何故? 僕は君を抱きしめる事が出来なかったのだろう?
___僕と君は、とってもイイ仲だったよね!
兄妹のような、親友のようないい関係だった。
・・・だけど?
僕は、君の傍にいる事が出来なくなってしまった。
それを君に伝える事が出来ないまま、僕たちの関係は終わってしまったね。
『___ねえ、一登? 今日は何する?』
『___美味しいグリーンティーが飲めるお店があるらしいよ! 行く?』
『___うん!』
___これが! 君との楽しい時間を過ごした最後の日だった。
▽
___この帰りに、僕の家の前である男が僕を待っていたんだ!
『___えぇ!? どうしたんだよ、賤夫!』
『___ごめん、こんな時間に、、、どうしても? 今日中にお前に
話したい事があってさ~!』
『___なんだよ、改まって?』
『・・・ココじゃなんだし! 近くの公園でも行かないか?』
『___あぁ、分かった!』
___いつもの賤夫じゃないのは、僕でも見て直ぐに分かったよ。
賤夫とは? 僕が子供の時からの幼馴染で親友の男の子だよ。
・・・いつも、僕と歩佳と賤夫の3人でいたんだけど?
___いつの間にか?
賤夫が僕たち3人の中から離れて行ってしまったんだ。
『___どうしたんだよ? 賤夫!』
『・・・・・・実は、歩佳の事なんだけど?』
『___えぇ!? 歩佳の事って?』
『___俺さ~ ずっと歩佳の事が好きだったんだよ! でもお前と
歩佳が仲良くしているところを見るのが辛くなってさ~! 俺はお前
達と一緒にいれなくなったんだよ! すまん。』
『・・・なんだよ、それ? また、戻って来ればいいじゃん! また
3人で楽しくやろうぜ~い!』
『___俺さ! 歩佳と付き合いたいと想ってるだよ。』
『___えぇ!? 歩佳と?』
『___悪ぃ、一登! 俺、歩佳に告白するわ!』
『・・・えぇ!? 本気なのか!?』
『___あぁ! 俺は本気だよ! 一登、お前はどうするんだよ?』
『・・・・・・』
『まあ、それだけなんだ! お前に一言、言っておきたくてな! じゃあ!』
『___あぁ、』
*
___賤夫に、あんな風に言われて、僕は少し怖気づいてしまったんだ。
そこから、歩佳を僕は遠ざけてしまう事に、、、。
『___ねえ、一登? 最近、おかしくない? 私の事、避けてるでしょ?』
『___えぇ!? そんな、事ないよ。』
『___そんな事あるよ! 一登、嘘つくと鼻を触る癖があるから!』
『・・・それより、賤夫とは? どうなってんだよ!』
『___えぇ!? 急に何よ! 別に何もないよ!』
『___賤夫に告白されたんだろう? 歩佳はなんて答えたの?』
『・・・えぇ!? 気になる?』
『___い、いや? そうじゃ、ないけど? どうなったのかなと...。』
『___賤夫は、私にとって仲がイイ友達だよ! だから、そういうん
じゃないのよ! 分かる、一登?』
『・・・・・・』
『___だからさ~今日は、何処行こうか、一登?』
『・・・・・・い、いかないよ、』
『___えぇ!? どうしてよ!』
『・・・どうしてもだよ! じゃあな!』
『・・・ちょっと待ってよ、一登!』
『・・・・・・』
▼
___それから、数か月後。
賤夫と歩佳は、付き合いだしたんだよ。
楽しそうに、二人が横に並んで歩いているところを僕は少し
離れたところから見てしまったんだ!
___二人からは、僕は見えなかったんだと思う。
___僕は、これでいいと想っていたんだけど?
・・・ある時、僕は気づいてしまったんだよ。
*
___僕は、歩佳の事が本当に好きだった事に、、、。
二人が仲良くしている姿を見て、気づくなんて!
何故? 僕は君を抱きしめる事が出来なかったのだろう?
・・・もし?
___それが、出来ていたなら?
僕たちの関係は変わっていたのかもしれない!
最後までお読みいただきありがとうございます。