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みんなが帰るのはあした。今夜は肉食獣たちの宴だよ

お食事中の方はご注意下さい

 

「それで、かぁさまがつかまえたカエルは、塩ゆでにしました」


「この森の獲物は丸まると太ってっからな、旨かったか?」


「はい! ぼくもいっぴきつかまえました!」


 知っている顔ぶれに緊張が解けたディオ君は、これくらい大きかったのだと目の前のコップを倒す勢いで腕を広げて、捕まえたカエルの大きさをアルトさんに教えている。本当にそのサイズなら私もちょっとだけ見てみたい。だってディオ君の弟君と同じくらいだぞ。

 カエルの肉質はサッパリしていて鶏のササミに近いと言っているが、解体前の姿を見るのはちょっと怖いな。赤子サイズのカエルなんて日本にはいなかったし、捕まえるのだけは断固として遠慮したい。

 赤子を抱きあげるかのように、巨大なカエルを抱っこしたくはないからね。


 レアンドラさんの食料調達技術力が高いからか、狩りの話を聞くのはすごく楽しいんだけど、獲物には両生類や爬虫類も含まれているから油断は禁物だ。

 それにお茶を飲むタイミングで、二羽のカモを仕留めた狩猟方法がただの投石という話をされてみろ。これが噴き出さずにいられようか。

 私には不可能だったよ。堪えきれず、でも頑張って横を向いたらレモルに直撃してしまった。

 おっちゃんはビクリと身体を震わせていたけど、真摯に謝ったら許してくれたよ。

 ちなみに赤ちゃんはカラさんが抱っこしているから無事だった。


「ドーラは~、あいかわらずコントロールがいいわね~」


「ですが石は三個投げたのです。もう一羽には逃げられてしまいましたよ」


 もっとほかに言うことがあると思うんだけど、本人は一発はずしたので腕が落ちてしまったと、くやしさを隠しきれないようすだった。

 この世界には猟銃はないけれどその代わりに魔術があるし、飛び道具は弓矢やブーメラン、ボーラーだから、小石も立派な狩りの道具になるらしい。ただし小物にしか通用しないのだそうだ。

 私もバイソンに石を投げて狩ろうとは思わないので、おおむね納得ができる話だった。




 貯蔵庫を確認したあと、白プレールの茶葉とポット、そして家にあるすべてのカップを並べても、ここにいる人数分には足りなかった。

 基本的に守護者と管理者しかいない家だし、ガウターが増えたところで食器を増やしたりはしなかったからだ。

 足りないところは魔素で作るかとテーブルに戻れば、三脚しかなかったイスはいつの間にか増えていて、すでにみなさんは着席していた。


「それでは皆さん、もうご存じかと思いますが、このかわいい鳥さんが守護者で、こっちのレモルがおっちゃんです。で、こちらの皆さんが、レアンドラさんのお兄さんがリーダーを務める『疾風迅雷』です」


 ひとりずつ名前を紹介して、宿であったことを先生たちに説明した。もちろんスパイ行為は説明から省いてやったがな。


「へぇ~、『疾風迅雷』たぁカッコいい名前だねぇ」


「お、おう。ありがとよ」


 うわずった返事をするアルトさんは、レモルにいい思い出がないんだろうか。

 ディオ君だけ言語魔術が使えなくてつまらないんじゃないかと思ったが、コンガスで作ったベリージュースに夢中だったから問題なかった。

 聞けばガウターやおっちゃんともフィーリングで会話しているらしい。お子さま同士、なにか通じるものがあるんだろうね。


「アリ殿は兄さんたちとお知り合いだったのですか」


「え~っと、去年の……七の月頃だったかな。西側の海岸近くで遭遇したことがあったんだよね」


「そうなの~、森からおっきな魔素が近づいてきたから~、すごく驚いちゃったわ~」


「その頃はたしか、兄さんがレモンやオレンジを届けてくれましたね」


「あ~、悪阻(つわり)で大変だって聞いたからな。まぁ、依頼のついでだ」


 本当に仲がいい兄妹だなぁ。

 照れ臭そうにそっぽを向くアルトさんの耳は、少し赤くなっているように見えた。

 ルファさんは話よりも私が試しに作ったハンギングチェアに夢中なので会話には入ってこないが、ときおり耳がピクピクと動いているので聞いてはいるらしい。ロッキングチェアに座るラムスさんは完全に寝落ちたように見える。

