養子とお人好し
俺は質問をした
「ねえ、シリア兄さん。エンケイってどんなところ?」
「エンケイは、いや正しくはエンケイ帝国かなこの世界で唯一奴隷制度を廃止していない国かな。だから彼女のような被害が多い国でもある。クリアは5歳でその頭だからわかるか。」
「大体はわかったけどどうしてリリーがエンケイから来たってわかったんだ?」
「そんなの彼女と来た後でこの話をするってことはそういうことでしょ。ほらそろそろつくよ。」
家に帰ってきた俺らは布団を出してリリーを寝かした。俺は手を洗って冷蔵庫(作った)の中身を漁った。これくらいあればピザトースト3枚は行けそうだな。用意する物はパン、パプリカ、ソーセージ、玉ねぎ、トマトソース、バター。まずパプリカを細切りにする。玉ねぎは薄切りに。ソーセージはぶつ切りにこの三つの工程が終えた後フライパンにバターを引いて炒める。炒め終わった後パンにトマトソースを塗って盛り付けてトースターで焼く。そしたら完成だ。
「シリア兄さんリリーを起こして。」
「OK。」
そういうとシリア兄さんはリリーを起こしに行った。
「あなたは?それとここは?」
「俺はクリアに魔法を教えているシリアだ。ここはクリアの家だ。ほらクリアが作ってくれたピザトーストが冷めてしまう前に食べようか。」
「見ず知らずの私に、こんな、こんな、本当にありがとうございます。いただきます。」
そういうと彼女は黙々とピザトーストを食べたが俺には見えた。彼女の頬を伝う涙が。
リリーが食べ終えるとシリア兄さんは財布を用意して彼女を連れて服屋に行った。っえ俺はどうするかって?試作204号を本格的でオリジナルの武器にするため武器所に申請しに行くのだ。ただの武器ならいいんだけどオリジナル自分だけってなったら話は別だ。その為に名前が必要なんだけど家族そろってダサセンス。なので知り合いの占い師の人に見てもらうことにした。簡単に言うとママ友だ。ママ友って言っている通り俺と幼馴染の子がいる。名前はアキバ・キキリシア。色気がない女子だ。それでもアキバには助かっているから、嫌いではない。今日はアキバの母さんに用があるんだ。そうこうしているとアキバの家に着いたので
「あらいらっしゃいクリアちゃん。要件はわかっているわ、中へどうぞ。」
さすが占い師といったとこか。俺は案内されると4LDKの広いリビングに招待された。
「クリアちゃんの要件はその「銃」という武器を申請するために名前を考えてほしいと。私が今直感的に感じるのはクリアちゃんの「前世」の星から一つ名付けるといいと思うよ。ここからは自分とよく相談。でもクリアちゃんの「前世」の星は多すぎるみたいだから紙に書いていこうか。紙とペンを持ってくるから少し待っててね。」
「わかりました。」
改めて見ると豪邸だな~、上シャンデリアだし。今シリア兄さんはうまくやってるかな?
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「はっくしゅん、あ~」
「大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫、どっかで噂してんだろ。それよりもお前は自分の好きな服探せよ~」
「はい!」
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アキバの母さんがペンと紙を持って戻ってきた。
「さてと。そしたらこの紙に覚えてる限りでいいから星の名前を書いて君が前世の記憶持ちなのは知っているからジャンジャン書いていこう。」
アキバの母さん恐るべし。いつの間に俺を占ったんだ?あっここに来る前か。そしたら日本語訳と英語訳の物をこの世界の言葉に変換する。いつこの世界の言葉を習ったかって?それは独学です。
・サン=太陽 ・マーキュリー=水星 ・ヴィーナス=金星 ・アース=地球 ・月=ムーン
・マーズ=火星 ・ジュピター=木星 ・サターン=土星 ・ユナラス=天王星
・ネプチューン=海王星 ・シリウス ・ベガ このくらいか俺が覚えている星の名前は。
「終わりました。」
「ありがとう。そしたら君の今持っている銃は「ベガ」これがいいと思うよ。」
「ありがとうございます。」
「こちらこそありがとうクリアちゃん。いつも娘と遊んでくれて。最後にちょっとした未来の占いをしてあげる。」
そういうといつの間にか持っていた水晶をテーブルの上において占いを始めた。そしたら俺の書いた星の下にこう書かれた。
[知識と好奇心で生み出される兵はいづれかの陰謀へと立ち向かい兵は封印されるだろう]
俺はこの時の陰謀は魔王だと勝手に決めつけていたがまだ知らなかった。それよりも深い者が待っていることに。俺はアキバの母さんに礼をして武器所に行った。武器所はオリジナルの武器を申請、貸出している場でもあるからたくさんの冒険者や魔法師などがいる。
「いらっしゃい。おっクリアじゃねえか元気にしてたか?」
今俺に話をかけてきた人はジンガイ・キミハという人物で時々俺の倉庫来る人で武器所で働いているといいうことは分かっていたがまさかの受付!俺は少し心配だったが大丈夫だろうと受け流した。
