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知られざる学園の異才  作者: 杉崎ユウ
4/11

感覚披露

「僕の感覚は痛恨一撃(クリティカルヒット)だよ」

「そんな感覚初めて聞いたな」

「う、うん珍しいねってよく言われる」


 (いま)僕が(つく)った感覚だから聞いた事あるわけないよ、と言えるわけもなく、トウゴはウソの設定を突き通す。


 シアラがトウゴの服を軽く引っ張り、再びアイコンタクトの合図を出す。


(ちょっと! そんな感覚あるの!?)

(多分、いや絶対……無い)

()()()()()感覚なら何でも良いって言ったの!)

(昨日ドラグエで痛恨(つうこん)一撃(いちげき)くらったの思い出しちゃって。つい)


 シアラの鋭い目線からシアラぼ苛立ちを感じとるトウゴ。


 やってしまったと自覚しているがもう引き返せない、痛恨一撃(クリティカルヒット)の能力を急いで考える。


「で、その痛恨一撃(クリティカルヒット)ってどんな能力なんだ?」

「え?」

「いや、初めて聞いた感覚だからどんな能力なのかなって」

「え、えーっと、ドラグエの痛恨の一撃あるでしょ、アレだよ」


考えている途中でのタイミングの悪い質問に、トウゴは抽象的な説明しかできない。

伝われ!と心の中で強く念じる。 


「アレで伝わるわけないでs……」

「アレか!」

「伝わるのね……」


 ゲームにうといシアラからすると()()で通じてしまうことが理解できない。

 一方トウゴは痛恨一撃(クリティカルヒット)の能力も思いつき、心の中でガッツポーズを決める。


「トウゴ、私にも分かるように説明してくれると助かるんだけど」

「ゲームとかで普通の攻撃なのに、運が良いとたまに大きなダメージでる事あるでしょ、アレだよ。」

「な、なるほどね」

「でも普通の攻撃ってどうやるんだ?」

「こう、普通に殴るとか蹴るとか武器で斬るとか」

 

 ボクシングのような殴る蹴るのジェスチャーを見せ、説明する。


 シアラはグイッと、さっきより強くトウゴの服を引っ張り、アイコンタクトの合図を出す。


(攻撃方法凄い曖昧(あいまい)だけど、大丈夫なの?)

(攻撃する瞬間に、超感覚でダメージ与える能力使えばバレないって)

(気を付けてね、トウゴが本気出したら相手が死んじゃうかもしれないんだから)

(分かってるって)


 慣れたのか、アイコンタクトのスピードが速い。

 ガレンに気付かれず意思疎通をとれるまで速くなった。


「でもそれじゃあ近接攻撃としてしか使えないよな」

「そ、そうだね」

「その上、防御できないのはつらいわね」

 

 知らない人からすると、学生の三人が攻撃やら防御やらについて話すのは不自然かもしれない。


 しかし、感鋭学園の授業は、初代学長の「感覚を磨く一番の近道は実践(じっせん)実践(じっせん)」という理念の(もと)組まれており、授業や学校行事では感覚を利用した攻守が必要となる場面が多い。


 その為、勉強だけでなく、運動神経や戦闘の得手不得手も成績に大きくかかわり、感鋭学園の生徒からすればその(たぐい)の話をするのはいたって自然である。


「た、たしかに防御もできないんだよね」


 トウゴは痛恨一撃(クリティカルヒット)が遠距離苦手&防御もできない感覚だと二人に指摘され気付く。

 大きな選択ミスに自分で自分を殴りたくなる。


 確かに自分の感覚と体質を隠すと決めたが、さすがに弱すぎやしないか。

 もし攻撃ができて、超感覚で大きなダメージを与えられても、毎回攻撃が強かったら怪しまれちゃうし、戦闘以外ではもはや何の役にもたたない、とトウゴは頭を抱える。

 

「ガレンの感覚は何なの?」

 

 これ以上トウゴのボロが出るのを危惧(きぐ)してか話題を変えるシアラ。


「俺は第三感:温度感覚の温覚、まぁ簡単に言うと火を操る能力」


 シアラの意図に気付くわけもなく、()()きとした真っ赤な炎を手にまとわせながら、ガレンは能力を説明する。

 

【温度感覚:温度の刺激により起こる皮膚の感覚、温覚と冷覚が存在する】


「遠距離、近距離両方の攻守もできるし、私生活でも結構便利だぞ」


 自慢げに話すガレンをよそ目に、髪の毛の色と一緒だ、と思うがトウゴとシアラは口に出さない。


「シアラは?」


 ガレンは手にまとった炎を太陽の光に透かしながら、シアラに尋ねた。



「私は 第二感:聴覚の反響定位(はんきょうていい)、空中でも地中でも水中でも、そこにある物体の位置と形が分かるの」


【反響定位(聴覚):自分で発した音の反響を感知する感覚、コウモリなどがよく使う】


 ちなみに感覚(能力)にもランク分けが存在しており.


 生き物に実際備わっている感覚(シアラの聴覚やガレンの温度感覚)は第一感~第三感、実際に存在しない感覚(トウゴの超感覚など)は第四感~第六感に分類される。


 また、感覚(能力)を使える人の数が少ないほど1~3、4~6の数字が大きくなっていく。


「……なるほどな」


 反響定位(はんきょうていい)をいまいち理解できてないのか、ガレンの相槌(あいづち)には変な間があった。


「例えば、今トウゴの右ポッケにある財布の中には、小さめの紙が6枚に大きい硬貨が一枚で……6500円あるはず」


 言葉で説明するより、見せた方が分かりやすいと考えたシアラは実際に能力を使う。


 学園長の言う通り、百聞は一見にしかず。


「そういうことか! スゲェな!」

「どう? 当たってる?」

 

 いくらあったかなぁとトウゴは右ポッケとから財布を取り出し、開く。

 しかし、そこにはシュールにもレシート6枚に缶バッチが一個あるだけだった。


「……」


何かあったら教えていただけると助かります!

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