 ハンモックはこの国にもあるのだろうか。にゃんこが喜ぶならいろいろ作ってみようかな。


 増えた分のイスは先生が魔素で作っていたけれど、テーブルと最初からあったイスは魔素ではなく本物の木で作られていた。

 どうしたのかと聞けば、ウィル様がこの場所で管理者の引き継ぎを行うと決めたとき、ここはまだ空き地ではなく周りの森と変わらなかった。それをウィル様が伐採または移植して、いまの空き地になったそうだ。

 伐採した木はログハウスに変わり、残った木々で売れるものは建築ギルドに売却したようだ。


 この空き地を作るために伐採した木は数千本にもなったため、かなりの量がプリ先生の鞄に死蔵されているとのことだ。鞄と言っても形があるわけではなく、なにもない空間から自由に出し入れができるのが守護者なのだという。

 最初の一年間のシチューセットは、プリ先生がそこから出していただけだった。


 なぜそんなウソをついていたのかと思ったら、管理者のモチベーションをあげるためだった。

 普通だったら『そんな魔術は見たことがない』、『管理者になればすごい魔術が使えるんだ』、『私も頑張る』のような反応があるのに、私は『凄いな~』とか『おいしいね』だけで終わってしまった。

 魔術を使えなくても魔素を動かそうとするだけでフィルターの精度は上がったらしいのだけど、私は転入者だったし魔素を使うイメージがまったくなかったので、先生もそうとう苦労したようだ。

 なんというか申し訳ないね。苦情は神様にお願いしたい。


「爺様、先日はお世話になりました。亀たちは大丈夫ですか?」


《よいよい。あやつらも元気でおるわぃ》


 みんながお茶とオヤツでくつろいでいる隙に、目を覚ました爺様にあいさつをした。どうやらレアンドラさんたちが川を渡るのを手伝ってくれて、それからここにいるらしい。

 頭を下げてお礼をしたのだが、甲羅の上にいる子チボがなんだか偉そうだ。お前に言ったのではないぞ。


「ゴメンね、爺様。子チボたちがやんちゃ過ぎて眠れなかったでしょう」


《子どもは元気な方がよいからのぅ》


 そうは言ってもね、このままだとチコさんにも登りそうだよなぁ。

 先生から残りの木をわけてもらって丸太ステップでも作ろうかな。小学生の頃、校庭には色とりどりのペンキを塗った丸太ステップが、遊具として設置してあったんだよね。

 高鬼とか色鬼をして遊んだのが懐かしい。子チボたちが高いところを好きなら絶対に気に入るはずだ。

 回転ジャングルジムとか遊動円木とか回旋塔もおもしろかったよなぁ。さすがに作れるとは思わないけれど、滑り台や鉄棒、ブランコやシーソーだったらなんとかできそうだ。


 近所の公園の遊動円木なんて林の中にあって、周りにある数本の木から丸太をロープで吊っているものだった。除夜の鐘みたいに押す子と、ロープを掴んで立ちこぎするように動かす子がいて、ほかの子は丸太に抱きついて乗って、最後まで落ちない子が勝ち、みたいな遊びをよくしていたな――――。


「グゥッ!」


 痛い、痛い、痛~い! 鼻の奥がめちゃくちゃ痛い。思わず涙が出てきた。炭酸が鼻の方に逆流していったよ!