「ああ。元気に試作204号を完成させて今日は申請に来たんだ。」
ジンガイは興味深そうに尋ねてきた。
「試作204号見せてくんねえか?」
「いいよ、ただし申請書頂戴。」
「すぐ渡すからちょっと待ってて。」
そういうとジンガイは申請書をもらいに行ったみたいだな。二分ばっか待っているとジンガイが走ってきた。
「ほいよ。そしたら試作204号の力を試すからそれ書き終わったら999n番のところに行ってこれを渡してくれ。」
そういうと申請書と試験書という紙を渡された。
「OKジンガイ。さっさとやってくるわ。じゃっまた後で。」
「また後で。」
俺は試作204号を渡しジンガイと別れた後テーブルに行って申請書をぱっぱと書き終えて999n番に行った。
「すみません。申請書と試験書の紙を提出しに来ました。」
「はい確かに。そしたらこちらへどうぞ。」
俺は受付の人に促されながらもついていった。
「クリア提出したみたいだな。そしたら試作204号の名前を言って武器の性能を見せろ。」
そう言って試作204号を渡した。
「OK。この武器はベガ。完全中距離型武器だ。いくつか的を用意してくれないか?そうしないとこいつの実力を見せれない。」
「なら、俺に向かって撃ってみろ。大丈夫障壁張るから。」
「ジンガイが大丈夫っていうなら大丈夫だな。百聞は一見に如かずしっかり見ていてくれよ。」
俺はジンガイに向かって標準を定め引き金を引いた。試験場にバン!っという音が鳴り響いた。
弾はジンガイの前で止まっている。二秒経過したら地面に落ちた。
「なあ、クリアあれはなんだ?金属の塊をぶち込んだみたいだが周りに魔力が少し見えたぞ。」
「ああ。確かに俺はベガに装填されてある金属の塊をジンガイにぶち込んだが金属の塊の周りに魔力が見えたのはこれのおかげだよ。」
俺はジンガイに魔石を渡した。
「なんで?魔石は扱いが難しすぎるから情報伝達の時にしか使われてないはず。」
さすがジンガイ。魔石の一般的な使用用途がわかっているみたいで何よりだ。
「そう!俺はそこに着目したんだ。確かに魔石単体では扱いが難しすぎて俺でも操作できないが魔石を通じた付与はできるはずだよ。」
「そうか!ベガの中に魔石が仕込んであって更に金属の塊にも仕込んであり情報伝達を利用した魔法付与をすることができる。俺の見た魔力はその魔石から出た魔力なんだ!」
「ジンガイ大正解。仕組みはまさにその通りだよ。」
「クリア、お前の申請を許可する。これからはオリジナルの武器を開発したら999n番に言ってくれれば後のめんどくさいのは全部こっちでやる。」
「ありがとうジンガイ。引き続き頼りにしてるよ。試験はこれでおしまい?」
「ああ。おしまいだよ。これからは試験書の手続きはしなくていいから。最後に助言ベガと同じタイプの武器作っておけ。」
「OK肝に銘じておくよ。そしたら待っている奴がいるから俺行くね。」
「ああ。じゃあな~」
「また今度。」
俺はジンガイに礼した後家に帰った。家に帰ったら藍色のワンピースを着たリリーが椅子に座っていた。彼女の金色の髪が藍色のワンピースとベストマッチしている。彼女の隣に魔石を持ったシリア兄さんがいた。
「おかえり、クリア。申請は済んだか?」
「ああ、今終わらせて来たとこ。母さんに連絡してたの?」
「ああ今連絡して帰りに向かっている。リリーのことはリアとセシリアには伝わっているから今日からここがリリーの家になる。」
へ~今日からここがリリーの家になるん?ちょっと待てよ?
「シリア兄さん。今日からリリーここに住むん?」
「ああ正式な養子としてな。」
わーお。マジですか。そしたら自己紹介くらいはしないとね
「リリーこれから、よろしく。」
「はい!クリアさん」
「リリー今日から俺らの家族になるんだろ?だったらさん付けはやめてくれないか?」
「じゃあクリア?」
「それでOK。そしたらこのうちの紹介をするからついてきて。」
「わかりました。」
俺はリリーに家の中と倉庫を案内し終えたらちょうど母さんが帰ってきた。
「ただいま~あらその子がリリーちゃんね。これからよろしくねリリーちゃん。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
リリーが頭を深々と下げていると母さんがリリーの手を取ってそっと抱き上げた。その時の母さんは少し涙ぐんでいた。母さんがリリーを降ろすと彼女に家のルールを教え始めた。
「今からこの家のルールを今から教えます。」
「はい。」
「ルールその1この家では自分の気持ちをおろそかにしてはいけない。
ルールその2自分の好きなことは徹底的にやること。
OK?」
「わかりました。改めましてよろしくお願いします。お母さん。」
「よろしくね、リリー。さて今日リアはしばらく家に帰ってこないから物足りないけど新しい家族もできた。なので今日は腕を振るいに振るいますよ~」
俺とシリア兄さんはこの光景にくつくつとのどを鳴らして笑った。
「はい、そこの二人笑ってないで手伝ってください!」
「はーい」
母さんに指摘されると急いで手を洗ってキッチンに行った。
俺らは父さんの帰りを待ちながら夕飯の支度をした。