死んだ理由が分からない。覚えていない。あんなに遊んだのに。兄だったのに分からない。


 宇宙飛行士になれない兄は、今や夜空の星になっている。空は高くて、まだ星が見えない。

ア○ロ(お菓子)はグ○コの会社じゃなくてメ○ジでした。


私の地域でグリコのルールは、ジャンケンをしてグーで勝ったら「グリコ(3文字)」→階段を3段のぼる

チョキ「チョコレート(6文字)」6段のぼる

パー「パイナップル(6文字)」6段のぼる

でした。

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