 結界があるから久々にダメージが入ったなぁ。打たれ弱いんだから止めてくれよ。

 これは歩きながら飲むのは行儀が悪いからやめろっていうことなんだろうね。

 涙を拭いてからテーブルに戻ると、謎果物の試食会はまだ続いていた。

 オヤツにサバラを出したらドン引かれたのは腑に落ちないぞ。


「アリ、これは食えないと思うぞ。それにこれもだ」


 アルトさんが指差したのはプリンスメロンがふたつつながったような木の実だ。ずっしりとした重みがあり、形はひょうたんみたいだけど振ればザラザラと音がする。


「フルトセコの実ね。毒ではないわよ」


 先生はそう言うけれど、毒の有無よりもおいしいかどうかの方が重要だ。


「毒ではないなら割ってみましょうか」


「種が入っていそうですね」


 ナイフで穴を開けようとしたが固すぎて刃がとおらなかった。見た目はプリンスメロンでも、クルミのような固い殻があるようだ。


「どれ、オレが割ってやろう」


 フルトセコの実と中身を入れるボウルを渡して、何が出てくるのかと期待を込めて見守ると、アルトさんは両手で掴んでねじ切っていた。刃物は使わずに力業で解決かよ。


「おじさまはスゴいです!」


 ディオ君からの尊敬の眼差しと称賛を受けながらボウルに中身をすべてあけると、出てきたのは茶色やクリーム色、緑色の種っぽいものだった。


「種なの~?」


「幼虫みたいです」


 気持ちはわかるけど口に出すのはやめようね。ディオ君は興味津々のようだ。


「皮を剥いて種を出せば、ちょっとした容器になりますね」


 みんなは殻に注目しているけれど、私は中身の方がとても気になる。一粒手にとって匂いを嗅いでみたがよくわからなかった。ちょっとだけ噛ってみれば水分もあって生の豆っぽい。これは当たりじゃないのかな。


「これはたぶん煎るとおいしいはずです」


「アリ殿、いるとはどういうものでしょうか」


「え~っと、焼くんだけど、常にフライパンを振って水分をとばす感じでしょうか。なにも加えないものと、油と塩を加えたもので食べ比べてみませんか」


 アルトさんからはフルトセコをあと三つ割ってもらい、私はスキップしながら油を家から持ってきた。


「では、魔素さんよろしくお願いします!」


 じわじわとフライパンの中身が熱せられると、あたりには香ばしい香りが漂ってくる。みんなも鼻をヒクヒクさせて煎り終わるのを待っていた。

 充分に水分が抜けたのであら熱をとってからお皿に移すと、期待に満ちた目が私の動きを追っているのに気づき、口の端が上がってしまった。


「できましたよ~」


 まずはなにも加えていない方の、茶色い種を口に入れる。カリコリという歯ごたえと香ばしさ、これは間違いなくアーモンドだ。


「おいしいわね」


「うまいな」


「麦酒がほしい」


 それね! わかる、わかるよ! だってこれはミックスナッツだもの。

 アーモンドにカシューナッツ、ピスタチオにピーナッツだ。この丸いのはヘーゼルナッツか? マカダミアナッツとの違いがわからない。食べてみたら味が違ったので、どちらもあるみたいだ。

 ビールはないので、コンガスにレモン果汁をしぼって渡しておいた。もちろん冷やしてあるから喉ごしも最高だ。


「あーあ、ハチミツがあればなぁ~」


 子どもにはハチミツ入りの方が飲みやすいだろうに。そう呟くと、蜂の巣を見つけたら先生が教えてくれると約束してくれた。

 嬉しいんだけど処理の方法がわからない。蜂の子はどうしたらいいんだろうね。

 とりあえずいまはマルマトウで我慢してもらったけど、ラムスさんがスプーンで山盛り三杯も入れていたのには驚いた。甘党って限度はないんだろうか。糖分の摂りすぎで頭が痛くならないのかな。

