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Notitle癖  作者: 碧郎
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2021/12/11嫌いも嫌いも鬼は内

 人間誰しも嫌いな人を持つ。私にとってそれは兄だった。


 兄が嫌いだ。家で2人きりでいる時の兄は好きだけど、家の外で私以外を優先する兄が嫌いだ。私も隣にいるのに、何故私をいないかのように振る舞うのか!

 そう思って私は外で兄といるのをやめる。兄の友達は私を気遣ってくれたけど、いいのだ。家に帰ったら散々罵倒してやると、もう開き直っていた。


 だがしかし、いざ家に帰ってみるとそうはいかない。私だけを見て、私だけに会話する。家での兄は私の好きな兄に戻っていた。

 とうとう私は家の兄を詰ることなんて出来なくなる。きっと兄は確信犯だ。兄は頭がいい。こうなれば私が何も出来ないと知って、家での兄を人質にとっているのだ。外の兄はなんて悪い奴なんだろう。

 翌日家を出たところで「明日は一緒に昼飯食べるだろ」と促され、私は犯人の脅しに慎重に頷く。


 暫く私は外の兄に命じられて日々を過ごした。

 買い物を何処で済ますのかすら指定され、外での行動を逐一監視されていた。今や習慣化してきたそんな日々も、しかし全て今日で終わる。家の兄が外の兄を殺し、人質が生還したからだ!

 いやはや、自力で犯人の元から脱出する、これほど強かな被害者がいるだろうか! 私は兄に抱きつく。


「え? えぇ勿論、これからは家で兄と過ごしますよ。家の兄は、外に出られないわけですし!」


 大学を卒業したタイミングで丁度良かった。

 買い物袋を下げたまま言えば、兄は自身の最高傑作を見つめるような眼差しで、笑った。

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