No title2022/02/12関係性ダイエット
「是非とも、関係のダイエットをお願いしたいのです」
神妙な顔で言うと兄はにわかに顔を顰めた。突然何を言い出すんだと副音声が聞こえてきたので、私は即座に訳を説明する。
というのも私達の関係は肥えすぎているのだ。ここに私たちの歴史を記した本がある。それを見れば分かるが、全く不健全なことに私達はある時には愛を、憎悪を、またある時には呪いを相手にかけ、私達の間には糸があり、鎖があり、贖罪や執着で結ばれているようだった。かなりカオスでジャンクな関係性を持っている。
その関係1つ1つが高カロリーなのもまた問題なのである。消化に悪く、食べても食べても関係は肥えるばかり。このままでは関係がバグって吐瀉という名の精算を行い、私達は兄妹ですらなくなるかもしれない。
関係のキャパオーバー、実に危険だ。
具体的にどんなダイエットをするかといえば、関係を過酷な状態に置いて引き締める、言わば筋トレだ。
どちらかを殺したり、憎ませ合ったりすることで、関係はより強固且つ、複雑に絡み合い······うん?
「更に肥えそうですね」
「そうだな」
「でも取り敢えずやってみましょうよ」
「言う前に刺身包丁で刺すな」
後日、関係が吐瀉って兄と他人になったので、無理やり同じ墓で眠る程度の関係性を築いた。どのように戻したかは敢えて言わないでおく。
関係性ダイエットがプロポーズの前フリだと知らない兄は、今日も私を台所と魚から隔離する。
余談ですが、この話のタイトルが「notitle癖」なのは私が創作に使ってるメモアプリのデフォルトタイトルが「notitle」だからです。
デフォルトタイトルに、後から制作日やら正タイトルを加えたものを、そのまま各話のサブタイトルにコピペしてます。