 よく考えてみると、マルマトウはサトウとは違うから身体への影響も異なるのかもしれないな。忘れなかったら薬師棟で聞いてみよう。


「この小さいやつがオレは好きだ」


「緑の方が旨いにゃ」


 どれが一番おいしいとか、次に見つけたら絶対に採取するとか、アルトさんたちが話しているのを横目に見ながら、思いがけずに手に入れたナッツに舌鼓を打った。

 これは小麦粉が必要だね。香ばしいナッツ入りのクッキーを常備したい。チョコレートがあればさらに嬉しいんだけど、まだ売っているところを見たことがないんだよね。


「明日は採取しながら帰りますか? ちなみにこれは二番目に大きい湖の近くで見つけましたよ」


 青の森の外で休憩をしたから森の中では休みなく移動したので、湖で採取はできなかった。

 早く帰りたかったから最短距離を走ったために、ルート上には湖がなかったのである。


「ああ、それなら西側を採取してきていいか?」


 南の湾の北西にはマルマの木があって、アルトさんたちはそこでよく採取をするのだそうだ。

 聞けばそのマルマの木が一番北にあるらしい。


「そういえばエメリコさんがマルマトウを欲しがっていましたよ」


 私はアセデラのハンターギルドに、マルマトウの依頼が出ていたことを教えた。


「オルランド様のプリンだろうな」


「あれは常時依頼みたいなものですからね」


 なるほど、オルランド様も甘党か。健康には注意してほしいが、あの筋肉を維持できるくらいの運動量があるのだろう。

 私もここ数日はなん百キロ走ったかわからないんだけどね。


「それじゃあ、皆さんが採取しているあいだに晩ごはんのしたくをしますね。今夜はハバリーのステーキにしましょうか。魚もあるから鉄板焼きの準備をしておきますね」


 ハバリー肉はそろそろおいしく熟成されている頃だ。醤油があれば生姜焼きでもよかったんだけど、塩ニンニク味でステーキにしてみよう。そして冷蔵庫の空いたところでバイソン肉を熟成させるぞ。貯蔵庫の熊肉はレアンドラさんにお土産として渡してもいいな。


 家の横にアルトさんたちの幌馬車を出すと、装備を整えてから採取に行ってしまった。

 私は先生から二十本ほど伐採した木をもらうと、半分は枝打ちして乾燥させ、残りは鞄にしまっておいた。もらった木はスギやカエデ、ドングリがついたコナラやクヌギが多かった。

 ガウターは卵を温めることに夢中だし、おっちゃんは赤子の世話、レアンドラさんは狩りの後始末とみんな忙しそうだ。

 魔素で強制的に乾かした丸太のなかから直径三十センチ前後の木を数本選び、長さを一メートル以内にして切っていく。あとは埋めるだけだ。


 庭の南西にできた丸太を埋めて周りの土を固めると、蹴って確認してみる。グラつきもないしてっぺんも平らで滑るとこはないだろう。

 歩幅に合わせた間隔をあけて二十本ほど埋めていくが、丸太の高さはあえてバラバラにすると、丸太ステップができあがった。


「キュキュ?」


「いや、クオッカ用に作ったんじゃないんだけど」


「キュ!」


「キュイ!」


「まぁ、楽しいんなら好きにしたらいいよ」


 ニコニコと笑いながら丸太をペチペチと叩き、伸びあがるようによじ登ろうとしている姿は、見ているだけで笑顔を誘うね。チボも気が向けば遊ぶだろうし。


「ねぇさまはなにをしているんですか」


「ディオ君も遊んでみる?」


 最初は手をつなぎながら飛び石のような丸太を渡り、なれてきたらすぐにひとりで歩けるようになった。高いところも上手に登っている。


「獣族の運動神経は何歳から覚醒するんだろうね」


 クオッカたちが見守るなか、ディオ君に跳び箱のように手をついて飛び越える遊びも教えてから、少し離れて残った木で板を作ることにした。厚さは二センチ弱で長さは二メートルに揃えた。

 これは物置小屋の北側に家畜小屋を作るためだ。いまは物置小屋を使っているけれど、あそこにはいろんなものがあるので、事故を防止するためにも専用の小屋を作りたい。魔素で作った方が簡単だけど、こういう作業は嫌いではない。

