0話 とき放たれる闇
読んでいただき、ありがとうございます。遊遊です。初代Pla○ StationのソフトでRPGツクールというソフトがあり、そこで作りかけてたストーリーを小説にしてみました。
当時、メモリ量の関係で作りきれなかった分、たくさん妄想して作りますので楽しんで頂ければ幸いです。
◯???? 地下回廊 ??:??
ヴヴヴ・・・
腹にわずかに響く重低音がする薄暗い廊下を一人の男が進んでいく。見た目は非常に整ったキレイ系なイケメンだが、心の闇全開の不気味な笑みがその美貌を台無しにしていた。
「ぶっ壊してやる・・・俺を認めない国なんて存在すら許されない。父上は何もわかってない。俺こそが大王にふさわしいというのに。」
ぶつぶつ呟きながら15分ほど廊下を進み、男は見上げるほど大きな丸い円盤の前に辿り着く。そこに胸の高さくらいにある水晶のような物に手を当て、男は唱える。
「我は天津国第二王子、クルス。先祖の血をもって命ずる。黄泉の封印を解除せよ。」
「イデンシコードカクニン、テキゴウ。カクリクウカン"ヨミ"ノフウインジュツシキヲカイジョ。」
無機質なアナウンスの後、周囲の空気が円盤へ吸い込まれ始める。その直後、稲妻のような閃光に襲われクルスは目を瞑る。目を開けるとそこには廊下よりさらに暗い空間が口を開けていた。奥には、巨大な肉の塊、脈動があるところを見ると生きていると思われるモノが鎮座していた。
「やった、やったぞ・・・これで国を一から作り直せる・・・俺がこの国を正すんだ。全部、俺の物だ。」
クルスは拳を握りしめ、目の前の異形に怯えることなく抑えきれない興奮を押し殺し、肩を揺らして笑った。自分が恐ろしい厄災を解き放ったとは知らずに。