 切れ端やおが屑は焚き付けにするので寄せておくと、小屋を作るのに十分な量の板ができた。


 もしものためにディオ君に結界を張ってから物置小屋の北に移動し、予定の場所の地面を十センチほど高くした。周りからまんべんなく土をとっているから堀ができてはいない。

 板で三方を囲むと残った一方は上半分だけ壁を作り、下は自由に出入りができるようにした。

 高さは一メートルあるのだから、問題はないだろう。屋根になる板を並べれば、簡単な小屋ができあがった。

 チボもトントもクオッカも野生生物だから、多少の雨は気にしないと思うけど、雨宿りに使ってくれたらいいな。


 ぐるっと一周してから中に入ってみれば、魔素によって板は隙間なくつながっているし、屋根からも光が漏れているところはないので、雨漏りはしそうにない。あとは動物たちが気に入るかどうかだけど、特別なことはしないで放っておくことにした。


「あとは晩ごはんの準備かな」


 テーブルの近くに大きめのU字溝と鉄板を作る。鉄板の表面には細かい凹凸をつけて肉が張りつくのを防ぐようにしてみた。

 先ほど枝打ちした部分とおが屑を横に置けば、あとは食材の準備だけだ。

 家に戻ってから冷蔵庫のハバリー肉を取り出して、バイソンの肉を代わりに入れる。

 貯蔵庫から玉ねぎ、キャベツ、レタス、ニンニクを取り出して下ごしらえをした。玉ねぎは輪切り、キャベツはざく切り、レタスはちぎってサラダにするし、ニンニクは二個をすりおろし、一個はみじん切りにしておいた。残った十六個は鞄の中だ。


「よし、それじゃあメインを切ろうかな」


 筋引き包丁は初使用だな。刃を見てもすでに研いであるようだ。水で洗い鞄の中からトマトを出して試し切りしてみた。

 トマトは切られたことに気がついていないかのように、まな板の上に鎮座していたが、ちょんと指で押すとドミノのように五ミリ幅で倒れていった。


「なかなかの切れ味だね」


 そのままトマトを賽の目に切り、ボウルに入れてオリーブ油と塩コショウで味つけをしておいた。きゅうりは斜めにスライスしてレタスに混ぜてから、トマトのソースをざっくりと絡めた。これは冷却して鞄に入れておく。


 ハバリーのモモ肉とバラ肉は八ミリくらいの厚さに切って、三分の一はマルマジオとコショウとニンニクに漬け込み、あとの三分の一は酢とマルマトウ、マルマジオ、マルマラシ、すりおろしニンニクを混ぜたもの、つまりスイートチリソースに絡めた。残りはマルマジオのみを振っておいた。


「肉だけで山ができてるじゃん」


 残っても鞄があるからいいか。だけど野菜が足りないかなぁ。レタスかキャベツがもうひと玉でいいから欲しかったよ。

 ないものはないので、マルマッシュにきゅうりの輪切りと茹でたマルマゴを混ぜて、マルマジオとコショウ、そしてマルマゴ、酢、油で作ったマヨネーズで味をつけた、ポテトサラダを追加した。ニンジンがないのが非常に残念である。祖母はリンゴを入れていたが好き嫌いが分かれそうなので、今回はこれでいいことにしておいた。

 小ぶりのサルモン十匹にマルマジオを振って、食材の準備を完了させた。あとはみんなの帰りを待つだけである。


 そとに出てテーブルの横に大きめのサービスワゴンを作ると、準備した食材をすべてのせて結界で包んだ。この結界のなかは五度くらいに冷やしておいた。


「食器は大丈夫だし、飲み物もさっきたくさん作ったから余裕だよね」


 ディオ君と遊びながらお腹が空くように運動をしていると、うっすらと日が落ちる頃にアルトさんたちが帰って来た。


「それじゃあ、簡易かまどに火をいれようか」


 U字溝に薪を組んでおが屑に火をつけると、その上に鉄板をのせた。

 ガウターもようやくトントと交代して、テーブルにやって来たので、浄化をかける。


 さあ、肉食獣たちの宴の始まりだ!


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